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侮辱罪の厳罰化で“言えなくなること” 自民党政権を批判する国民を監視。

2022年06月17日 | 生活

2022.06.16 by 『きっこのメルマガ』

    公人・私人を問わず自由な発言が可能である反面、昨今は行き過ぎと思わざるを得ない言葉が飛び交うネット空間。そんなネット上の誹謗中傷対策として先日、侮辱罪を厳罰化する改正刑法が可決・成立しましたが、不穏な動きもあるようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、厳罰化された侮辱罪を自民党政権が自らの権力維持に利用しないはずがないと断言。現役自民議員のSNS上の発言等を取り上げつつ、政治家に対する「侮辱発言」が今後どう扱われようとしているかについて考察しています。

侮辱罪の厳罰化という政権批判封じ

    「インターネット上の誹謗中傷対策」という大義名分を盾に、自民党が推し進めて来た「侮辱罪の厳罰化」を含む改正刑法が6月13日、与党などの賛成多数により、参議院の本会議で可決・成立してしまいました。これで、自民党政権を批判する国民を監視するため、萎縮させるための悪法が強行採決されたのは、2013年11月の「特定秘密保護法」、2017年6月の「共謀罪を含む改正組織的犯罪処罰法」に次いで、3本目となりました。

また、今回の法案は、三原じゅん子参議院議員が座長をつとめる自民党プロジェクトチームが政府へ提言書を提出したのが2020年6月なので、3本すべて安倍政権下で提言された悪法ということになります。

    さて、今回の「侮辱罪の厳罰化」の発端となったのは、女子プロレスラーの木村花さんが、インターネット上の誹謗中傷を苦に、2020年5月に自殺してしまった事件だと言われています。その後、木村花さんへの誹謗中傷を行なっていた者は数多くいたのに、実際に立件できたのは2件だけで、その罰も僅か9,000円の科料だったことから、厳罰化への声が高まりました。

    事実、木村花さんのお母さまも、当初から「侮辱罪の厳罰化」に支持を表明していましたし、今回の成立を受けての記者会見では「これまでの侮辱罪では抑止力にならなかった。私の中では『やっと』という思いが強い。(支持してくれた人たちに)感謝の思いでいっぱい」と述べました。

    これまでの侮辱罪の刑罰は「30日未満の拘留又は1万円未満の科料」だったため、この「9,000円の科料」は上限ギリギリのものでした。しかし、人の命を奪ったのに、これでは軽すぎるということで、今回「1年以下の懲役と禁錮(拘禁刑)、30万円以下の罰金」という法定刑に変更され、事実上の厳罰化となりました。犯罪の刑罰には「犯罪抑止」という側面もありますので、今回の厳罰化には一定の抑止効果も期待できると思います。

これだけであれば、あたしもこの改正法案に賛成していました。しかし、常に「国民の権利など二の次」という自民党政権が、こんな美味しい法案を自分たちの権力維持に利用しないはずがありません。以下、今回の改正法案を推進した自民党プロジェクトチームの座長をつとめた三原じゅん子参議院議員と、映画評論家の町山智浩氏との当時のツイッターでのやり取りです。

三原じゅん子 @miharajunco

インターネット上の匿名での誹謗中傷の人権侵害に対して、政治家として動き出します。

午後1:02 2020年5月25日

 

町山智浩 @TomoMachi

木村花さんを政治に対する批判封じ込めに利用しないで欲しいです。

午前8:43 2020年5月26日

三原じゅん子 @miharajunco

何度も書いていますが、批判と誹謗中傷の違いを皆さんにまず理解して頂く事が大切。

まして政治批判とは検討を加え判定・評価する事です。何の問題も無い。ご安心を。

しかし、政治家であれ著名人であれ、批判でなく口汚い言葉での人格否定や人権侵害は許されるものでは無いですよね。

午前9:05 2020年5月26日

また、三原じゅん子参議院議員は、別の人からのリプライに対して、次のようにツイートしました。

三原じゅん子 @miharajunco

政治家として #批判(物事に検討を加え、判定・評価する事)は甘んじて受け止めますが、#誹謗中傷(他人への悪口、罵声等により名誉を毀損する事)は違います。

付け加えるなら法的場面では誹謗中傷そのものではなくその結果としての名誉毀損、侮辱、信用毀損、業務妨害が罪に問われることになります。

午後3:01 2020年5月25日

これらの発言から、今回の「侮辱罪の厳罰化」を推進した自民党は「政治家に対する侮辱発言も一般人と同様に法的に対処すべき」と考えていることがはっきりと分かります。そして、これには、現在の特命大臣も兼任する自民党の二之湯智・国家公安委員長も「NO」とは明言しませんでした。

