一年振りの事務所仕事

数日前、懐かしい声で電話があった

「事務所を留守にしなければなりませんので、留守番をお願いできませんか」
特に断る理由もなく、「やあ、久しぶり、いいよ」　
そんな感じで一年ぶりに出勤することになった。

この事務所は定年退職してから勤めた第二の職場で、それなりに思い出深く
この時期は年度初めの打合わせ会議が続いて、繁忙な事情がよく分かる。
眠っている通勤の感覚が少し甦り、背筋が刺激され少し直立するような気がする。

一年ぶりに事務机に座って一呼吸して、仕事の内容を確認する。
この時期の問い合わせ対応、来客への対応、あと何があるかな？
そんな一日が流れ始めるが、できれば電話もなく誰も来て欲しくないのが本音。

領収証なども使わないことを祈ってしまう


そんなに思い通りに一日が過ぎるわけもないが、何とか終業した。
気に入っている昭和を想い起す小さな歓楽街を通って帰ることに


こんなレトロな街の後ろに、覆いかぶさるように高層マンションが建っている。
一年前は工事中で鉄骨が組まれていたが、完成してくると圧迫感が伝わってきて
この街のバランスが崩れるような、これが自然淘汰？


一気に現代に引き戻されるような、青天の霹靂という映画のワンシーンのような、
何か、空が狭くなったような気がした帰り道でした。