夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

蕗とウルイ~春の野菜

2016年03月31日 | 食・レシピ



大地の息吹と共に、春の訪れを感じる
雪の間に出てくる「蕗の薹(フキノトウ)」を、まだか、まだかと探してしまう

店先に並ぶ果菜類によっても、「そんな季節になったか」と感じることもある
最近見かける野菜では「高菜」「葉にんにく」「からし菜」「ウルイ」「せり」「クレソン」「春キャベツ」「筍」

「ウルイ」は「黄ニラ」にも似たような柔らかいネギ状の野菜だ
和食でお浸しにしたり生で食したりもするようだ

ウルイは「オオギバボウシ」という「リュウゼツラン科」の山菜だそうな
軟白栽培されたものが出回っているようでクセがなく美味しい

「フキノトウ」は天ぷらにするようだが、苦味と香りを楽しむには蕗味噌がオススメだ
あく抜きしてザク切りしたフキノトウを油炒めして、味噌、砂糖、みりん、調味料を加えてごま油を少々、、ご飯に合う

フキノトウが終わった今、伸びてきた蕗の茎と葉で作る蕗味噌もいい
新芽が柔らかいし秋に向かうほど硬くなってしまうから春先がいい

「筍」は大好きな食材だが、いかんせん高すぎる
千円も出して旬のものを食したい「粋」もいいが、近隣の竹林では馬の餌になっている

以前銀座でいただいた「焼き筍」は絶品だった
レシピはわからないが、皮ごと焼いて包丁で入れたスリットから筍と焼き目が香り、竹皮と身の間の薄皮が美味しい

近頃都心でも出回る「葉にんにく」も美味だ
ちょうどニラの大振りといった感じだが、全編ににんにくの香りが充満していて美味しい

短冊切りにして他の野菜と炒めて塩胡椒でいける
もちろんラーメンに入れてもいい

「高菜」の生が炒めても煮ても美味しい
香りがあるので嫌いな向きにはお勧めできないが、これもラーメンに合う

「せり」も卵とじにすれば食感と風味を楽しめる
根付きのものを求めて土に植えれば根付いてくれる、栽培は水溜りのような場所がいいらしい

春の野菜で好きなものをあげてみると沢山ある
春は目覚めと勢いを感じさせる



はせ川寿司本店より蕗味噌の作り方

天然物山菜3点。タラノメ、ウルイ、山ウド収穫

みんなのふるさと 高知県の魔法の調味料「葉ニンニク」

秋の味覚

2015年09月24日 | 食・レシピ


秋の味覚、王者は「松茸」であると認めざるを得ない。
子供の頃、郷里の山奥で見た松茸は、もはや辺りの山中では見ることができない。

料理人の作る松茸料理は素晴らしい。
縦に割いた松茸を炙って醤油でいただくのもいいし、土瓶蒸しが嬉しい。

見て楽しみ、香りを楽しむ料理、日本の伝統的な文化だと思う。
夏が終わり、地上の植物が豊穣の時を待ちかねてステージに登場する。

秋刀魚が美味しくなったのはつい数週間前からだが、スーパーの食品売り場で旬を感じるのは悲しい。
ちょうど頃合いを見計らったかのように「かぼす」が育ってくるのも自然の取り計らいか。

ある日突然、地上に落下を始める「栗」の存在も、キングの次くらいに嬉しい。
青いイガが瞬時に紅葉して口を開いたかと思うと「実」が落ちる、「ドサッ!」という音とともに秋を告げる、毎日、、

自然薯のツルが天をめがけて伸びているその間に「むかご」がつく。
大きなものでは「そら豆」大の粒がツルの間に点在するのは、実に日本的、ひょうきんで微笑ましい。

かくしてうっとおしい夏が終わり、冴え渡る空の下、秋刀魚を焼きながら「かぼす」を取りにいく。
「むかご」を入れた栗ご飯を用意すれば、やれ今年も秋がやってきたかと安堵する。

葡萄が熟すのもこの9月、完熟すれば青春の美しい乙女のよう、触れなば落ちん、かぐわしき芳香を放つ。
葡萄を取り置いて発酵という儀式を行う欧州の文化も気になる。

レモンやライム、柑橘類が育ってくるのも秋口以降だ。
柿が色づいてきて、見逃せば落下して虫の餌食。

イチジクも機械的に熟してはハチと虫の標的になっている。
特段美味ではないかもしれないが、この甘みがワインに合うし、ハムなどとの相性もいい。

自然の恵み、日本的なもの、限りなく日本的なものとは、「自然の恵み」ではないか。

冷たい空気の間を冴え渡る金木犀の香り、
美しい人とともに感じる秋の気配、、

そんな夢を見ながら秋の味覚セットを考える、、



Beatles Live At The Hollywood Bowl 23 08 64 Full Concert Stereo

甘酢漬け

2015年08月31日 | 食・レシピ


JAの販売スポットを丹念に見ていると、時折面白いものに出会うことがある。
ちょうど今頃出回る「花オクラ」もその一つ、オクラの実ではなく花をパックに入れて店先に並んでいる。

