夢夢散歩♪

自然の写真を中心に、日々の出来事を綴ります。

不二才

2006年01月30日 | 歌舞伎・演劇.・映画
昨日、京都南座で市川染五郎傾奇芝居おどり「不二才(ぶにせ)」を観てきました。
「不二才って何かな?」と、観に行く前にネットで調べても、鹿児島の芋焼酎の名前でしか出てきませんでした
不二才とは鹿児島弁で、三枚目やぶさいくな人のことで、「見てくれは悪いが心の温かい男」のことなのだそうです。
この不二才をこの世の嫌われ者のカラスに見立て、見せかけの“智・仁・勇”の心を持った3羽のカラスが、本物の“智・仁・勇”の心を得るまでの話を創作舞踊で演出されています。

出演
市川染五郎…“勇”のカラス―鈴木麟斗(りんと)
尾上   紫 …“仁”のカラス―鈴木紫薫(しくん)
尾上  青楓…“智”のカラス―鈴木楓嵐(ふうらん)
松本  錦紫…人間・太陽


作・演出・振付
松本錦升(きんしょう)
   染五郎さんは日本舞踊松本流の三代目家元なのです。

感想

『ぶにせ、かぶき、はーじまります

古典舞踊をイメージしていた私はビックリしました。
なんとミラーボールが下りてきて、赤・黄・青の派手なライトがチカチカする中、青楓さんが紫さんと錦紫さんを両脇に従え、歌って踊り出したのです
オープニングテーマですね。
すっごくノリノリで、「え 何が始まったの?」と、最初頭がこんがらがりました

染五郎さんがスッポンから出てきた時は、「美川憲一 (…失礼)」、黒髪のメーテル(銀河鉄道999)の様でした。
染五郎さんの女形は、あまり好きではないのですが、今回の女装はかなり板に付いていて素敵でした

90分間、ノンストップ。3人が踊りまくり、鼓と太鼓で迫力の演奏はするし、染五郎さんは連獅子のように毛をつけて頭を振りまくるし、まばたきする暇もありませんでした。
考えも付かないような振り付けもありましたが、さすが舞踊をやられてる方だけあって、とても綺麗にきまっていました
観ているこちらまで一緒に踊り出したくなる舞台でした
染五郎さんのやりたい事を、そのまま舞台に出しきったって感じです。
こんなに見ごたえのあるものなら大歓迎です!!
1回限りっていうのが本当にもったいないなと思います

カーテンコールでは、またまた青楓さんが最初の歌を歌いました。オープニングの時は手拍子はまばらだったのに、カーテンコールの時にはみんな一斉に手拍子で、すごい盛り上がりでした

最初は混乱していたお客さんも、終わってみれば彼らの世界に引きずりこまれてたのではないでしょうか?

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壽初春大歌舞伎―夜の部―

2006年01月27日 | 歌舞伎・演劇.・映画
22日に夜の部を見てきました。2階席3列目上手側です。

①神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)

お舟…片岡孝太郎
六蔵…市川猿弥
新田義峯…坂東薪車
傾城うてな…市川春猿
頓兵衛…坂東弥十郎   他

福内鬼外(ふくうちきがい)作。
この人、実は有名な蘭学者 平賀源内のペンネームです。
合戦後、足利家に追われる身となった新田義峯は、傾城のうてなを連れて、お舟に一夜の宿を請います。お舟は断りますが、義峯を一目見て心を奪われ、宿を許します。しかしそこは義峯の兄・義興を殺した頓兵衛の家だったのです。
義峯に恋するお舟は二人を逃がし、身代わりに父・頓兵衛の刀にかかりますが、落人を捕まえた合図の太鼓を打てば、義峯を追った人々も囲みを解き、その間に二人は逃げられるだろうと考え、太鼓を必死で打ちます。
頓兵衛はなおも舟で義峯の後を追いますが、頓兵衛によって殺された義興の恨みの一矢が放たれ、最期をとげるのでした。

感想
薪車さんと春猿さん、スラッとしていて美男美女カップルです
春猿さんは、猿之助さんのスーパー歌舞伎での印象が強かったので、今回拝見して、「とっても魅力的な方だなぁ」と思いました。他のお役も見てみたいです。

