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<韓国文在寅大統領のインタビュー>悲観論に陥っては何事もなすことはできない…対話のためのたゆみない努力を通じ前進してきた」2018.5.8 読売新聞

2018-05-09 00:03:32 | 外交、国際
韓国文在寅大統領のインタビュー。
「性急な楽観は禁物だが、悲観論に陥っては何事もなすことはできない」
「悲観的な見方が強くあったが、対話のためのたゆみない努力を通じ前進してきた」。
 
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読売新聞(YOMIURI ONLINE) http://www.yomiuri.co.jp/world/20180507-OYT1T50068.html

核なき半島、具体案が重要…文氏回答の全文

2018年05月08日 06時00分

文氏回答の全文2はこちら

 今回の南北首脳会談を通じて、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と率直な議論を交わし、完全な非核化と核のない朝鮮半島の実現に向けた意志を直接確認いたしました。

 金委員長の「完全な非核化」に対する確固たる意志は、米朝首脳会談の開催成功に向けた肯定的な土台になると思います。

 今後、米朝首脳会談を通じて完全な非核化の実現に向けた思い切った合意と具体案をまとめることが重要です。朝鮮半島の平和定着、南北の共同繁栄は、非核化に向けた実質的進展、そしてそれによる米朝関係の正常化と恒久的平和体制の構築によってのみ可能であるためです。

 果敢な合意を引き出すことのできる優れた交渉家、そしてリーダーであるトランプ大統領も南北首脳会談の進展を高く評価し、米朝首脳会談に対する期待を示しています。

 米朝首脳会談という、逃してはならない歴史的機会が私たちの前にあるだけに、完全な非核化と核のない朝鮮半島を達成し、朝鮮半島の平和と繁栄の時代を迎えられるよう、最善の努力を尽くしてまいります。

 

 ◆Q2◆ 北朝鮮は、かつて国際社会と「非核化」について合意した後、約束を破って再び核開発に走る行動を繰り返してきました。国際社会が求める北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」は可能であると思われますか。

 

 前述の通り、全世界が注目する中、生中継された南北首脳会談において、私と金正恩委員長は、南北の首脳間で初めて、完全な非核化と核のない朝鮮半島の実現という目標を直接確認しました。

 また、金委員長は、北朝鮮の核実験場を5月中に閉鎖すること、そしてこのことを公開する方針を明らかにしましたが、これは朝鮮半島の完全な非核化に対する展望を明るくする意味ある措置であると思います。

 もちろん、米朝首脳会談はまだ開催されておらず、非核化に向けた具体的な措置が担保されていない状況で、性急な楽観は禁物であると思います。しかし、逆に過去の北朝鮮との核問題での合意が失敗に終わったからといって、今日の協議も失敗するだろうという悲観論に陥っては、何事もなすことはできません。

 金正恩委員長は国際社会からの要求を明確に理解しています。私は、米朝間の信頼を強化し、合意がうまくなされるように全ての可能な役割を果たしていきたいと思っています。そしてその過程において日本をはじめとする国際社会の主要な関係諸国とも緊密に連携していきます。

 

 ◆Q3◆ 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と直接会談をされましたが、どのような印象を受けられたのかお伺いしたいと思います。交渉の相手として信頼できる人物だと感じられましたか。

 

 今回の首脳会談の間ずっと、私と金正恩委員長は心を開いて対話をしました。対話のテーマは朝鮮半島の平和から南北関係に至るまで、幅広いものでした。朝鮮半島の平和と繁栄を実現するという金正恩委員長の強い意志を確認したことは、今回の首脳会談の大きな成果と言えます。

 会談の中で、金正恩委員長はとても率直で実用的な人であるとの印象を受けました。私と金委員長は朝鮮半島の完全な非核化という共同の目標を確認し、「板門店(パンムンジョム)宣言」という貴重な合意に至ることができました。今後は互いへの厚い信頼を基に、平和と繁栄、統一に向けた大胆な一歩を踏み出していきます。

 

 ◆Q4◆ 北朝鮮の核問題、朝鮮半島の平和と安定のために日本はどのような役割を果たすことができると思われますか。

 

 日本は、朝鮮半島の平和と繁栄のためにとても重要な役割を果たすことができます。完全な非核化の達成に向けた韓・日・米の連携、北朝鮮の体制の安全を保証するための日朝関係正常化など、さまざまな面においてそうであると思います。特に私は、日朝間の対話が再開されるべきだと思います。日朝関係が正常化されれば、朝鮮半島を超えて、北東アジアの平和と安定に大いに寄与すると思います。

 金委員長とも日朝関係について話し合いました。私は、安倍総理が過去の清算に基づく日朝国交正常化を進めていく意思があることを伝えており、金正恩委員長は、いつでも日本と対話する用意があるということを明らかにしました。

 朝鮮半島と北東アジアにおいて世界史的な大転換が始まりました。韓国は、これからも日本と緊密に意思疎通を行いながら、連携していきます。米朝首脳会談の成功はもちろん、朝鮮半島の恒久的な平和定着に向けた今後の道のりに対する日本の積極的な支持と協力を期待しています。

 

 ◆Q5◆ 日本では、北朝鮮による日本人拉致問題が大きな問題となっています。日韓首脳会談の中で安倍総理から大統領へ協力を要請するものとみられています。韓国でも400人を超える拉北者(北朝鮮に拉致された人)がいるということですが、日本人拉致問題において大統領のご協力を期待してもよろしいでしょうか。

 

 拉致被害者問題が日本政府と日本国民にとってどれほど重要な事案であるのかよく理解しています。この問題を重視している安倍総理からのご要請もありましたが、何より、人道的な問題であるため、これまでこの問題を北朝鮮側に提起してきました。金正恩委員長と首脳会談を行った時にも改めて直接この問題について話しました。

 拉致被害者問題は日朝間の長きにわたる難題として残っており、この問題の解決に対し、日本国内で悲観論も高まっていると承知しております。しかし、慎重を期しつつ、積極的な姿勢で話し合いを進めていけば、解決の糸口を見つけられると思います。

 振り返りますと、これまで北朝鮮の核問題を含め、北朝鮮の態度の変化に対しても悲観的な見方が強くありました。しかし、対話のためのたゆまない努力を通じ、平昌(ピョンチャン)冬季五輪では小さな平和の流れが生み出され、南北首脳会談で北朝鮮は完全な非核化と恒久的な平和定着に合意しました。

 何より持続的な対話を通じ、日朝間の懸案が解決されることで、長い間続いている拉致被害者のご家族の方々の痛みが癒やされることを願っています。そのためにも日本政府とともに、引き続き協力してまいります。

2018年05月08日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 
 
 
 
 
 
 
 

 



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