夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

絵手紙

2016年02月25日 | 音楽


入院中のKくんから絵手紙が届いた
見舞いのお花代わりに持参したレモンとライムが彩色して描かれている

ミュージシャンは芸事全般に関心があって画を描く人も多い
理詰めで計画的な印象の強い彼にこう言う内面があったのかと感心した

電子メールやLINEが普及した今、ハガキや手紙をもらうと嬉しいものだ
字には人柄が現れ、その時々の心理状態までわかるような氣がするもの

さらりと書かれた女性からの手紙に知性を感じる時は高揚してしまう
素朴な男性の文字もその人を思い出すのに手っ取り早い

さてボブ・ディランが来日する
高額なチケットは完売で追加公演があるらしい

しかし不思議なミュージシャンだ、神がかりのような神秘性を持っている
非常にわかりやすいメロディを浪花節のようにアレンジして歌ったり、ポップスもロックもなんでも来いだったりと

ジョージ・ハリスンとご用達のジム・ケルトナーとの映像がいい
リズムを制覇するケルトナーとフルに音場を埋め尽くすジョージ節、泳ぐように存在するディランが自由に見える

いやあ、気持ちのいいレコーディングだったと思う
顔に、映像に現れている、喜びや幸せといったミュージシャンの感情が

こんなメンバーでレコーディングをして、ツアーで廻りたいものだ




Traveling Wilburys - Inside Out

Traveling Wilburys - Handle With Care

Traveling Wilburys - End Of The Line

Traveling Wilburys - Handle With Care

ヴィンテージ・ビューティ

2016年02月24日 | 音楽


入院しているドラマーのK君を訪ねた
無理がたたったのか、ようやく落ち着いたところだったらしく元気そうな顔を見て安心した

予想通りベッドのテーブルにはドラムス関連雑誌が2冊のっていた
一冊はヴィンテージドラムスの特集誌だ

ドラムスは専門ではないが、ドラマー諸氏は近年「ヴィンテージもの」に関心がある
金属パーツの多い楽器だけににわかに信じがたいが、金属製であってもヴィンテージがいいとする理由があるという

一つは楽器製造メーカーの経営の変遷と製造技術の変化があるようだ
会社の売り買いと経営者、経営方針の変更、技術者の移動と技術そのものの変化

そして必ずしも新しい技術が良いとは限らない
K君によれば、どうやら金属成分の配合や製造技術、パーツの改良、開発など60年代、70年代には円熟期を迎えたらしい

もう一つは70年代以降ロックの台頭による大音量を求めての大型化、フル装備化があるようだ
そしてK君もちょうどその頃、大きめの国産メーカーのドラムスを迷わず求めたという

話が合うのは楽器の重さだ
弦楽器は軽いほうがいいという私の主張はヴィンテージドラムスの軽さと共通するところがあるらしい

「コンパクトでいい音がする楽器」はベースの世界でも永遠のテーマだ
エレキベースはもちろん、ウッドベースしかり、ベースアンプに至っては毎年のように新製品が発表される

音量はボディサイズを大きくとれば稼げるが、適切なタイミングで演奏することで思いの外のインパクトを与えることもできる
ジャズドラマーはそんなに大きな音を出していないが、ブラシで結構表情を表現できるのはベストタイミングで音が出ているからだろう

楽器談義で過ごしたわずかな時間、彼の思いは最近手に入れたヴィンテージドラムスを早く叩きたい、だったろう
そう、音楽はこんな感じでやるものかしら





Steve Maxwell Vintage Drums - (New Ludwig Legacy Kit and Vintage Black Beauty - 12/13/12)

Steve Maxwell Vintage Drums - (Ludwig Legacy Mahogany 18/12/14" - 2/13/15)

Steve Maxwell Vintage Drums - (Ludwig Legacy Tribute Drum Sets 10/25/12)

Steve Jordan & Jim Keltner Jam at "A Tribute to Al Jackson Jr." Event - Memphis Drum Shop

ギターの革新 

2016年02月23日 | クラフト


オベーションというギターが出た頃、ボディにカーボン・ファイバーを使う発想に驚いた
ヘリコプター部材を作る会社の社長さんの道楽か、より大きい音量のギターを求めて開発されたという

確かにボディ・シェイプを自由に整形できることから音の反射を自在に設計できる
実際大きい音がするし、ネックやボディ・トップには木材を使用する配慮もあった

カントリー系のシンガーが使用して、やがて一つの世界を築いた
もう一つピックアップの性能が良かったのも普及に拍車をかけたように思う

以来、木材の資源保護の観点からも樹脂を使ったギターは各社から発売され続けている
「Blackbird」というメーカーのギター、ウクレレも同様の流れだろう

ただ表板を含めたボディからネック、ヘッドまで一体構造なのとネックが中空構造だという点が斬新だ
ネックが中空でヘッドまで空間が届くなら、音響的に悪かろうはずはない

強度が期待できて品質が一定するメリットが享受でき、なお音量が稼げる
オベーションのようなボウル状にしない形状もいい

一方でウィリー・ネルソンの穴あきギターのように持ち主の年齢とともに経年変化していく木製ギターがある
いたずら書きやらピッキングでできた穴、もちろんメンテナンスは行われているだろうが、年輪を感じさせる

