ビギナー向けのアコースティック・ギター教則本は、概ねどれも同じような説明から始まる。
楽器の選び方、ギター各部の名称、手入れや弦の交換方法、調弦の仕方、コードの説明とピッキングの留意点、フィンガーピッキングやアルペジオ(分散和音)の奏法、そして実践する楽曲の譜面などなど、
古い教本では、音叉を使って合わせた弦から他の弦へ合わせていく方法を説明しているが、最近のクリップ・チューナーの普及でここは便利になった。
左手で押さえるコード・ダイヤグラム(押さえ方)は、執筆者によった工夫が見られるところだ。
概ね「F」の押さえ方で綺麗な音が出なくて、ギターそのものを諦めてしまう人が多いからだ。
そこで簡単に押さえる方法を提示したり、カポタストを使ったりと、「諦めないでね」と言う講師の配慮がわかる。
どんな習い事にも言えると思うのが、弾いて楽しいと思うレベルまでのガイド(案内役)は必要だということ。
ところが、楽しいレベルに行き着く前に諦めてしまう人がいるのも現実で、先生方が残念に思うところでもある。
ギターの奏法には、驚くべき種類があって初級を卒業したら、自分に合ったどういったスタイルを追求するか、模索することになる。
さてギター好きなら避けて通れないチェット・アトキンスのビギナー向けレッスン・ビデオがある。
若い生徒さんを前に音階(スケール)の説明から始まって、それにコード(和音)をつけていく。
先生の弾くメロディは音階を上がったり、下がったりしているだけなのだが、生徒さんの弾くコードとともに素晴らしい一曲になっていく。
やがてチェットならではのテクニックもチラリと見せながら次のステップへ進む。
このビデオを見て弾けるようになるかどうかはさておいて、楽しみながらレッスンを行い、それを一曲の楽曲として成立させるところが凄い。
楽しみながら学ぶ、学びながら自己実現をしていく。
どんなミュージシャンも経てきた道を伝えていくことも勉強になる。
Beginner Guitar Lesson with Chet Atkins
Mark Knopfler & Chet Atkins - Instrumental Medley
Chet Atkins plays The Beatles