    今年4月27日の衆議院で、この「侮辱罪の厳罰化」を前提として「閣僚や国会議員を侮辱した者が逮捕される可能性はあるのか?」と野党から質問された二之湯国家公安委員長は、初めは「ありません」と否定していました。しかし、さらに法的根拠を示すように問い詰められると、「ありません」が「あってはならないこと」へと変わり、最後には「侮辱罪を犯した者は逮捕される可能性が多少は残っている」と答弁したのです。

    それでは、実際にどのような場面で、どのような発言が「政治家への侮辱」に該当するのでしょうか?同日の衆議院で、無所属の米山隆一衆院議員が次のような質疑をしています。

「たとえば、私が『総理は嘘つきで顔を見るのも嫌だ。早く辞めたらいいのに』と言った場合、この発言は侮辱罪に該当しますか?また、これを私の妻(室井佑月氏)がコラムで書いた場合には該当しますか?また、新潟県で精肉店を営んでいる私の母が、お客さんにこの言葉を言った場合には侮辱罪に該当しますか?それぞれ法的根拠を示してお答えください」

この質疑に対して、法務省の川原隆司刑事局長は、次のように答弁しました。

「具体的な事例を示して犯罪の成否をお尋ねになりましたが、犯罪の成否は収集された証拠に基づき個別に判断される事柄ですので、この場で法務省としてお答えをすることは差し控えます」

おいおいおいおいおーーーーい!「一般人が『総理は嘘つき』と言っても侮辱罪には該当しないし逮捕もされない」と答弁するのが普通なのに、こともあろうに「犯罪の成否は個別に判断」などと抜かして「逮捕の可能性」を匂わせるなんて、どこまで権力に忖度すれば気が済むのでしょうか?そんなに内閣人事局が恐いのでしょうか?

時の首相や大臣に対して、あたしたち国民が「嘘つき」「早く辞めろ」と言うのは日常茶飯事であり、他にも「バカ」「無能」「ポンコツ」など、一般的には侮辱罪に該当する言葉が全国で発せられ続けています。SNS上にも、こうした発言は数えきれないほどありますし、あたしだけでも大嫌いな安倍晋三元首相に関しては、少なくとも数百回は「嘘つき」とツイートしています。

しかし、為政者は公人なのですから、こうした言葉も「批判」として受け止め、自らの行ないを顧みる義務があります。それに、安倍元首相の場合は、首相在任中に分かっているだけでも1年間に118回も国会で大嘘の答弁をしたのですよ?そのような人物に「嘘つき」と言うことが、どうして侮辱だと言うのでしょうか?

「嘘つき」と言われたくなければ、嘘をつかなきゃいいだけの話。「税金泥棒」と言われたくなければ、税金を私的流用しなければいいだけの話。こんなこと幼稚園児でも分かるのに、自民党の国会議員は幼稚園児よりも知能が低いのでしょうか?

    そして、さらに言わせてもらえば、ネット上の誹謗中傷によって自殺に追い込まれた木村花さんのような悲しい犠牲者を二度と出ないために法改正をしたと言うのが自民党の本心であるのなら、安倍晋三元首相と昭恵夫人を守るために自殺に追い込まれた財務省の赤木俊夫さんの事案についても、同様に対処すべきです。

赤木俊夫さんは上司から公文書の改竄を指示され、その罪悪感から自殺に追い込まれたのですから、当時の直属の上司だった佐川宣寿氏の尋問なくしては、この事件の真相は何ひとつ解明されません。佐川宣寿氏に対する尋問をきちんと行ない、誰からの命令で赤木さんに公文書を改竄させたのか、この点を明白にした上で、この「間接的殺人事件」の主犯者を特定し、その殺人犯を正しく罰し、二度と各省庁のエリート官僚が時の政権の言いなりになってこのような事件を起こさないように、ちゃんと法改正するのが、立法府である国会の仕事だと思います。

    現在の立法府の長は、自民党の細田博之衆議院議長と、同じく自民党の山東昭子参議院議長ですが、前者はセクハラ発言疑惑などで野党から不信任案を提出されるほどのテイタラク、後者は三原じゅん子議員とグルになって政権批判を封じ込めるために木村花さんの死を利用した人物、どちらも完全に終わっています。それでも、もしも1ミリでも日本のことを考えていると言い張るのであれば、何よりも先に佐川宣寿氏の証人喚問を行ない、誰からの命令で赤木さんに公文書を改竄させたのかをハッキリさせてください。すべてはそれからです。

(『きっこのメルマガ』2022年6月15日号より一部抜粋・文中敬称略)

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 すでに可決・成立しましたが、これからの運用には特段の注意と警戒が必要でしょう。

園のようす
いちごを収穫しようとしたらさきをこされてしまいました。

カラスでしょうか?無傷で転がっているのもあり、食べられたのは嘴でつついたような感じです。

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