夢夢散歩♪

自然の写真を中心に、日々の出来事を綴ります。

宝塚歌劇 宙組公演「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」

2023年03月15日 | 歌舞伎・演劇.・映画
3月12日に宝塚大劇場で宙組公演を見てきました。
この公演はトップスター真風涼帆さんの退団公演です。
トップ娘役の潤花さん、組長の寿つかささん、紫藤りゅうさんらも一緒に退団されます。



真風さんが演じるのは、コードネーム007を持つ英国の秘密情報部員、ジェームズ・ボンド。
私は007シリーズを見たことがないので大丈夫かなと心配でしたが、全く問題なく楽しむことができました。
サヨナラ公演なのでしんみりしちゃうかと思いましたが(もちろんさみしいですが)、スーツ姿の皆さんのかっこよさに目が釘付け、銃撃シーンではドキドキハラハラ、コメディ場面では大笑い、デュエットダンスの美しさにうっとり、パレードの華やかさに感動、見た後は爽快感が残りました。



私が初めて宝塚を好きになったのが、真風さん率いる宙組です。
真風さんがいる宙組公演を劇場で見るのは最初で最後になりましたが、本当に見られてよかったです。
男役のかっこよさを教えていただきました。

私のイメージですが、宙組のスターさんは大人っぽい雰囲気があり、それが大好きです。
次のトップは現在2番手の芹香斗亜さん。私が初めて好きになったタカラジェンヌさんです。
真風さんと芹香さんの並びが大好きでしたが、今後の芹香さん率いる宙組も楽しみです。



現在劇場内の宝塚の殿堂では、特別企画展「Memories of 真風涼帆」が開催されています。
真風さんの初舞台からこれまで17年間の軌跡を、写真や映像、衣装、小道具などを展示して振り返る企画です。









私が知る真風さんはたったの2年ほどですが、本当に出会えてよかったです。
千秋楽まで無事に駆け抜けられますようにお祈りいたします。



阪急の宝塚駅の階段はこんなにきれいな階段でした。

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宝塚歌劇 雪組公演「蒼穹の昴」

2022年10月13日 | 歌舞伎・演劇.・映画
10月6日に宝塚大劇場で雪組公演を見てきました。
原作は浅田次郎さんのベストセラー小説「蒼穹の昴」です。

19世紀末、清朝末期の中国 紫禁城が舞台。
渦巻く権力への野望と自国の将来を憂う想い。
過酷な運命に翻弄されながらも、運命に抗い、ひたむきに生きる人間たちの勇気と希望が描き出されています。



生で見る舞台は素晴らしいの一言でした。
いつもはテレビの画面越しで見ていたスターさんたちが目の前に
着ている衣装の美しさにびっくり
紫禁城の舞台セットも「わーっ」と思わず声が出てしまいそうなほどの華やかさで、見とれてしまいました。
最初から最後まで夢の世界にいるような美しさで、宝塚って素晴らしいなと、もっともっと好きになってしまいました。



公演前には、劇場内のレストランでゆっくりランチ。
パンには雪組の焼印が押されていました。(右上の雪の字がちょっと分かりにくいですが…)



ペーパーナプキンやお箸袋にも各組のマークがついていました。



店内に流れる音楽は、もちろん宝塚の音楽。たまりません

ランチ後は宝塚歌劇の殿堂へ行きました。
ここは歌劇の発展に貢献した卒業生やスタッフが紹介されています。
また、最近の公演で使用した衣装や小道具、映像などを見ることができます。









宝塚にどっぷり浸った一日でした。


梁文秀…彩風咲奈
李玲玲…朝月希和
李春児…朝美 絢
順桂 …和希そら
光緒帝…縣 千
李鴻章…凪七瑠海 他


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宝塚歌劇宙組「バロンの末裔」「アクアヴィーテ!!~生命の水~」

