古い「ミュージック・マガジン」誌に「ジャジー・ノット・ジャズ」という特集記事があった。
「ジャズではないけれどジャズテイスト溢れる」くらいの意味合いだろうか。
引き合いに出されていたのは、今は亡きエイミー・ワインハウス。
トニー・ベネットとのデュエット映像を見ても貫禄十分の歌いっぷりだった。
もう一人は「ノラ・ジョーンズ」
出てきた頃はジャズというイメージはなかったように思うのだが、ブルーノーツ・レーベルの社長さんが彼女の素質を見抜いて契約、デビューだったようだ。
彼女がラビ・シャンカールの娘さんということは有名だ。
3歳の頃、両親が離婚してお母さんが働いていたのでジャズやソウル、カントリーなど母の膨大なLPレコードを愛聴したという。
エルビス・プレスリーやジョニー・キャッシュ、カントリーやボブ・ディランの作品を取り上げて、彼女なりのアレンジを施して別物に仕上げているのは最近始めたことでなくて若い頃から親しんでいた弾き語りなんだろう。
50年代のポップスやカントリーはコード進行がシンプルで明快だ、
「C E7 Am Am7 D G7 C G7」といったわかりやすいコード進行が魅力の大きな要素を成している。
これを完全にジャズ・コードにしないでジャズ・フィーリングで歌うからいいのだろう。
私にジャズの作法や理論を語る資格はないが、ポップスの心地よさとジャズのエッセンスの組み合わせがいい。
今またハワイで起きている「ジャジーな演奏スタイル」は、理論に裏付けされたものではなくハワイアンスタイルの一部のような同化作用だと思うのだ。
ワイキキで活躍しているR氏に「ジャズの勉強をしたの?」と聞いた時、「ちゃんと勉強してないけどね」と返ってきた。
リズム感のいい彼がちょっとしたジャズコードをまぶしただけでそれなりのジャズアレンジに聴こえる。
むしろきちんとしたジャズ理論を持ち込まないほうがリラックスした音楽に仕上がるのかもしれない。
アレンジと実践を考えていくとこの辺りの見極めと整合性がポイントになってくる。
さてどんな曲を取り上げようか。
Norah Jones - What Am I To You?
NORAH JONES LOVE ME
Norah Jones (with Wynton Marsalis) - You Don't Know Me
Norah Jones Forever Young - A Celebration of Steve's Life
Norah Jones Johhny Cash Tribute
A Norah Jones - Are you lonesome (Elvis tribute)