「K-Yairi」として知られるヤイリ・ギターのファンは多い。
亡くなられた矢入一男先代社長の経営哲学も個性が強くて人を惹きつける力があったように思う。
輸出用ブランド「Alvarez Yairi」をポール・マッカートニーが使用して話題になった。
サウンドホールがないユニークなモデルだった。
ヤイリは、ハンドメイドに、国産にこだわり岐阜県で作り続けている。
オーダーメイドに力を入れているせいか、ネックシェイプなど日本人の手に合った形状、繊細さを持っている。
「ギターは生きている、人間のように病気もすれば怪我もする、生きている以上面倒を見るのが我々の仕事」
「見えるモノを作って、見えないものを作っている」
職人さんたちの言葉が哲学的だ。
木材のシーズニングはもちろんのこと、完成したギターに音楽を聴かせる工程があるというのもおそらく先代のセオリなのだろう。
先代社長がアメリカで「Martin」ギターに触れて、よしこれを作ろうとしたのが創業のエピソードだったように思う。
単にコピーモデルの量産をしたのでなく、あくまでも職人の手による製作にこだわり、ユニークな機種を開発してきた歴史もある。
おそらくアメリカの方だろうが、「Martin」の12弦ギターと「 Alvarez Yairi 」の12弦ギターを弾きくらべている映像が興味深い。
この曲を「Martin」で弾いたらこんな感じ、「Alvarez」で弾くとこうだ、最後には右チャンネルに「Alvarez」左チャンネルに「Martin」で多重録音した曲を聴かせる。
この人、聴き比べて「正直よくわからない」くらい遜色ない、、と言いたかったのかしら
強いて言えば「Alvarez」が低音に深みがあり「Martin」はきらびやかな高音、ハーモニーに特徴があるのかもしれない。
新宿の三越裏手「ロックイン」に行けば、相当数の「K-Yairi」が置かれている。
もちろん「Martin」も店長が直接オーダーしたレアモデルなど一見の価値がある。
「ギターづくり」は、モノを作って「音」という価値を与え「音楽」を提供する。
半永久的に音を奏でる「楽器」というものを作る仕事に携わることは素晴らしいことだ。
ヤイリギターができるまで
ヤイリギター 石野真子
'72 Alvarez 12 String Compared to '74 Martin 12 String For Tone
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