2021年12月10日 | 歌舞伎・演劇.・映画
今年の私の大きな出来事は、宝塚歌劇との出会いでした
5月に宙組の2019年公演「El Japón(エル ハポン)-イスパニアのサムライ-」と「アクアヴィーテ!!~生命の水~」をテレビ見て、すっかりはまってしまった私。
11月からの全国ツアーでアクアヴィーテをすると知り、「見たい!!!」と思いましたが大阪のチケットは取れず・・・
ツアーで回る九州、沖縄には行くことはできなかったけど、12月4日福岡公演のライブ配信があり見ることができました。


[バロンの末裔]
貴族階級の支配が崩れ去った20世紀初頭のスコットランドが舞台。
男爵家に生まれた男(エドワード:真風涼帆さん)が、双子の兄(ローレンス:真風涼帆さん)の婚約者(キャサリン:潤 花さん)への叶わぬ想いを胸に抱きながらも、愛する土地と人々を守る為、貴族的な潔さでダンディに生き抜く姿を描いた物語です。

切なすぎる物語で、涙ポロポロでした。
小さいころから一緒に育ってきたローレンス、エドワード、キャサリン。
キャサリンはエドワードのことが好きですが、エドワードは家を出て軍人になっています。
ずっと好きだったエドワードと一緒にいたいために、ローレンスと一緒にいるキャサリン。
エドワードとキャサリンはお互い想い合っていることが分かります。
でも、キャサリンはローレンスの婚約者になっていて、一緒にはなれません。
ローレンスを捨てて2人が一緒になるなんてことは、この2人にはできません。
そういう道しかなかったのかなぁと思います。切ない…

そして私が感動したのは、愛する土地が誰かの手に渡り、その土地がめちゃくちゃにされたり人々の暮らしが脅かされたりしないように、自分が守るという強い意思です。
ローレンスとエドワードのボールトン家は、ローレンスが相場に手を出して失敗し、その借金のせいで土地を手放さなければならない状態でした。
屋敷で働いている人も辞めてもらわなければなりません。

実はボールトン家の領地には石炭が眠っています。
そのことを2人は知りませんでしたが、父の代に見つけ住民にだけ採掘権が与えられていました。
それは他の人の手に渡り、採掘によって人々の暮らしが脅かされるのを防ぐためでした。
採掘権を売れば借金は返せます。でもこの土地や人々の暮らしはどうなってしまうのでしょう。

エドワードは銀行に投資させ屋敷をホテルにし、屋敷で働いていた人たちをホテルのスタッフに。
ホテル経営を夢見ていた友人を支配人に。
ローレンスとキャサリンはともにホテル経営。
みんなの幸せな顔を見届けて、エドワードは一人去っていきます。
エドワードの幸せを願わずにはいられませんでした。


[アクアヴィーテ!!~生命の水~]
香り高く、味わい深い、大人の飲み物ウイスキーをテーマにした香り豊かな世界のショーです。
写真のポスターはアクアヴィーテのものですが、ご覧の通りキラキラ華やかです。
真風さんの大人のカッコよさ全開です。
皆さんがシャンパンゴールドの衣装で踊るものだから、ステージが華やかで眩しいほど。

途中、トップさんと二番手さんと三番手さんがキザなセリフを言うところがあるのですが、
今回はツアーだったのでご当地バージョンになっていたようです。
私が見たのは福岡公演だったので、福岡バージョン。

うろ覚えなのですが、
「あなたの髪は博多ラーメンのようにツヤツヤしている。」
「あなたの耳たぶはモツのようにぷりぷりしている。」
「あなたのおでこは辛子明太子のようにピンク色だ。」

かっこいい男役さんが真顔で言うもんだから大爆笑でした。

前の公演では
「あなたの唇はもぎたてのいちごのように真っ赤に濡れている。今夜はあなたのストロベリーパフェを僕にテイクアウトさせてください。 」
「あなたのほっぺは生まれたてのベイビーのようにピンク色だ。今夜は僕が眠るまで、あなたの膝の上で抱っこしてください。」
「あなたの瞳に映る僕は、美しさに震える子犬のようだ。紫の鎖に繋がれて、あなたの夢の中をお散歩したい。」

