夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

サーファー・ガール

2015年02月28日 | 音楽


「ビシビシ」というエレキギターの音色は、サーフィンを知らない者にも説得力があった。
シャンティーズの「パイプライン」、アストロノウツの「太陽の彼方に」もサファリースの「ポイント・パニック」も波の光景を想像するに十分な音場効果があった。

ビーチ・ボーイズのコーラスは、さらにサーフィンを楽しむ海辺の光景を強烈にイメージさせてくれた。

「サーフィン USA」が、チャック・ベリーの「Sweet little sixteen」をモティーフにしていたことを知ってロックンロールが米国はもちろん英国まで花開いた時代を思う。

ビーチ・ボーイが追いかける「サーファー・ガール」
美しい海と美しい女性たちを大事にしなきゃ武士道に関わる。

海のそばに原発を作るのはやめてほしいと思う。

泳げない私も海の幸をいただいて生活しているのだから。


The Beach Boys - Surfer Girl live 2012

The Beach Boys ~ Surfer Girl

The Beach Boys - Surfin' USA live 2012

Surfer Girl - The Four Freshmen

Chuck Berry "Sweet Little Sixteen"

ベースとドラムス

2015年02月27日 | 音楽


難解だとジャズを敬遠してきたツケが今になって回ってきたようだ。
400年の歴史のなかで使われてきたであろうコントラバスのジャズシーンでの表現力に感動する。

久しぶりに出かけたオーケストラのコンサート。
管楽器や打楽器、ピアノ、バイオリンやチェロなど、メロディに近いパートは、もちろんよく聴こえるのだが、私にとってインパクトのある音はコントラバスの低音だ。

ピアノの音量が小さいのに困ったベートーベンは大きい音で弾けるピアニストを探したそうな。
その後ピアノ内部の金属パーツ採用によって解消され、現代ではPAによってベストなバランスでの音場空間を作ることが可能になった。

低音を求めるニーズはコントラバスの創作にたどり着き、5メートルの大きさのコントラバスを作った歴史があるという。
大きいから立奏になる、勢いハイポジションでの演奏が厄介になる。
バイオリンやコントラバスなどフレットレスの楽器は、スピーディに正確な音程を出すことが必須条件だ。

その正確な音程を指で探し当て表現するところにこの楽器の面白さがある。

バイオリンがしばしば人間の声に近いといわれるが、なかなかどうしてベースの響きも人間生活のどこかに通ずる何かがあるかもしれない。
空気を振動させて伝わってくるアコースティックな響きというものは、ご飯やみそ汁の上に舞い上がる湯気のような親しみとありがたみを与えてくれる。

そしてドラムスとのリズムの共有とバトル、ピアノトリオであるならばメロディパートとのグルーヴが身上だ。

とどのつまり行くつくところは、音楽はリズム。


「Monty Alexander Trio」の 「Live at Jazz In Marciac 2011」48分頃のアンコール曲をご覧あれ。
ジャズがレゲエを凌駕して感動を呼ぶ、音楽に国境も貴賎もないことを体感させてくれる。







Ray Brown & John Clayton - Five O'Clock Whistle

oscar peterson - ray brown - niels henning orsted pedersen

Superbass - Blue Monk

"Mojo" Monty Alexander, John Clayton and Jeff Hamilton


Jeff Hamilton - Drum Clinic Brushes Lateral Motion

ピアノ・ガイズ

2015年02月26日 | 音楽


YOUTUBEへの投稿で成功するミュージシャンという世界。
インターネットのなかった時代には考えられなかったことが今実現している。

ピアノ店の経営者がイベントのために作成した映像投稿の高アクセスに気を良くして次々と制作した。
映像は天文学的なアクセス数を記録してついにレコード会社が乗り出した。


見れば、しっかりした映像と計算されたアレンジ、ジョークも交えて高音質の音楽世界を提供する。

クラシックを辛抱強く聴けない者にも、あるいはクラシックの愛好家にとっても目新しい何かがあるのかもしれない。
モーツァルトやベートーベン、ラフマニノフなどパクリというのか、便乗というのかちゃっかり新世界を展開する。

ハワイの「IZ」のアレンジで有名になった「Over the rainbow」まで出てきたのには驚いた。
ご丁寧にハワイロケまで敢行したようで、コメントに謝辞まで記載されている。