頓兵衛は「金のためなら何でもやってやる」って感じの、強欲の固まりのような人です。髪も眉毛も髭も皆モジャモジャで、顔も「悪」という字が見えてきそうなお化粧です。
一番印象に残っているのは、刀のツバを鳴らしながらの頓兵衛の動きです。「蜘手鮹足(くもてたこあし)」という動きだそうです。あの独特の動きは言葉では説明できませんが、「蜘手鮹足」とは上手くつけたなと思います。まさにその通りです。
最期は矢が喉に突き刺さり死んでしまいますが、あの矢はどうやって刺さったんでしょうか?全然分かりませんでした

この舞台の主役は、なんと言ってもお舟の孝太郎さん
見せ場がとても多いです。
義峯に一目惚れしてコロッと態度が変わる所や、連れのうてなへの素っ気ない態度、義峯に「ようおいでなさりましたなぁ」と何度も言って嬉しさを表す所は、娘らしくとても可愛かったです
かと思えば、好きな人を命を捨ててまで守るという芯の強さも持っていて、大きな役だなと思いました。
孝太郎さんは初役だったそうですが、ピッタリの役だったのではないでしょうか?


②仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
〈落人〉
早野勘平…片岡仁左衛門
腰元おかる…坂東玉三郎

早野勘平は主君の一大事に居合わせなかったことを恥じ、腹を切ろうとしますが、恋人のおかるに止められます。
その二人が、おかるの実家である京都山崎へ向かう道中を描く舞踊劇です。

感想
仁左衛門さんと玉三郎さん、やっぱり美しい
錦絵とは良く言ったものです。
桜が咲いて、菜の花が咲いて、富士山も見え、その中に美しい男女。
舞台がパーッと華やかなだけに、2人のもの悲しい感じが際だっていました。
でも最後の花道での「おかる、おじゃ」「あーい」は、幸せいっぱいに見えました。

〈五.六段目〉
早野勘平…片岡仁左衛門
女房おかる…坂東玉三郎
斧定九郎…片岡愛之助
千崎弥五郎…市川段治郎
不破数右衛門…坂東弥十郎
与市兵衛女房おかや…坂東竹三郎  他

おかるの実家に身を寄せる勘平は、山崎街道でかつての同士 千崎弥五郎に会い、仇討ち資金の調達を約束します。
一方、おかるの父 与市兵衛は、その資金をおかるを祇園に売ることで得ようとし、その前金50両を手にしますが、山賊の斧定九郎に殺され金を奪われます。
そこに偶然通りがかった勘平が、定九郎を猪と間違えて撃ってしまいますが、懐の50両に気付き、悪いこととは知りながらそれを弥五郎に渡します。
家へ帰った勘平は自分が撃ったのが与市兵衛だと早合点し、そこへやって来たかつての朋輩の弥五郎と数右衛門に追いつめられ、腹を切ります。しかしその直後、与市兵衛の傷が刀傷だったことから勘平の疑いは晴れ、仇討ちの連判状に名を連ねることを許され、安堵して息を引き取るのでした。

感想
実に良くできた話だなと思います。究極の悲劇ですね
愛之助さん扮する定九郎、今でも目に焼き付いています。
昨年の4月の浪花花形歌舞伎でこの演目を見たのですが、定九郎はあんまり記憶に残っていません。その時は鴈治郎さんでした。もっと殺す時に揉みあっていたような気がします。
今回の定九郎は、与市兵衛を殺し、セリフも「50両」のったった一言。すぐに勘平に鉄砲で撃たれて死んでしまいますが、まさしく悪の華で、ゾクゾクしてしまいました。下手すると、勘平よりも目立ってしまう役なのではないでしょうか?

熱演が光っていたのはおかるの母親役の竹三郎さん
母親として妻として姑としての気持ちが入り乱れていました。
祇園へ売られていくおかるに、「祇園ではお客のために髪を切ったり、指を切ったりするらしい。髪は切っても伸びるが、指は…(涙)」セリフはちゃんと覚えていませんが、そうなんですよね。昔の遊女は「私はあなたのもの」という証に、髪を切ったり指を切ったりしたそうです。恐ろしい世界です…

さて勘平ですが、昨年見た時は、誤って舅を殺してしまった言い訳をするため切腹した勘平に、涙があふれてボロボロでしたが、今回は勘平の「侍に戻りたい」という気持ちを強く感じ、最後は「侍に戻れて良かった」という気持ちを感じました。
番付のインタビューで仁左衛門さんが、「お客さんが勘平の悲しみを引きずったままでも困る」とおっしゃっています。
4月の時は思いっきり引きずりました。
今回は涙は出ませんでしたが、「勘平、侍に戻れて良かったね」という気持ちになりました。
4月は上方風、今回は東京風の型だそうで、その違いもあるのかもしれません。
次回見ることがあれば、どちらの気持ちになれるのか、楽しみです