このセリフを客席に降りて一人のお客さんに言ってました。選ばれた人は嬉しいのか、恥ずかしいのか。

歌もダンスも本当に素晴らしいショーでした。
初めて見た時もアクアヴィーテの歌が頭にこびりついて離れなかったのですが、今回も知らないうちに歌っちゃってます。
それだけ心に残るショーなのだと思います。

あぁ、やっぱり劇場で見たかったなぁ。
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宝塚歌劇宙組「シャーロック・ホームズ」「Delicieux!」

2021年08月04日 | 歌舞伎・演劇.・映画
8月2日に宝塚大劇場からライブ配信された宙組公演を観劇しました。
5月にテレビ放送された宙組公演を見て、すっかりはまってしまった私。
配信での観劇はどうかなと思いましたが、とても楽しかったです。
カメラワークが素晴らしかったので、表情のアップや衣装の細かいところまで見ることができました。

[シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-]
シリアスだけど所々に笑いの要素があり、最後まで飽きることなく見ることができました。

ホームズ役の真風涼帆さんは立ち姿だけで美しいイギリス紳士。
しゃべりだすとちょっと風変わりだけど、鋭い推理力があり、でも子供っぽい部分もあってホームズの魅力満載でした。

ホームズの宿敵はジェームズ・モリアーティ。
悪いことをするのが楽しくて仕方ないって感じです。
そんな自分を愛してるって感じの僕ちゃん的なしゃべりが、余計に怖かったです。
この役を演じられたのが、芹香斗亜さん。
私が初めて好きになったタカラジェンヌさんです。
いろんな役をこなす芹香さん。目が離せません。


[Delicieux!-甘美なる巴里-]
ウキウキ心が躍りだす楽しいショーでした。
まだ宝塚のスターさんをそんなに知らない私でも、退団される方や組替えされる方が輝く場面が多く、愛にあふれたショーだなと感動しました。
このショーでは、芹香さんがマリーアントワネットに。
男役の方も女性役をしたりするんですね。
とても美しくてびっくりでした。

甘いお菓子がたくさん出てきたのですが、舞台とお客さんが一緒になってマカロンのペンライトをフリフリするところは、まるで一緒にいるようでとても楽しかったです。
観劇された方の投稿写真を見て、可愛いマカロンのペンライトだなと思っていたのですが、皆さんご自分でデコレーションされているんですね。
デコレーションされたものが売られているのかと思っていました。
同じものが一つもなくて、どれもとっても可愛いです。

2日は宝塚大劇場での千秋楽ということで、組を替わられる方や卒業される方の挨拶がありました。
皆さんの言葉から宝塚歌劇を心から愛しているのが伝わってきて、宝塚初心者の私もウルウルしてしまいました。
宙組の皆さんやお客様の温かさも、画面越しに伝わってきました。


今年5月からテレビで宙組、雪組、花組の公演、そして今回のライブ配信を見ました。
どれも内容が素晴らしく心に残るものばかりでした。
今度はぜひ劇場で観劇したいです。




タカラヅカの解剖図鑑 文/中本千晶 イラスト/牧彩子

宝塚初心者にはものすごく分かりやすい本です。
男役、娘役、各組の特徴、公演内容、チケットの取り方などの基礎知識、タカラジェンヌさんの音楽学校入学から歌劇団卒業までの道、名作の紹介、宝塚ファンの生き様、そして宝塚の歴史など、これを読めば初心者でもかなり宝塚のことが分かる内容だと思います。

入り待ち・出待ちの光景は有名ですがそれにもルールがあり、スターが通る道のすぐ近くは私設ファンクラブに入っている方たちが並び、その後ろに一般のファンが並ぶというのが基本ルールなのだそう。この私設ファンクラブの方だけがスターに直接話しかけたり手紙を渡せたりするそうです。
この本を読んで、ますます宝塚歌劇に興味を持ちました。

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宝塚歌劇にはまる理由が分かりました - 夢夢散歩♪

母からまた実家のバラをもらいました。とってもいい香りに癒されています。ところで、みなさんは宝塚歌劇を見たことがありますか?私は興味本位で10...