チェロとピアノという楽器をリズム楽器として捉えたところがポイントかもしれない。

楽器店の強みか、クラシックの世界にはあまり縁のないエフェクター類が使われていて商魂たくましい。

音楽とは「構えないで面白がってやってみる」という基本スタンスが必要なのかも。
高価な楽器を使わなくともパフォーマンスは十分できる。

そこに実力が伴っていれば許されるということかしら。



Over the Rainbow/Simple Gifts (Piano/Cello Cover) - ThePianoGuys

Rockelbel's Canon (Pachelbel's Canon in D) - 4 Cellos - ThePianoGuys

Michael Meets Mozart - 1 Piano, 2 Guys, 100 Cello Tracks - ThePianoGuys

Moonlight - Electric Cello (Inspired by Beethoven) - ThePianoGuys

ポピュラー・ミュージック

2015年02月24日 | 音楽



ハワイのクムフラが作曲した名曲は数多い。
そのお孫さんがまた曲を作り受賞するなどという時代になってきた。

キリスト教の伝来はフラやハワイ語の使用を禁止したりという過去の歴史ももたらした。
70年代ハワイアン・カルチャー・ルネサンスのムーブメントは、そうした失われかけた文化の見直しとネイティブ・ハワイアンたちの自信回復のきっかけになった。

一時死語と化したハワイ語を復活させようとハワイ大学のラリー・キムラ氏やピーター・ムーンなどが、ハワイ語による楽曲を作り続けた。

今やクムフラがハワイ語で歌詞を書き、メロディをつける、フラの指導を行いフェスティバルに参加する、
賞をとって楽曲がヒットする、という図式が当たり前のようになってきた感がある。

もともとアジアから民族移動したと言われるポリネシア人たちの言語は、母音がついていて日本語とも似ている。
文字文化のない彼らの言葉はローマ字で表記され、そのアクセントや発音は音楽的だ。

ケアリィ・レイシェルは、静かな歌とメロディで日本のフラ愛好家たちに人気がある。

1961年マウイで生まれた彼が若い頃からフラや音楽を学びヒット曲を提供するようになった。
近年ではビギンの「涙そうそう」にハワイ語歌詞をつけて別物の曲としてヒットさせた。

スタンダード・チューニングで弾くギターからはしっとりとした日本人好みのフォークソングの香りがするようだ。

ピーター・ムーンの作った「E pili mai」も彼が歌うと別物に聴こえる。
単にコードアレンジだけではないアレンジを施すのもミュージシャンの力量だ。





Keali'i Reichel - E O Mai (HiSessions.com Acoustic Live!)


Keali'i Reichel - Maunaleo (HiSessions.com Acoustic Live!)


Keali'i Reichel - Ka Nohona Pili Kai 【720P】 涙そうそう


E Pili Mai by Kealii Reichel.wmv


Keali'i Reichel The road that never ends

月と六ペンス

2015年02月21日 | 日記・エッセイ・コラム



画を描いていたころ、モームの「月と六ペンス」を読んだ。

家庭と仕事を捨てて画家を目指した彼はタヒチに向かう。
たどり着いたタヒチはもはや楽園ではなく母国の、人間の手の入っていた現実を見る。

都会の喧騒を避けさらに奥へ入った彼は島の娘たちとの触れ合いを画にしたためる。
物理的なパラダイスに失望した彼は、娘たちの心に宿る美を描こうとした。

「月と六ペンス」とは、パリの娼婦たちのしたたかさとタヒチの娘の素直さの対象かもしれない。

楽園に暮らす彼は文明社会の母国に経済的な支えを求める。
画家としての成功と経済的な安定を求める悲痛な訴えはやがて宗教画のような傑作を生む。

「ヘタウマ」とも言えるかもしれないゴーギャンの画がつい先日数百億円で落札された。
そう、芸術の価値とは、ゼロか数百億円かもしれない。

価値を見出した者にとっては全てを投げ出しても欲しい。
価値を認めない者にとってはただのキャンバス素材でしかない。


楽園タヒチからの発信、音楽的には長い間閉ざされていたような側面もあった。
同じような古い音源がジャケットを変えて繰り返し商品化されがっかりするといった図式という意味でである。

しかし元来持ち合わせている才能を表現してそれをハワイアンが受け入れる時代がやってきた。
アレンジといい、楽曲の完成度といい素晴らしい。

タヒチは気になる。

ゴーギャンならずとも夢を探しに行きたくなる何かを持っている。






Tapuari'i Laughlin - "Tapa'o no te here"


Tapuarii Laughlin - Je Te Promets


Tapuarii Laughlin - Pape Ora


Tapuarii LAUGHLIN - Beach Soccer