学生時代の部室は、安普請ながら一棟の2階建て木造建物だった
一階にはオーケストラやビッグバンドが練習する階段状のスペースが用意され、向かいではタンゴのアンサンブルが聴こえた
2階は屋根裏部屋、梁を避けながら移動するようなスペースにカントリー&ウェスタンとハワイアンが同居していた
エレクトリック・ギター、ベース類が使われ始めた時代、ミュージカルアンプは高価で共有するのが合理的だった
防音ボードが貼られていたものの完全ではなく夜遅くまでエレキ音を鳴らしたりすると隣の相撲部が怒鳴り込んで来た
大学というところは社会生活を勉強する場であり、遊びながら専門領域を学ぶことができる
ろくに楽器を弾けない学生が集まってきて、なんとか弾けるようになる
バークレーなど音楽院に入って音楽の道に進む者もいれば、弁護士や会計士、サラリーマンになる者もいる
ここで先輩、後輩という上下関係を学び、また音楽という上下関係のない世界を経験する
音楽で稼ぐことができた時代、学生時代からサラリーマンの給料の数倍のギャラを得ていた先輩もいる
残響のない部室で演奏するのは、練習にはいい
上手く聴こえないから一生懸命になる、アンサンブルを強く意識しないとバンドサウンドにならないから努力する
ジャンルを超えた横のつながりがあったのも良かった
スイングジャズやカントリーといった部員との交流は世界を広げる
さて「The Ladybugs」危なっかしいウクレレだが、コーラスでジャズを展開する
ろくに楽器が弾けなくても音楽はできることのお手本のよう
達者なメンバーに助けられているとはいえ、同じステージに立つというメンバーシップを感じる
そう学生時代のあの頃のまま、ステージに立っているようでもある
The Ladybugs sing I'm In The Mood for Love
The Ladybugs - I'm Crazy 'Bout My Baby
Bésame Mucho - The Ladybugs
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