宝塚歌劇にはまる理由が分かりました - 夢夢散歩♪

 


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宝塚歌劇にはまる理由が分かりました

2021年05月10日 | 歌舞伎・演劇.・映画
母からまた実家のバラをもらいました。
とってもいい香りに癒されています。

ところで、みなさんは宝塚歌劇を見たことがありますか?
私は興味本位で10年くらい前に一度見に行きました。
生の舞台は迫力があり、とても楽しめたのですが、また行きたいとはならずそれっきりになっていました。

昨年、テレビのチャンネルを変えていると、宝塚の舞台が放送されていました。
何の作品かも知らず、ただ「アクアヴィーテ~ アクアヴィーテ~」と歌われていたのですが、宝塚歌劇に興味がない私はすぐにチャンネルを変えてしまいました。
でもその後、なぜか「アクアヴィーテ」の音楽が耳にこびりついていて、時々口ずさむようになっていたんです。

それがつい先日テレビで放送されたので録画しました。
作品名は「アクアヴィーテ~生命の水~」で、歌と踊りのショーです。
「これこれ~」と思ってずっと見ていると、次から次へと華やかなショーが繰り広げられ、画面に引き付けられました。
場面場面で雰囲気が全く違っていて、飽きることがありません。
男役の人はかっこいいし、娘役の人はかわいいし、「あれ?宝塚ってこんなに面白いの?」と思いました。

生で見たときは席が後ろの方だったので、タカラジェンヌさんの顔がよく見えませんでした。
でも今回はテレビなので、顔がアップでうつります。細かい表情もよく分かります。
見ているうちに、出演されているタカラジェンヌさんの顔がだいたい分かるようになり、区別がつくようになります。
すると、「この人かっこいいなとか、かわいいなとか、声がいいな、踊りが素敵だな…」とかいろいろ思うようになってきます。

こうなると、もうかなりはまってますよね。

そしてあっという間にフィナーレへ。
すべての出演者が、あの有名な大階段を降りて来て客席に挨拶をします。
これも圧巻です。
羽を背負って降りてくる人もいて、この方たちはスターですね。
人によって羽の大きさや色に違いがあって、トップスターの羽は見事でした。

もうこの頃にはどっぷりはまっていて、終わるとすぐにもう一度見たいと思いました。
それから何回見たでしょう。
テレビのいいところは、字幕を出してみられるということ。
2回目は字幕を出したのですが、歌詞がよくわかり1回目よりも楽しむことができました。

何回も見ることによって、作品が理解できるし、タカラジェンヌさんの顔をどんどん覚えて楽しくなってきます。
これがはまる理由か。

私の場合、まずは音楽だったのだと思います。
昨年、テレビでちょっとだけ耳にしたアクアヴィーテの音楽の一部分がずっと耳に残っていたことから始まり、今年になってまたアクアヴィーテが放送され、音楽の素晴らしさに引き込まれたのがきっかけです。
なんだか、宝塚の方から私に近づいてきた感じです。

今回見たのは宙組の公演だったのですが、真風涼帆さんと芹香斗亜さんがめちゃくちゃかっこよかったです。
芹香斗亜さんの声がすごく好きです。
調べると、なんと阪急・オリックスで投手として活躍された山沖さんの娘さんなんだとか!!
奥さんが元タカラジェンヌなんですね。

宝塚歌劇、一度見て興味を持たなかったのに、まさかこんなに興味を持つ日が来るなんて思いもしませんでした。
いつ何がきっかけで興味を持つか分かりませんね。
今回録画したのはお芝居とショーの2つで、まだショーのアクアヴィーテしか見ていないので、お芝居も見ようと思います。
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松竹大歌舞伎~巡業公演西コース~