③春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)

曽我五郎…市川猿弥
曽我十郎…市川段治郎
静御前…市川春猿

曽我五郎、十郎に静御前が絡み、七草行事を題材に踊る長唄舞踊です。

感想
どうも今回は春猿さんに魅了されます。なぜでしょう?
理由はまだ分からずにいます。
舞踊は苦手なため、理解は出来ていませんが、終わりにふさわしい、清々しい舞踊で、眠ることもなくしっかりと見させて頂きました。
もっと舞踊を勉強しようと思います。

昼夜を通して、力の入る演目が多く、堪能しました。
同じ演目でも、型や演じる役者さんによって、私自身の感じ方も違ってくる事に面白さを感じました。この面白さに気付いたら、ますます歌舞伎にはまってしまうんでしょうね。


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隆様、おめでとう!

2006年01月24日 | ライブ・音楽
ビックリしました
仕事から帰ってきて、河村隆一さんのホームページを見たら、なんと結婚の報告が…

交際中と聞いた時は「またか…」って特別気にもとめていませんでしたが、こんなに早く結婚するとは思いませんでした。

結婚の報告を見た時は「え゛~え゛~」の言葉しか出ませんでした
勝手に、まだまだ結婚はしないだろうと思いこんでいたので

隆一さんが結婚を決めたのだから、素敵な方なんでしょう

これを機に、さらに私達ファンに素晴らしい歌を聞かせて欲しいです

隆一さん、ご結婚おめでとうございます

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吉坊ノ会

2006年01月20日 | 落語
昨日、初めて落語を聞いてきました
名前の通り 桂 吉坊さん の会で、一緒に 笑福亭呂竹さん
桂こごろうさん が出られました。

落語とは今まで無縁でしたが、吉坊さんは昨年の7月にNHKで放送された『米朝の上方歌舞伎案内』で、聞き手で出演されていたので、顔だけは知っていました。
つい何週間か前に、新聞の片隅に「吉坊ノ会」を見つけ、「ちょっと行ってみたいな」と思い会場の山本能楽堂を調べると、なんと私の会社のすぐ近く
こんなに近くに能楽堂があるなんて、全く知りませんでした

外から見る感じでは、ちょっと大きな家って感じで、入口も本当に家の玄関のよう。靴を脱いであがり、細い廊下を通ると、立派な能楽堂があってビックリしました

演目
 「煮売屋」   笑福亭呂竹
 「江戸荒物」  桂吉坊
 「不動坊」   桂吉坊
 「向こう付け」 桂こごろう
 「鴻池の犬」  桂吉坊

初めての生・落語。落語がこんなに面白いものだとは思いませんでした。
呂竹さんのお話は、以前テレビで聞いたことがあるものでした。「さぁ聞くぞ」と気合いが入りすぎていたので、これでリラックスできた気がします。

江戸荒物では、あまりのおかしさに涙を流して笑ってしまいました吉坊さんが可愛い顔で、大阪弁やら変な東京弁やらを喋る様がおかしくておかしくて、本当にお腹が痛かったです。
今日、お腹が筋肉痛になっているのはそのせいかも

こごろうさんは、お兄さんらしく落ち着いていて、声も大きいし、能楽堂によく響いてとても心地よかったです話の中に呂竹さんや吉坊さんまで登場して、とっても楽しいものでした。
ところで、こごろうさんの「動物園」って何なんでしょう?こごろうさんと言えば「動物園」のようで、今回はしてくれなかったのですが、「動物園」という言葉が出ただけで、お客さんが大爆笑でした。とっても気になります。絶対いつか、こごろうさんの「動物園」を聞かなければなりません。

思いっきり笑わしてもらい、なんだかスッキリしました。
またはまるものが増えた気がします。

しかし、能楽堂は寒かったです。中に入ったらコートを脱ごうと思っていたのに、脱ぐどころか、さらに着たいくらい冷え込んでいました。周りを見ると、他のお客さん達もコートをしっかり着て、中にはマフラーをグルグル巻きにしている方まで。
原因はこごろうさんによって証されました。
なんと暖房が入っていなかったのです
頼みます~もうめちゃくちゃ寒くて凍えそうでした
途中から暖房が入ってホッとしました。
でも最後までコートは着たままでした(笑)

