夢の介音楽夜話

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残念な出来事

2015年11月04日 | 日記・エッセイ・コラム



建設業界での不祥事が、連日報道されている
データ改ざんを複数件行っていながら「数千件の数十件だから」と開き直る副社長氏

「会社ぐるみという言葉の選択肢が適当かどうかは検討する」と言って「会社ぐるみである」ことを自ら証言している
建設業は、地道な作業の積み重ねの業種なのだが、こうした誘惑にかられる落とし穴がある

今回のように地下の埋設物や記録は改ざんしてしまえばわからない、掘り起こすなんてことはしないだろうし隠し通せる
屋上設備のない屋根も同じこと、どのような構造になったのか施主は知る由もない、上がることができないから

以前お世話になったビルのオーナー社長さんが某大手建設会社を選択した理由を語ってくれたことがある
倉庫業だった同社は道路を隔てた向いの会社の新築工事に際し、請け負ったゼネコンに資材置き場として場所を提供した

建設工事の間、彼らの作業を見守っていた社長さんは「礼儀正しく訓練された社員」の仕事ぶりに感心した
そこで「自らビルを建設するならこの会社にしよう」と決めたと言う

目抜通りに面する建物の反対側は、公共施設であるからして見場を良くする必要はない
しかしこの社長さん、「この会社に決めた以上、びた一文値引きはしなかったし、見えない裏側も全面タイルを貼った」とおっしゃる

そしてこの建設を引き受けた現場監督さんは、東大出身の方だったそうだが、竣工以来必ず年一回はビルを見に来てくれるという
「高い買い物」だったかもしれないが、「結果的に良い買い物をした」実例だ

先日のニュースでロシア、中央アジアのタシケントでの劇場建物が報道された
なんと先の大戦での日本人捕虜が、建設に携わったというではないか

即座に思いだしたのは亡父の話、大学の経済学部を出た父が終戦後収容されたタシケントでなんと建物の建築を命じられたという話だ
東西から張り出した梁がセンターで合致しなかったという笑い話でにわか建築家のエピソードを語っていた

当時日本に帰る保証はないまま過ごしていた捕虜収容所の生活
親しくなった女性と現地に留まる兵士もいたようだ

建築は、自らの住まいを建設するならデータ改ざんも構わないが、他人様の建物を設計施工する以上、建物が朽ちるまで責任を持つべきだ
あなたの管理が悪いからこうなったという以前に自らの責任を示すべきではないか

タシケントで働いた日本人捕虜2万5千人、現地の人々から尊敬される働きっぷりだった、と
謂れのない国での収容所生活を余儀なくされた父たちの仕事ぶりが、戦後70年を経て評価される

人生の大事な時間を戦争という過酷な国家への奉仕に費やした父への代償は、僅かな年金と感謝状だけだった
父が設計したのはこの劇場ではなかったかもしれない、が今だに日本人の仕事が評価されるなら嬉しい

建設業をナメてはいけない
技術者はデータ改ざんなどしない、したくなるのは利害の関係する者だ

相次ぐ大企業の不祥事、内部統制やら義務付けられる今の世で企業ぐるみでない不祥事などありえない

設計、施工を管理する人たちよ、クライアントをナメてはいけない

彼らはそこで毎日生活しているのだから



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