2011年09月07日 | 歌舞伎・演劇.・映画
2日(土)、岸和田市の浪切ホールへ歌舞伎を見に行ってきました。

この日は台風が近づいていたので心配でしたが、警報が出ていたわりには「台風はどこっ?」て感じの状況で、無事開催されました。

役者さん達は、前日の三重県から電車で来る予定だったのに、近鉄電車が止まってしまったので、バスで大阪入りしたそうです。
巡業は移動があるから、本当に大変ですね。

楽しみにしていたので、開催されて嬉しかったです。


一、雨の五郎

踊りはなかなか理解するのが難しく苦手なのですが、これは見ていて楽しいです。
前にも一度違う役者さんで見た事がありますが、印象が全然違いました。
愛之助さんの五郎は、紫の頬かむり姿がなんとも艶やか。(←男性にも使うのでしょうか?)
勇ましい立ち廻りもかっこよかったです。



二、義経千本桜
下市村茶店の場、同 釣瓶鮓屋の場

やっぱり泣いてしまいました。
仁左衛門さんの権太は、本当にどうしようもないけど憎めず、可愛らしく、優しいので、あの悲劇では泣かずにはいられませんでした。

いつも気になるのが、権太が死にそうになっている時に、維盛や若葉の内侍の態度がなんとなく冷たく感じるところです。自分たちのために、こんな悲劇が起こったというのに。

でも高麗蔵さんのインタビューを読むと、その冷たさが分かりました。
権太達とは身分が違い、あの悲しさの中にとけ込みすぎてもいけないという気持ちがあったとの事。
ちょっと高みから、違う視点で悲しむ。
それが私が感じた冷たさだったんですね。納得しました。

見るたびに、いろいろ発見し、なるほどと思えるところが歌舞伎の面白いところです。
上方式と江戸式では、演出が違うとの事。
江戸式も見てみたいなと思いました。
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壽初春大歌舞伎 夜の部

2011年01月10日 | 歌舞伎・演劇.・映画
8日に、夜の部を観てきました。今回は3階席の一番後ろです

八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)
佐藤正清…片岡我當  斑鳩平次…片岡進之介  正木大介…坂東薪車
鞠川玄蕃…松本錦吾  雛衣…片岡秀太郎

3階席からは、舞台全体が見渡せます。
朱塗りの立派な船の上に、登場人物が並んでいるのは、絵のように美しいです。
我當さんは、可愛くて優しいおじいちゃんの役も合いますが、こういうどっしりとしたかっこいい役も似合いますね。
毒酒がまわりはじめ、苦しい顔になっても、堂々とした態度は変わらない。
さすがです。


廓文章 吉田屋
藤屋伊左衛門…坂田藤十郎  扇屋夕霧…中村扇雀
吉田屋喜左衛門…片岡我當  女房おきさ…上村吉弥

観ているようで、観た事がなかった吉田屋。
落ちぶれているけど、若旦那の気品を感じさせる藤十郎さん。
拗ねたところでは、お客さんの笑いを誘っていました。

夕霧身請けの千両箱が店から次々と届いたのはすごかったです。
突然勘当が許され、夕霧まで身請けしてくれるなんて、「何があったんだろう?」と思いましたが、まぁめでたしめでたしで華やかな舞台でした。


江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)
―明智小五郎と人間豹―
明智小五郎…松本幸四郎  恩田乱学・神谷芳之助…市川染五郎
お甲・お蘭・お文…中村扇雀  目明し恒吉…松本錦吾
老婆百御前…上村吉弥  同心小林新八・お玉…市川高麗蔵

登場人物がはっきりしていて、全体的にとても分かりやすかったです。
でも恩田乱学の心の中は複雑で、読み取るのが難しいです。
悪だけども、なぜか心から憎めない気持ちになります。