そのままサラダの彩りに使ってもいいし、「さっと湯がいて甘酢漬けにする」とある。
薄いクリーム色の花は湯がくとしんなりして確かに甘酢と合う、オクラのとろみのある柔らかい食感は「花を食す」珍味だ。

数年前から「茎わさび」の三杯酢漬けが気に入っている。

静岡沼津で売られている「茎わさび」を求めて、2~3センチに切って塩を振り、揉んでアク抜きをする。
熱湯を回しかけ冷水にさらして、袋に入れてひたすらこれを振る、いじめないと辛味が出ないというのだ。

酢と砂糖と少量の醤油で作る三杯酢を火にかける、この火にかけるひと手間が結構重要だ。
これに茎わさびを漬ければ出来上がり、葉の部分も、たまに出回る花の部分も同じレシピでいける。

以前寿司ネタに使われていた「みょうが」も甘酢漬けがいい。

夏の一時期、花をつけたみょうがを縦半分に切って軽く湯がく、熱いうちに甘酢に漬けて冷蔵しておく。
そのままいただいてもいいし、細かく切ってモズクと一緒にいただくのも良い。

梅干しのワイン漬けもトライした。

さる農家の方の推奨通り、完熟梅を使った梅干しを作ってみた。
素人が作ると塩加減が難しく、塩が多すぎる傾向にあることと、せっせと干した結果カチンカチンの塊になってしまう。

塩抜きと柔らかさを取り戻すため、発酵中のワインに漬けてみた。
香りがついて柔らかくなった梅干しはまた珍味だ。

いづれも「酢」の嫌いな方には不向きかもしれない。

店先に並んでいた「みかん酢」の製造工程を見たら、温州みかんを絞って発酵させ、これを数ヶ月寝かせて熟成させるという。
これはワインの製造工程と似ている、いや「みかん酢」なるものを味わってみたいものだ。

イタリアの「バルサミコ酢」もいい。
おそらくワインの製造過程における副産物ではないかと想像しているのだが、独特の酢加減がいい。

そういえば新宿のジャズバーでいただいた和歌山産の酢も美味だった。
一升瓶で和歌山から直送されてくる無名の醸造メーカーのそれは甘く、そのままで野菜サラダのドレッシングに使える。
無理を言って分けてもらったくらい美味しかった。

郷里の生家の近くに醤油の醸造所があり、親しくしていたが、醸造の世界は奥深い。
海外から見た日本の文化を紹介するTV番組が示すように日本古来からの文化を見直すべきだと思う。

高度成長経済は事業として成立する尺度のみを優先してきたが、品質や味を追求した結果事業化がついてくるものではないか。

美味しい文化を残すべき、だ。








みょうがの甘酢漬け

山菜「ハワサビ」

簡単「梅干し」の作り方(ジップロックで漬けて瓶で干す) - How to make Umeboshi

チャーハン

2015年07月18日 | 食・レシピ



町中の中華料理店で出されるチャーハンが美味しいと思う時がある。
カウンター越しに中華鍋を振る料理人を見ているとこの人はどういう修業をしてきた人なのだろうかと空想に耽る。

食の世界が興味深いのは、セオリがあってレシピがあって、素材があって料理人のセンスがあるから、か。
創作、工夫、アレンジ、反復というキーワードは音楽にも通じる。

ミュージシャンは食いしん坊が多い、ような気がする。
演奏そのものに負けず劣らず「打ち上げ」に腐心するのは、ニンジンをめがけて疾走する馬のようでもある。

合宿など共同生活をすると各人の嗜好や性格が良くわかる。
音楽をする楽しみに加えて酒を酌み交わしながらああでもない、こうでもないと学生時代のように話題に興じるのが楽しい。


オイルショックの急ブレーキがかかった日本、就職が困難だった頃、料理人の道へ向かった彼を思う。
国立大の工学系の学部を出て技術者の道を目指し大都会へ出てきたものの、あてがわれた仕事は現場監督の見習いだった。

上司や先輩からしごかれて、現場では元請業者からの制約を受けながらのプラント事業。
技術者への憧れとは程遠い現実を毎日突きつけられる。

一日の終わりを労ってくれるのは同期という友と酒。
酒が好きだから料理をやることになる、それは至極当然の成り行きか。

建設業界は何と言っても明治以降の経済界をリードしてきたし、会計の世界でもレジェンドだ。
最先端の技術革新を担う場面と逃げ場のない肉体労働との狭間で喜びも悲しみも味わう。

独身を貫いていた先輩格の方から「明日は有給休暇をとって朝から飲む」と聞いて吹き出してしまったことがあった。
親しく話したことはなかったが、何か「男気のある面白いヒト」だった。