木の良いところは経年変化で鳴りが良くなること
鳴りの良いギターは弾いていて気持ちが良い

単なる自己満足かもしれないが、自身と同い年の楽器は愛着が湧くし良い音がする
弾く本人もかくありたい、と思うのだ




Blackbird Guitar & Ukulele Shop Tour - Part 1

Willie Nelson and His Famous Guitar: The Tale of Trigger

フィールド・ワーク

2016年02月19日 | 音楽


インターネットのお陰でいながらにして世界中の情報が手に入る
好事家の下でひっそり眠っていた貴重な映像が、今やTVをつけるような感覚で見られる

ついこの間まで収集家が海外へお金を払って手に入れたものが、YOUTUBEにUPされる時代になった
広く普及するということでは著作権の大義にかなっていることかもしれない

しかし便利になればなるほど実際に目の前で行われていることを見ることの重要性も感じる
音楽は特にライブでなければいけない

成澤玲子さんの著「民族音楽のたのしみ」には実践されたフィールド・ワークが描かれている
現地に赴き、古老の話を聞いて情報を収集し足で廻るというセオリによる体験記だ

ポリネシア、オセアニア、メラネシアといった太平洋の民族音楽を訪ねる
竹を使った楽器の取材から島ごとの民族の多様性と共通項を見る

ハワイで「カーエケエケ」と呼ばれる長い竹筒を使った打楽器はメラネシアにもある
竹筒を束ねてスリッパで叩いて音を出す、ブルーマングループが演出したあのサウンドだ

手に持った竹を床に叩きつけて音を出す方法と横置きにした竹筒をスリッパで叩く方法がありそうだ
音程を変えた竹筒を並べることで複雑なメロディや和音を奏でることもできる

竹は、唄口をつけて指穴を空ければ簡単に「笛」になる
尺八しかり、バンブーフルートと呼ばれる各種の笛たち、パンフルートに至るまで

現地に赴き、白紙の状態から何かを得ようとする手法に新鮮さを感じる
音楽の観点から最短距離で情報を得ようとするミュージシャンとは明らかに異なるからだ

もう一つ西洋音楽、ポップスの洗礼を受けた往時のハワイアン・ミュージックと現地で根付く民族音楽との区分
南太平洋の島々の素朴な音楽を期待するとレゲエやロックなどに興じる若者たちを見てガッカリする

伝統を守ることは革新を続けることでもある
「Contemporary & Traditional 」

飛び抜けて耳の良いJeffとMikeの映像を見つけた






Mike Kaaawa and friends @ Honeys Jan 2016

Nathan Nahinu with Mike Kaawa, Jeff Ahoy @ Honeys Jan 2016

In your Hawaiian Way , Owana Salazar, Mike Kaawa, Jeff AuHoy @ Honey's Jan 2016

アメイジング・アメリカーナ

2016年02月15日 | 音楽


歌がイケる人は羨ましい
人の曲をカバーしてもOKだし、オリジナルを作ればなお結構

題名のない音楽会がこの頃息を吹き返してきたようだ
ミュージシャンの視点から音楽を取り上げるようになったからだと思う

黛敏郎さんの頃から学術的な時代もあったように思うしそれなりの権威があった
ベルリンから帰国したばかりの縁戚が出演した時は嬉しかった

先日の放送のクラシックギターとバイオリンの共演も楽器の個性が出て興味深かった
6コースの各弦から出る和音と切れ目なく流れるバイオリンの旋律が響き渡る

人の声に最も近いと言われるバイオリンは、完成された楽器と言っていいのかもしれない
いやストラディヴァリウスの時代に完成、円熟期を迎えたのかもしれない

そんな楽器を嗜んだ若い女性が歌うとこうなるのか
日本車のCMを歌っていて気になったのが3年前か

欧州の血を引く彼女がニューヨークで生まれてシンガーソングライターへ
何を歌っても評価される人は羨ましい

country, soul, gospel, blues, folk, jazzの影響を受けているという
アメリカン・ルーツ・ミュージックということかしら

やや暗い印象も受けるが、ライブをやったらウケるだろう
人は歌を聴きたいのだから







Kristina Train - Dream Of Me

Kristina Train Lexus Amazing in Motion with lyrics

kristina train - spilt milk

Kristina Train - How Long Will I Love You (The Waterboys Cover)