立ち廻りもあり、妖しい見せ物もあり、宙乗りもあり見応えたっぷりです。
不思議だったのが、乱学が突然消えてしまったシーン。
ずっと見ていたのに、マジックのように消えてしまいました。本当に不思議。

これから上演されるたびに練り上げられていって、もっと良くなるんじゃないかなと思いました。

終わってからみんなの拍手が手拍子のようになり「?」と思っていたら、なんとカーテンコールが
明智小五郎、女房お文、恩田乱学が仲良く手を繋いでいました

新しい物を歌舞伎にしていく挑戦が、素晴らしいと思います。
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壽初春大歌舞伎 昼の部

2011年01月03日 | 歌舞伎・演劇.・映画
3日に松竹座へ昼の部を見に行ってきました。
チケットを発券した時に、写真の開運干支あめを頂きました
御祈祷済のありがたい干支あめ
ありがたくいただきます。

さて、お正月の松竹座はやっぱり雰囲気が違います。
着物姿の方が多く、とっても華やいだ雰囲気でした

今回は1階の3列目。
役者さんの表情や細かな動きをしっかり見る事ができ、やっぱり一階席は違うなぁと改めて感じました。
演目も、分かりやすいものばかりで、感動の涙、涙でした

土屋主税
土屋主税…中村翫雀  大高源吾…市川染五郎  晋 其角…嵐橘三郎
落合其月…坂東薪車  侍女お園…中村扇雀

この演目は以前「浪花花形歌舞伎」で観ました。
赤穂浪士の討ち入りにまつわるエピソードを素材にした「義士外伝物」と呼ばれるものです。とても良いお話で、私は大好きです。
つい最近観た気がしていたのですが、5年も前だなんて…

大高源吾の染五郎さんがかっこいい~
お正月から大阪で染五郎さんを観られるなんて、幸せです。

薪車さん、すごく貫禄が出てきましたね。
源吾を罵倒する姿には「そこまで言わなくても」って思いましたが、其月が武士としての誇りを持った真っ直ぐな人だからこそ、出てきた言葉なんでしょうね。
源吾が吉良邸に討ち入ったと知った時に、死んで詫びようとした姿勢から、その心がうかがえます。

でも薪車さんにちょっとアクシデントが
最初の登場の時に、鴨居(引き戸の上にある横木です。)に頭が引っかかってカツラがずれてましたすぐさま直していましたが、全部取れなくて良かったです。


男の花道
加賀屋歌右衛門…坂田藤十郎  土生玄碩…松本幸四郎
万八女将お時…片岡秀太郎  田辺嘉右衛門…中村翫雀
加賀屋東蔵…坂東竹三郎  加賀屋歌之助…‥市川染五郎

男の友情に、こんなに泣かされるとは思いませんでした。

人気役者の加賀屋歌右衛門が失明寸前になってるところを、シーボルトの教えを受けた眼科医の土生玄碩の治療を受け、二人は厚い友情を結びます。
ある時、玄碩は「ここに歌右衛門が来なければ切腹しろ」と言われます。
玄碩は歌右衛門に手紙を書きますが、歌右衛門は舞台の真っ最中。

劇中劇もあり、その舞台の途中に玄碩からの手紙が届きます。
それを読んだ歌右衛門は『恩人の玄碩を助けるために、抜け出すのを許してほしい』と客席の私達に願う場面があります。ここでもう、お客さんは歌右衛門を応援する気持ちでいっぱいになったと思います。

髪を振り乱し、舞台衣装のまま玄碩の元に駆けつけ二人がしっかりと手を握りあった時は、もう涙涙涙
客席からも、鼻をすする音がいっぱい聞こえていたので、みんな涙涙涙

観客も巻き込んでの、見応えたっぷりのお芝居でした。
この熱いお芝居は、藤十郎さんだからこそ出来るお芝居ですね。

お正月から、感動的なお芝居を観られて、本当に幸せです。
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顔見世

