JAの販売スポットを丹念に見ていると、時折面白いものに出会うことがある。
ちょうど今頃出回る「花オクラ」もその一つ、オクラの実ではなく花をパックに入れて店先に並んでいる。
そのままサラダの彩りに使ってもいいし、「さっと湯がいて甘酢漬けにする」とある。
薄いクリーム色の花は湯がくとしんなりして確かに甘酢と合う、オクラのとろみのある柔らかい食感は「花を食す」珍味だ。
数年前から「茎わさび」の三杯酢漬けが気に入っている。
静岡沼津で売られている「茎わさび」を求めて、2~3センチに切って塩を振り、揉んでアク抜きをする。
熱湯を回しかけ冷水にさらして、袋に入れてひたすらこれを振る、いじめないと辛味が出ないというのだ。
酢と砂糖と少量の醤油で作る三杯酢を火にかける、この火にかけるひと手間が結構重要だ。
これに茎わさびを漬ければ出来上がり、葉の部分も、たまに出回る花の部分も同じレシピでいける。
以前寿司ネタに使われていた「みょうが」も甘酢漬けがいい。
夏の一時期、花をつけたみょうがを縦半分に切って軽く湯がく、熱いうちに甘酢に漬けて冷蔵しておく。
そのままいただいてもいいし、細かく切ってモズクと一緒にいただくのも良い。
梅干しのワイン漬けもトライした。
さる農家の方の推奨通り、完熟梅を使った梅干しを作ってみた。
素人が作ると塩加減が難しく、塩が多すぎる傾向にあることと、せっせと干した結果カチンカチンの塊になってしまう。
塩抜きと柔らかさを取り戻すため、発酵中のワインに漬けてみた。
香りがついて柔らかくなった梅干しはまた珍味だ。
いづれも「酢」の嫌いな方には不向きかもしれない。
店先に並んでいた「みかん酢」の製造工程を見たら、温州みかんを絞って発酵させ、これを数ヶ月寝かせて熟成させるという。
これはワインの製造工程と似ている、いや「みかん酢」なるものを味わってみたいものだ。
イタリアの「バルサミコ酢」もいい。
おそらくワインの製造過程における副産物ではないかと想像しているのだが、独特の酢加減がいい。
そういえば新宿のジャズバーでいただいた和歌山産の酢も美味だった。
一升瓶で和歌山から直送されてくる無名の醸造メーカーのそれは甘く、そのままで野菜サラダのドレッシングに使える。
無理を言って分けてもらったくらい美味しかった。
郷里の生家の近くに醤油の醸造所があり、親しくしていたが、醸造の世界は奥深い。
海外から見た日本の文化を紹介するTV番組が示すように日本古来からの文化を見直すべきだと思う。
高度成長経済は事業として成立する尺度のみを優先してきたが、品質や味を追求した結果事業化がついてくるものではないか。
美味しい文化を残すべき、だ。
みょうがの甘酢漬け
山菜「ハワサビ」
簡単「梅干し」の作り方(ジップロックで漬けて瓶で干す) - How to make Umeboshi