映画のサウンドトラックはいつまでも印象に残る
ストリングスの織りなす和声の進行が映画の感動をこれでもかとリフレインする
映画館に出かけることはほとんどなくなったこの頃、BS放送やDVD映像で安直に映画を楽しむ、、映画関係者の方ごめんなさい
でも音だけは少しばかり低音と高音をブーストして、エンディングのタイトルを眺めながらテーマソングを聴く
そしてさっきまで流していたみっともない涙の余韻を引きずってティッシュを探す
よくこんなストーリーを書けるものよ、役者も素晴らしいが、こんな演出をするって、、、困ったもんだ
ビッグコミック・オリジナルで愛読していた西岸良平さんは立教のご出身だそうな
同級の細野さんが彼を見て漫画家の道をあきらめたというエピソードは納得できる、、
その昔音楽雑誌で見かけた細野さんの書いたベース用譜面は五線譜でなくほとんどアニメタッチだった
ああこの人は絵心があるのだなと思ったこととフレーズはお玉杓子でなくてもいいんだ、本人がわかれば、、と
戦後間もない生まれの作家の描く時代背景はそれだけで郷愁を呼ぶ
ダイハツミゼット、ホンダのおそらくS600、角ばった東海道新幹線
白黒TVが普及し始めて東京オリンピックが開催される頃、そう日本はまだ貧しかった
決して豊かではなかったけれども、何か明るい未来を目指して後ろを向いている人はいなかった
利益や飽食を求め、競争社会を生き抜いて人の上に立って経済的社会的地位を追い求める、それが幸せというものだ
そのために受験勉強をして東大を目指し、一流企業に就職する、、、残念ながら誰しもそうした路線の延長にいた
でも映画は金では手に入らないものをこれでもかと描き続けて涙を誘う
そう金はあったほうがいいさ、でももっと大事なものがあることを忘れるくらいでないと、金は近くにやって来ない
アニメ、映画という架空の世界の話だからかもしれないが、しかしあの頃当たり前にあったことを描くから共感を呼ぶ
あの頃、伝達手段としては金より心のほうが優先していた、、金はビジネスであった
「ALWAYS 三丁目の夕日」オリジナル・サウンドトラック