三十数年前ギャビィ・パヒヌイが他界した翌年、墓参を兼ねて訪れたハワイ
ワイマナロの自宅を訪ねると我々一行を家人が快く招き入れてくれた
ネックが反ったマーチンのD18であったかギャビィの遺品を出してくれて「弾きなさい」と
当時子息のシリルとマーチンが一緒に住んでいたようだが、あいにく二人とも留守であった
ピーター・ムーン・バンドが初めての来日公演を行った時、このシリルとマーチンの兄弟が参加していた
表参道「CAY」での2時間MCなし、休憩なし、ぶっ続けのステージは、スタンディングの聴衆を驚かせ、マニアの間で今だに伝説と化している
当時ダカインサウンドを目指していた者にとって、彼らの繰り出すリズムとグルーヴは衝撃だった
その時ベースを弾いていたマーチンが若くして逝き、ピーターも逝ってしまった
エレクトリックベースは元来フレッテッドで、正確な音程を出すために開発された
その後フレットを抜いてフレットレスにしたり、箱をつけて箱鳴りを期待してピエゾピックアップで増幅したりと、ウッドベースの音を求める動きもある
高校の頃、ウッドベースを始めたが当時はピックアップをつけることも行われていなくて音は通らなかった
ロックの台頭もあってやがてクリアでポータビリティに優れたエレキベースに持ち替えた
エレキベースは、立奏するウッドベースとは別物と思ったほうが良い
そしてフォークギターなど生ギターの響きとエレキベースとのサウンドもまた魅力がある
しかしよる年波か、ウッドベースの低音がひときわ気になってきた
クラシックのオーケストラなど、地味ながら地を這うような重低音がステージを覆うのがイイと思うようになってくる
ギターやメロディ楽器を弾く方、とりわけ初心の方はベースを聴いていない
ベースの入らない音楽もいいが、ベースが渾然一体となっているサウンドに「ノリ」がある
心地よいベースとは、邪魔にならない、いつまでもそこにいてほしい親友のような恋人のようなものか
いや、人間は勘違いしたりフラれたりとなかなか難しいが、音楽はいつまでも一緒にいられる、、、、
下北沢でお会いしたSさんはそんなことをおっしゃっていた、、
嗚呼
The Peter Moon Band - Featuring Bobby Hall and Ka'ula Kauna'ele "Holoholo Ka'a"
The Peter Moon Band featuring Martin Pahinui
Hui Aloha Featuring "Martin Pahinui" Singing "Pu'uanahulu"