結局その方は会社を辞めて居酒屋チェーン店に転職された。
なんとなく魅力のある人だったので、おそらく独立開業され一国一城の主人となって成功されたに違いない。

「食」の世界の厳しさも素人ながら感じる。
「素材にこだわる」だろうし「見る目」がなければこだわりようがない。

短時間で料理を仕上げる。
素材を見てレシピを頭の中で組み立てて、作りながら片付けながら、、、

チャーハンは難しい、
嗚呼。




本気(マジ)チャーハン 織田調理

一流シェフが教える家で簡単パラパラチャーハンの作り方!菰田欣也の激うまチャーハンレシピ

鉄人を超えた料理人「程一彦」に学ぶ「鉄人チャーハン」料理教室(前半)

鉄人を超えた料理人「程一彦」に学ぶ「鉄人チャーハン」料理教室(後半)

これならできる

2015年06月28日 | 食・レシピ


凡そ料理とは手間を惜しまないことか。
面倒なことが嫌いな男が案外はまってしまうのかもしれない、釣れもしない釣り糸をいつまでも垂らす人が案外短気な人であるように。

男の料理には、道を極める達人の域と必要に迫られやむなく行う料理、そして世の中のためにならない夢追い人の世界がある。
レシピ通りにやれば大方うまくいくはずの手順は、やっていくうちにレシピ通りにやりたくない誘惑にかられる。

少なくとも2回目以降は、なんらかの創意工夫、いたずらをやらないと気がすまない。
で、失敗する、またトライする。

料理はやらないが、自分で育てた果菜類を使ったジャムや蕗味噌といったものに挑戦してきた。
最初はレシピを参照するのだが、そのうち見なくなる。
これは譜面を見ながら弾いていたものが見なくなる音楽と同じだ。

もっとも素人の「いたずら」は崖っぷちに立った極め人のような苦悩がない代わりに、食材や器具、設備、脚の綺麗なアシスタントなどないものだらけの環境でやらざるを得ない。
そこで失敗しようが、何しようがおかまいなしに王道を外れる冒険をやる。

そのうちに自分なりのレシピが出来上がり分量などはいい加減として手順は諳んじて言えるようになる。


先般郷里の同年の方からおばあちゃんの話を聞いた。
郷里では駄菓子屋でいわゆる「B級グルメ」を提供することが一般的に行われていた。

つまり駄菓子屋の一角に設けられた鉄板の上で「お好み焼き」や「焼きそば」を作ってくれるのだ。
確か、5円とか10円といった硬貨を握りしめた子供達がおやつやお昼がわりにテーブルを囲む。

どうやら「餃子」を出すところもあれば「いなり寿司」やら「おでん」を出すところもあったという。
彼の家は通りに面した駄菓子屋であっておばあちゃんがこの「B級グルメ」の食の達人であった。

郷里の「お好み焼き」は広島風と異なり生地が薄い。
おまけに紅生姜や沢庵、ネギ、干しエビが入っている。
これらの食材は安価で大量に入手できる地元の産品であったと思う。

そして紅生姜と沢庵は見たことがないくらい細かく切り刻まなければいけない。
薄くクレープのように焼きあがったお好み焼きをひっくり返して「ウスターソース」を塗る。

その上にアオサとダシ粉をまぶして両サイドから折りたたむ。
長方形になったお好み焼きにさらにソースとアオサとダシ粉をかけ、金属ヘラで筋目をつけて出来上がり。

お持ち帰りは、経木にのせて、さらに新聞紙で包んで持ち帰る。
この経木の香りとお好み焼きの放つ全ての香り、ネギ、ベニ生姜、沢庵、干しエビ、ソースと小麦粉の湯気が立つ香りたちとの相乗効果によって当時の子供達の最高のご馳走だった。
もっともこれは駄菓子屋に通わせてくれた庶民の子供の世界の話で、深窓の令嬢はご存知ないかもしれない。


彼のおばあちゃんはそうしたメニュ全ての達人だったという。
話を聞いているだけでおばあちゃんに会いたくなってきたし作品をいただきたくなった。

残念ながら現在はお店は閉店してついこの間まであった鉄板も処分されたようだ。
おそらく私と同年代の郷里の友はこの「B級グルメ」にノスタルジーだけでない「美味しい記憶」があるだろう。

そしてこの「B級グルメ」たちはお店によって少しづつ味の違いがあったようだ。
家にいる主婦が片手間に始めた駄菓子屋でお好み焼きを作るわけだからおそらく戦後思い思いのやり方でレシピが出来上がったのだろう。

郷里の「餃子」消費量は日本一の栄誉に輝いたようだが、お好み焼きや焼きそば、煮込みおでんといったチープなB級グルメを提供するスポットが見当たらないのが寂しい。




簡単「梅干し」の作り方(ジップロックで漬けて瓶で干す) - How to make Umeboshi

「栗ご飯」の作り方(炊飯器レシピ) - How to make Chestnuts Rice (Kurigohan)

ジャーサラダ(メイソンジャーレシピ)の作り方 - How to make a Mason Jar Salad

いなり寿司の作り方(レシピ) - How to make InariZushi (Inari Sushi)

夏みかんピールの作り方(レシピ) - How to make Candied Natsumikan Peel