今年は山の親爺「クマ」が大量に人里に出没して、「特異年」になっている。
北海道では凶暴で恐れられているヒグマが11月末で350頭も捕獲されている。
本州でもツキノワグマが長野県で700頭、山形で670頭、新潟で500頭など合わせて4000頭が捕獲されたと言ふ。
捕獲数は史上最多で、人身事故も死者5人、重軽傷者は130人を超えている。
今年はクマの大好物のブナの実が凶作で、それで餌を求めて山から人里まで降りて来た様だ。
環境も開発や過疎化で変わり、奥山と人里を隔てていた中山間地にある田畑や果樹園の荒れた藪などを伝いクマも簡単に人里まで降りて来たらしい。そして美味しいリンゴや野菜にありつく構図だ。
一面ハンターが減り、人間に追われた経験がなく、人間を恐れない新世代のクマが増えたと言ふ研究者もいる。
山形では推定生息数の1500頭の40%を捕獲。長野県でも1300~2000頭と推測される20~40%を捕獲した。大抵は捕獲されたクマは殺傷される。
我国ではヒグマは数千頭、ツキノワグマは一万頭前後が生息していると推定されているが、「推定数は過小」「クマは増えている」と言ふ研究者もいるらしい。
しかし今年は捕りすぎたから、大日本猟友会(13万6千人)にクマの狩猟自粛を呼びかけた。
クマは山の親爺と言って人間には特に親しまれた存在だったし、「熊の胆」は万病に効く薬だった。クマの皮やクマ肉を珍重する人も多い。
小生が小学校の5年、6年の時の夏休みには、登山訓練があり蔵王山に登った。
夕方5時頃に学校を出発して、高湯温泉(今の蔵王温泉)に着き旅館で仮眠を取る。翌朝早くに旅館を出発し蔵王山に登山した。途中には「懺悔坂」と言ふ恐ろしく急な斜面を登るのが大変だった。
そして登山する道にはクマが出没するので、皆が大声を出しながら歩いた。
今ならケーブルカーでアット言ふ間に登る山道も小学生には随分に大変だった経験だ。
1500M級の地蔵岳を越えて1800M級の熊野岳に登り、遥か太平様に上がるご来光を拝み、そして眼下に見える「お釜」を拝んで下山した。
その時分から蔵王山のツキノワグマの存在が頻繁に話題になっていた。今日クマの文章を書くにあたり遠い昔を思い出していた。
ベアーアンブレラ(クマの傘)と言はれる程にクマは自然の生態系のなかでは頂点に達する。
様々な動物や植物が守られないと人間も生きてはいけない。
山の親爺「クマ」は豊かな自然のシンボル的存在だ。
12/13 朝日新聞ニュース「わからん」から引用
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