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南曜堂のもなか

2006年01月14日 | 日常(主に自然の写真)
私は和菓子が大好きです
お茶をすすりながら和菓子を食べる時は、幸せを感じます
今回ご紹介するのは、堺市にある南曜堂のもなかです。

↑のもなかは「天領もなか」です。
南北朝時代から戦国時代にかけて戦乱に巻き込まれた堺の人々は、町を守るために広い堀を作り、自分達で治めていました。
しかし、豊臣秀吉はそれを認めず、堀を埋めてしまいました。
さらに大坂夏の陣では、堺が徳川方に味方するのを恐れて、町を焼きつくしたそうです。
しかし、徳川家康の時代になって、堺の町の重要性から堀を元に戻し、徳川幕府の直轄地とし、堺町奉行を置いて町を治めました。自治都市から徳川幕府の天領となって繁栄した堺の歴史にちなんで「天領もなか」ができたそうです。

続いて「ちんちん電車もなか」です。



堺には阪堺線(はんかいせん)というちんちん電車が走っています



もなかが、ちんちん電車の形をしていて、中にはお餅と餡が入っています。
見て楽しめ、食べても楽しめ、お茶の時間が楽しくなります

続いて打ち出の小槌の形のもなかです。



これも中にはお餅が入っていました。
ちんちん電車よりは大きめで、餡もお餅もたっぷりです。

ここのもなかは、皮がでしゃばらず薄いのに、ベタベタせずシャカシャカととても軽く、食べると皮の香りとあんの香りが混じり、口の中では皮のシャカシャカ感と餡の甘さがミックスし、とっても美味しいのです

考えてるだけで、また食べたくなってきました~
この後、ちょっと休憩します

南曜堂
http://www.for-you.co.jp/back_no/wagashi01/nanyodo.htm

阪堺線 http://www.hankai.co.jp/
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えべっさん

2006年01月10日 | 日常(主に自然の写真)
えべっさんは日本全国で行われているのでしょうか?

毎年1月9日~11日まで、恵比寿様を祀る神社で行われるもので、9日が宵戎(よいえびす)、10日が十日戎(とおかえびす)、11日が残り福(のこりふく)と呼ばれています。

『商売繁盛で笹持ってこい』の声が響き、自分の笹に吉兆をつけてもらいます。福娘さんのいる神社では、福娘さんが笹に吉兆をつけてくれます
私が毎年行く近所の神社では、セットになったものがいくつかあって、選んで買います。
いつも買っているのが、上の写真の笹です。

えべっさんは元々海の神様ですが、後に農業や商業の神としても信仰されるようになったそうです。

しかし「えべっさん」って、友達みたいに親しい(馴れ馴れしい)呼び方ですね。神様なのですから「えびす様」と呼ばないといけないのでしょうけど…

この呼び方からして、関西だけの行事なのかなぁと思います。

「えべっさん、たのんまっせ~」って感じです。

みんなが、えべっさんの様な幸せな顔でいられますように

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庭を観察

2006年01月08日 | 日常(主に自然の写真)
今日はとっても良いお天気
カメラを持って、庭を観察してみました

空を見上げると、青い空にオレンジの柿が綺麗でした
でも柿はもう鳥に食べられ穴があいてます

続いて石臼を覗いてみると、中にたまった水が凍っていました



お昼なのに、まだ溶けていませんでした。

ふと横を見ると、毛がフサフサの葉がありました


あたたかいのでしょうか?

赤い実を見つけました
鳥にすぐに食べられてしまいそうですが、食べられてる気配はありません。
嫌いなのかな?美味しくないのかな?



写真で見ると、甘くて美味しそう~

冬真っ只中でも、春を待ちきれずに新芽を出してるものもいます



サクラソウです。葉芽かな?花芽かな?
可愛いお花が咲くのが待ち遠しいです

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壽初春大歌舞伎―昼の部―

2006年01月03日 | 歌舞伎・演劇.・映画
2日の松竹座初日に行ってきました。3階3列正面です。
係の女性が着物で、お客さんも着物の方がとても多く、お正月らしく華やいだ雰囲気でした入口で、紅白のお餅を頂きました。

     

これより下はあらすじ、感想になります。
初めて義賢最期と十六夜清心を見られる方は、まだ読まない方が良いと思います。

①源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)
  義賢最期(よしかたさいご)

