手術しかないな・・毎日見るたび胸が痛い。
もう3月からの結膜炎の時の膿が・・・
結膜炎自体は治っている。
問題は、この膿の膨らみ。
何度か、麻酔無しで、獣医が手で膿を絞り出した。
ものすごく痛いはずだけど、
生後3ヶ月から病院通いしたせいか、
病院では決して騒がずじっと我慢する。
何度か、膿絞りを、ううっと唸るだけで耐えた。
普通なら、麻酔してやる。
ゆーちゃんくらいだ、我慢してやらせる犬は。
注射なら何本打っても微動だにしない。
しかし、フィラリア薬をもらう4月半ば、
ドタバタ忙しい獣医が、ゆーちゃんを見たとたん、
フィラリア用の単なる血液検査を、膿絞りと勘違いし、
荒っぽく猿ぐつわをかけ、荒っぽく足を固定し、
いきなり荒っぽく、いつもより強引に膿を絞った。
ゆーちゃんは、生まれて初めて、野獣のように騒いだ。
緊張感と恐怖と痛みが絶頂に達したのだ。
何か、水が飛び散った!
「えっ! 何っ!」 たまらず私が声を出した。
見たこともないゆーちゃんだった。
猿ぐつわの奥で、歯を剥き出しにして怒り狂った。
よほど怖かったのだ。痛かったのだ。
そばにいた私の驚きと動揺を見て、
獣医が大慌てで私を診察室から出した。
しばしして、
ゆーちゃんは診察室からオネエサンに抱かれて出てきて、
私を見て、にっこり笑顔になった。
笑ってくれるの? ゆーちゃん・・
膿んだ目元から、血が流れていた。
ゆーちゃん、かわいそうに、本当に本当にごめんね。
ああ、ゆーちゃんゆーちゃん、ごめんねごめんね。
獣医によると、
(心臓肥大があるから)舌が一瞬で紫色になり、
オシッコを飛び散らし、ウンチも出たのだとか。
「犬にはよくあることですが、興奮してしまった。」
「舌が一瞬で紫色になりました、無理ですね。」
獣医自体が、紫色になった舌に仰天したのだろう。
何回も繰り返した。
なんだとバカ野郎!
フィラリアの薬もらう為に来たんだと言ったじゃないか!
血液検査くらいじゃ、笑って済ますんだよ、ゆーちゃんは。
強引にあんなことしやがって!!
完全におまえのミスだろ!
だから、すぐさま治療をやめ、拘束を外し、
若くてのんびり風情のオネエサンに抱っこさせ、
ゆーちゃんが落ちついてから、私の元に連れてきたわけだ。
もし死んでたら、どうしてくれるんだ!!
絶頂許さないよ!!
と腹で思いつつ、大きく息を吐いて、
「こんな反応は初めてです。今まで一度も見たことがありません。」
と言うと、獣医は息を飲み込みながら、
「すいませんでした。申し訳ない。いや、ほんとすいません。」
と、この獣医には非常に珍しく、下手に出て謝罪した。
申し訳ないで済むか、この大バカ野郎!!
という件があったから、
4月半ば以降、迷いに迷いつつ、様子を見てた。
麻酔は大丈夫だろうか。
前回のことを、ゆーちゃんが覚えていて興奮しないだろうか。
11歳5ヶ月。
心臓肥大は進んでいる。
よく喉が詰まるような息をする。
これから、獣医に電話で相談する。
ゆっくり落ちついた雰囲気なら、
手術準備で暴れはしないだろうが、そうでなければ?
私も、息が止まりそうなくらい、心配。
雨が降り始めた。
独りで心配する身は辛い。
弱気が全身に広がるのを感じる・・