7/5 (日) 晴れのち雨
6:00、旭岳ロープウェイの山麓駅へ着くと10人程の登山者が入り口に並んでいた。早めに到着してよかった、その後ロープウェイを待つ人の列は長くなっていって、搭乗者数が制限されているので6:30の始発便はすぐに満員となったからだ。
15分程で山頂の姿見駅に着くと雄大な旭岳の姿が目の前に現れた。駅前で準備を整え、よっしゃー!と一歩を踏み出した。20kgを超える荷物となったが、天気は上々、気分も上々、一歩ずつ旭岳の山頂を目指す。
右手にはこれから歩く神々の山々が広がっている。昨年より残雪は少なめのようだ。
2時間程で旭岳山頂に到着、今日は長い1日となるので休憩もそこそこに山頂を後にする。ここまでは余裕があって、その後泣きを見ることになるとは全く知らない。
山頂直下には黄花石楠花(キバナシャクナゲ)が咲いていた。そこを抜けると砂礫の急坂があり、ズルズルと滑るので油断できない。そして大雪渓が現れてホッとする。旭岳裏の大雪渓を下って振り返ればこんな感じだ。見えるかわからないけれど、上の方の点々が人だ。
雪渓が終わると裏旭野営場がある辺りで、再び黄花石楠花が咲き乱れる。
荒井岳から北海岳にかけては大きな火口の縁を歩いて行く。そこはお鉢平と呼ばれこの季節は残雪の模様が美しい。秋には紅葉も美しい場所だ。
北海岳から白雲岳避難小屋へ向かう道は静かで両脇に岩梅(イワウメ)、峰蘇芳(ミネズオウ)、御山の豌豆(オヤマノエンドウ)などが多く咲いている。これは御山の豌豆。
12:00、白雲岳避難小屋に到着した。白雲岳避難小屋は今年建て替えられるので工事中である。小屋泊まりの営業はなく、月曜日から木曜日だけテント泊が可能となっていた。今日は日曜日なので泊まることはできないのだけれど、平日でも作業の邪魔になるだろうし、とても落ち着ける場所ではなさそうだ。あわよくば泊まれたらな、と思っていたがその思いはぶっ飛んだ。先に進もう。
小屋の方からテント場を振り返るとこんな感じだ。作業のみなさん、ご苦労様です。
白雲岳避難小屋を過ぎると人足は途端に少なくなる。高山植物の女王と呼ばれる駒草(コマクサ)、見れば見るほど複雑な形をしている。
この辺りは高根ヶ原と呼ばれ眼下には高原温泉から行ける沼がいくつも見える。手前の大きな沼は空沼だ。この斜面でよくヒグマが見られるとのことだけれど見えないなぁ。以前沼巡りをした時の日記はこちら。
忠別岳が近づいてきた。手前に見えるのは忠別沼だ。この頃、膝と足が痛くなってきた。なんと言うことだろう、今日は初日なのに。やはり普段歩いていないのに突然長距離を歩いたからだろう。それも重い荷物を背負って。
忠別岳から避難小屋までがまた遠い、名前は一緒なのに遠い。脚が痛いので一層そう感じるのだ。
小屋直前の雪渓は昨年に比べると少なめでクレバスも全くない。小屋に近づいていくと数人の人が外に出ていて挨拶をした。小屋を行き過ぎるとこっちですよーと呼んでくれたので、テン場に行くんですーと答えた。テント場は小屋から少し下ったところにあるのだ。どうやら今夜のテント泊は一人のようだ。
テントを張り終えたらテン場前の雪渓で冷やしておいたビールを飲む。至福のひと時なのだ。
夕飯を食べ終わり、テントの中で寝転がっていたら鹿の鳴き声がしたので外に出てみると、100メートルぐらい先に2頭の鹿がいてこちらをじっと見つめていた。
お邪魔しています、と言って再びテントに潜り込んだ。