ダル・セーニョ(D.S.)は、セーニョ記号へ戻ること。
ダ・カーポ(D.C.)は、最初に戻ること。
こうした音楽記号をグループ名にした例は少なくないのかもしれない。
ずいぶん昔のことになるが、FMラジオ放送を手がけていた才媛Sさんと出会ったことがあった。
自然に音楽の話になり私の続けているワールドミュージック、ハワイ音楽の話になった。
ハワイアンミュージックというと広く知られているようだが、案外表面的にしかご存じない方が多い。
タンゴといえば「ラ・クンパルシータ」以外何もでてこない、といった塩梅だ。
ましてやそうしたワールドミュージックが低迷していた時代に、本場の本物を掘り起こそうとしている話に関心を持つ人は少ない。
ところが、携帯電話も普及していなかったあのころ、Sさんはわざわざダカインサウンドを聴きに来てくださった。
そしてSさんの手がけていたラジオ番組に出演することになった。
番組は「ダ・カーポ」のご夫妻がホスト、ホステスを務める音楽番組だった。
ちょうど真冬のクリスマスシーズン、十分な準備もできないままハワイのクリスマスを語るざっくばらんな進行になった。
短い収録時間の中で、専門とするジャンルの旬を十分お伝えすることはできなかったが、引き上げようとしてくださるお二人の優しさに触れることができた。
ありとあらゆるジャンルの音楽を手がけてきた経験のなせるプロフェショナルサービスだったのだろうと今思う。
「野に咲く花のように」は小林亜星さんの曲で、TV番組「裸の大将」のテーマソングだったという。
奥様の爽やかな歌声に、目立たないようだがきっちりコーラスを添えているご主人。
傍でフルートを奏でてコーラスに参加している女性はお嬢さんだという。
ファミリーミュージックのような映像を貫いているのはプロフェショナルサウンド。
「簡単そうな音楽ほど難しい」ということを実践されているような気がしてきた。
Sさんが懐かしい。
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