窓の外

　38階の窓の外には、東京タワーが同じ目線に見えました。
　40数年前、高校二年生の頃、修学旅行で九州から夜行列車に乗って
上京し、東京タワーに上った時は、天にも上る気持ちでしたが
こうしてみると、こちらが高いところから低いものをみているような
錯覚に陥りました。
　あんまり高いところに住むよりは、地べたを踏みしめながら
隣近所の声が聞こえるようなところに住むほうがよいと思うのは
“貧乏人”の強がりなんだろうかと思いながら
下のほうに降りました。
　この近辺は、アークヒルズやアメリカ大使館、インターコンチネンタルホテルなど
自分には縁のない世界ですが、不当に人間の首が切られた場合（解雇）には
どんなところにでも、怯まず駆けつけさせていただきます。