 木曽先生義賢…片岡愛之助
 下部折平 実は 多田蔵人行綱…市川段治郎
 葵御前…市川笑三郎
 待宵姫…市川春猿
 九郎助娘小万…片岡孝太郎  他

〔あらすじ〕
全盛期の平家に抗して戦った源 義賢の悲劇です。
源 義朝が平家に敗れた後、心ならずも平家に従っていた弟の義賢は、病を理由に館に引き籠もりますが、下部として働く折平を源氏の武士 行綱だと見破り、源氏再興の悲願を託します。そこへ平 清盛の使者が来訪。使者を打ち損じた義賢は、折平やその妻小万達に後事を頼み、身に鎧も着けず、自ら盾となって平家の軍勢と戦い、壮絶な最期を遂げます。

〔感想〕
すごかったです。すごいの一言
普段の愛之助さんの、ほんわり柔らかな姿とは大違いで、凄まじい義賢最期でした。
今回、仁左衛門さんから指導を受けられた愛之助さんの義賢が、私の初義賢でした。
すごく勢いがあって、立ち廻りも大迫力でした。
しかし、なんといっても「戸板倒し(組んだ戸板の上に立ったまま、戸板もろとも倒れる)」や「仏倒し(屋体の階段で勢いよく下へ落ち入る)」は目を見張りました
噂には聞いていましたが、あんなに凄まじい物だとは思いもしませんでした。少しでも気を抜いたら大ケガです。
でもあの力演で、戦の非情を痛いほど感じました
昨年の浪花花形歌舞伎の松王丸でも感じましたが、彼の舞台は今でも十分楽しませてもらっていますが、将来どんな役者さんになっていかれるのかとても楽しみです。
千穐楽までの無事をお祈りします。


②十六夜清心(いざよいせいしん)

 清心…片岡仁左衛門
 十六夜…坂東玉三郎
 恋塚求女…片岡孝太郎
 白蓮…坂東弥十郎  他

〔あらすじ〕
鎌倉極楽寺の所化である清心は、遊女十六夜との仲が露見し、寺を追い出されてしまいます。それを聞いた十六夜は廓を抜け出し、清心とともに川へ身を投げます。
しかし十六夜は俳諧師白蓮に助けられます。
一方、清心も泳ぎが達者であったがため、死にきれずにいると、通りかかった寺小姓の求女が癪(しゃく)を起こし介抱します。その時、求女の懐に五十両あることを知り、死んだ十六夜を弔うため貸して欲しいと頼みます。抵抗する求女と揉みあううち、殺してしまいます。罪をつぐなおうと、再び死のうとする清心ですが、突然「このいきさつを知るのはお月様と自分だけ。一人殺すも千人殺すも取られる首はたったひとつ。」と悪に目覚めてしまいます。
十六夜の方は清心の菩提を弔おうと尼になり、白蓮から去り巡礼の旅に出ますが、盗賊となった清心と再会し、二人で白蓮宅に強請りに行くのですが…

〔感想〕
今年の初春大歌舞伎のお年玉は、仁左衛門さんと玉三郎さん名コンビの顔合わせでしょう
二人が舞台に並ぶと、美しくて見とれてしまいました
でも、でも、後半が…
十六夜清心は初めて見たのですが、後半で二人とも強請りの悪党になって出てきた時は、ショックを受けました
あんなに綺麗な二人が、姿も話し方もコロッと変わってしまって…
しかも十六夜はすごく気の強い人になっていて、清心はそれにチョコチョコくっついていくような、ちょっと情けない人になっていました。
最後の最後には白蓮と清心が兄弟だという、ビックリするような展開

「え~ うそ~

と思っていたら、仁左衛門さんも「芝居みたいだな」と舞台で言ってました(笑)
一つのお芝居の中に、情緒ある二人の場面→清心が悪の道に足を踏み入れる場面→二人で強請る場面→ビックリするような結末と盛りだくさんで、初日からお腹一杯になりました。

22日に夜の部を見に行きます

一月松竹座公演
http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/0601/index.html

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謹賀新年

2006年01月01日 | 日常(主に自然の写真)
あけまして、おめでとうございます

昨年6月よりブログを始め、初めてのお正月を迎えました。
飽きっぽい私が続けられているのは、来て頂いた皆さんのおかげです。
そして、皆さんのブログにもおじゃまし、色々な事を教えて頂きました。
本当にありがとうございました

本年も歌舞伎と音楽中心のブログになると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします

明日は松竹座の『壽 初春大歌舞伎』の初日に行ってまいります。
きっとお正月ムード満点でしょうね
楽しみです
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