学生時代の部室は、おそらく戦前に建てられた木造の安普請の一棟だった
ここに10以上の音楽団体が活動をしていて秩序が保たれていた
一階の大きなスペースはオーケストラとビッグバンドが、二階の小部屋はハワイアンとカントリーがというふうに
歴史を紐解けば軽音楽という大きなくくりの中で生まれたサークルの中でジャズやハワイアン、カントリー、タンゴといった音楽ジャンルごとに分化していったらしい
当時のハワイアンとカントリーは親戚のような関係だった
練習日を月水金と火木土に分けて部室を共有したのは、高価なミュージカルアンプを共同購入した経緯と何より楽器編成が似通っていたからだろう
当時のハワイアンは、スティールギター、ピックギター、エレキギター、ウッドベース、ビブラフォン、スネアとハイハット
カントリーは、ペダル・スティール、エレキギター、エレキベース、ドラムスにテンガロンハット、、
当時は垂涎の的だったACETONEのボーカルアンプや ベースアンプや FENDERの SUPER REVERBなどが共有だった
片方が仕事で使う場合はもう一方は練習を制約されるといった具合に、融通し合って成り立っていた
当時のロックの台頭は、強い影響を与えてとりわけベースやギター奏法に変化が起こった
ツービートやエイトビートがより複雑に細分化されていってフュージョンといった世界がもてはやされるようになる
カントリーといえばテレキャスターというイメージが強い
明るくて歯切れのいいサウンドが魅力だ
ヴィレッジ・シンガーズの小松さんが熱烈な愛好家でいらしておそらく何台も所有されていると思う
ある時包帯をしていらしたので「どうしたんですか?」と伺うと(ギターを弾きすぎて)腱鞘炎になったと聞いてますますお人柄を感じてしまった
さてこの歯切れのいいギター、チェット・アトキンスやジェームス・バートンといった達人がいとも簡単に繰り出す
その昔ベンチャーズのノーキー・エドワーズにしびれたのは、どうやらこの奏法に秘密があったような気がする
ギターの奏法は世界中に星の数ほど存在しそうな気がしてくる
だからこそ飽きないし、探し求める
Albert Lee With Emmylou Harris, Rosanne Cash and Rodney Crowell : Country Boy (1983)
Chet Atkins Albert Lee James Burton I Got a Woman
Albert Lee and his daughter Alexandra at the James Burton International Guitar Festival 2009