ワカメと銭婆との喜怒哀楽

年式'00のビーグル犬ワカメと'51の妖怪!銭婆が俺を困らせ悩ませる 痛快娯楽な毎日

父ちゃんとお別れ 二

2010-09-10 09:44:18 | Weblog


時間の経過というのは 時に あまりにも惨いと思います。

どうしてこんな時に 時間は勝手に進むのだろうと 考えてしまいます。

オイラの考えが甘かったばかりに 父ちゃんを一人淋しく旅立たせてしまいました。


『 一人で淋しかったろう、 不安だったろう、 父ちゃん、勘弁な…。 』 心からそう思いました。



父ちゃんの顔は 昨日会った時の顔と 全く同じ顔をしています。

目が開いているので 閉じてあげようと 手でまぶたを くっ付けますが 手を離すとまた まぶたが開きます。

今度は母ちゃんが 「 休む時は 目ぇ閉じ、 」 と言って 目を閉じるように まぶたを押さえますが全然閉じません、


こんな時は 興奮しているのか 悲しい気持ちはあまりありませんでした。

ただ時間のなすまま 周りの人が いいように コトを進めてくれて それに従うだけでした。


それからすぐに 葬儀屋さんの車がきて 父ちゃんを 車から持ってきたベッドに移し替えて スタッフ全員が見守る中

裏の出口に置いてある 霊柩車に乗せました。



運転手は 「 ここまで来いと言われましたが これから何処に行くとかは聞かされていません、 」 と言うので

国上山の 国上寺まで オイラの運転する 車の後ろに 付いてくるように お願いしました。

母ちゃんは霊柩車に乗って 銭婆は 自分の車で その後ろに付いて 3台でお寺に向かいます。



最初に 霊柩車の人が 「 ゆっくりと走って下さい 」 と、念を押されたので 爺さん軽トラのように ゆっくりと運転して行きました。

途中で 銭婆が見えなくなって 『 そういえば今日は午後から仕事に出るとか言ってたよな 』 と気が付きました



ゆっくりと走って行ったので お寺まで軽く一時間かかりましたが 父ちゃんは今までずっと施設のベッドの上でしたので

『 久しぶりに 外の空気が吸えて のんびりドライブ気分に浸っていてくれてるかな? 』 とか思っちゃいます。


お寺に着きますと 父ちゃんを本堂の中にある 横の部屋に寝かせられました。

お寺さんと相談して お通夜はこの日のうちに、葬式は翌日する事に決定、

一応、親戚には連絡はしましたが 来てくれるような親戚はいませんし

近所の人は 父ちゃんの事など知りませんのでそのままにしています。

家にも葬式らしきものも付けませんので、会社の人以外は誰も知らない状況です。


それでも、親戚が一人でも 訪問されても 気を使ったりするので 今回はこれで正解でした。




ここで父ちゃんの葬式を執り行いました。



午後から会社に行く銭婆に 本日お通夜になった事を知らせねばならないので 携帯に連絡しますが全然出ません、

「 今度は銭婆が行方不明らよ(=_=) 」 もう11時過ぎていて 早く捕まえないと 仕事に出ちゃう!

何度連絡しても 電話に出ません、仕方ないので それならそれで仕方ないなと 諦めて一旦帰って礼服とかの支度をしに

帰ろうと 母ちゃんを乗せて 家に向かいました。



帰る途中、銭婆から電話がきて 「 今日、お通夜になったから、」 というと あまりの早さにビックリしてました。

銭婆は 朝、別れてそのまま仕事に出たそうで 昼休みになって携帯を見たそうです。

「 せっかく、仕事に出たのに… 」 と言いながら これから帰ると言って電話を切りました。


母ちゃんを 下ろしてからオイラの家に着くと 銭婆はすでに帰ってきてました。

「 早いんだね、 」 と驚いてましたが 「 24時間経てばもう焼いてもいいそうら 」と説明しました。

それに、親戚も誰も来ないから 早く済ませた方がいいと思ったので!とも言ったら 「 それもそうらね 」 と答えてくれました。



今晩、父ちゃんの所に泊まるんだけど、 家にはワカメがいるので 銭婆は お通夜が終わったら家に帰ってワカメの世話をして

翌朝 またお寺に来て葬式を執り行なう事になりました。


家で準備が終わると オイラは母ちゃんを迎えに行き、銭婆は自分の車で 2台でお寺に向かいます。

道中、相変わらず母ちゃんのマシンガントークに悩まされながら 運転していましたよ^^;


お寺に着いて 枕経が始まるまで多少 時間があったのですが すごく暑くて 車の中からウチワを取って来て扇いでました。

父ちゃんの横で 父ちゃんに話かける母ちゃん、

生前、施設で 反応しない父ちゃんに 毎日話かけていたので 一方通行の会話は オイラ達も慣れてしまって

死んでいようが生きていようが お喋りに対しては 普通に出来ます。



ですから 死んだ父ちゃんに 話しかけても なんの不自然もないし 逆に 死んでいるようには見えないのです。

「 父ちゃん、ホンマに死んだんか? なんも変わらんやんか、 」

母ちゃんがそう言うと 父ちゃんは 一日前と変わらず天井の隅を見ています。



「 死んだんやったら ちゃんと目ぇつむらんとな、 」

母ちゃんは 瞼を閉じさせようと グイグイと力入れて押していますが 結局 瞼は閉じませんでした。



最後た?とわかっていたなら




「 稲刈り始まったね! 」



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コメント (10)
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