2010年12月26日 | 歌舞伎・演劇.・映画
18日昼の部へ行ってきました。
さすが顔見世、演目は重厚感があり俳優さんも豪華。

羽衣
孝太郎さんと愛之助さんの爽やかなコンビでした。

寺子屋
とっても好きな演目ですが、今まで私が見た中で一番心が揺さぶられました。
吉右衛門さんの松王丸は、これでもかって言うほど心の内がビシビシ伝わってきて、本当に泣いてしまいました
梅玉さんの源蔵も思った通り素敵でした。

阿国歌舞伎夢華
仁左衛門さんと玉三郎さんのコンビ、やっぱり美しいです。
見ていてウットリしてしまいます。みんな釘付けになったんじゃないでしょうか。
たくさんの美しい役者さんが出ていましたが、仁左衛門さんと玉三郎さんの二人がくっきり浮かび上がって見えました。
周りの役者さんもそれを考えて舞台に立ってらっしゃるんでしょうね。
山三が姿を消してしまった後の、阿国の表情が忘れられません。
体全体から、愛する人を失った喪失感が漂っていました。

沼津
前に見た時は恥ずかしながらウトウト寝てしまいました
でも今回はしっかり見る事が出来ました。
松嶋屋3兄弟は、やっぱりなんというか情がありますよね。
話し方にしても、動きにしても、間合いにしても。
良いお芝居を観させて頂きました。

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必死剣鳥刺し

2010年08月04日 | 歌舞伎・演劇.・映画
それは必死必勝の剣
 その秘剣が抜かれる時
  その遣い手は、半ば死んでいるとされる


兼見三左エ門…豊川悦司   
里尾…池脇千鶴
帯屋隼人正…吉川晃司
保科十内…小日向文世
津田民部…岸辺一徳

今日、藤沢周平の隠し剣シリーズの一つ「必死剣鳥刺し」を見てきました。

本当に慎ましく細々と暮らしている三左エ門が、海坂藩主の妾を刺殺するところから物語は始まります。

前半は過去と現在の場面をおりまぜながら、本当に地味なほど淡々とすすんでいきます。

妾を殺してから、亡くなった妻の姪である里尾の世話になりながら閉門生活を送っていた三左エ門ですが、閉門が解かれた後、許されない罪を犯したにもかかわらず藩主の傍に仕えることとなります。これは彼が必死剣を使う腕利きの剣術士だったからです。

藩主が煙たく思っていた帯屋隼人正を亡き者にするため、三左エ門を上手く利用しようという津田民部の策略でした。

津田民部は「帯屋隼人正を殺せ」と三左エ門に命令しておきながら、いざそれが上手くいくと「乱心じゃ」と言って三左エ門を切れと言い出しました。

三左エ門はその時全てを悟ります。
なぜ妾を殺したにもかかわらず自分の命が助かったのか、なぜ藩主の傍に仕えることになったのかを。

でも既に遅く、周りは三左エ門を切ろうとする敵ばかり。
いくら剣の達人でも、大勢でよってかかられては、どうすることもできません。
ラスト15分の殺陣は凄まじかったです。

切りさいなまれ、体に刀を突き刺され、誰もが事切れたと思った時…
必死剣鳥刺しを見る事ができます。本当に一瞬の出来事です。


この映画では「人間のままならなさ」「人はいかに命を全うするか」という永遠の問いを投げかけているとのこと。

不条理な事は、今の世の中でも同じようにあります。
そんな中で、どう生きるのか?

この映画に出てきたそれぞれの人間のそれぞれの生き方が、良くも悪くもこれが人間なんだなと思いました。
でも、なんだかスッキリしないモヤモヤ感も入り交じっていて、見終わったあとに、いつまでも考えさせられる作品だなと思いました。
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團菊祭五月大歌舞伎

2010年05月05日 | 歌舞伎・演劇.・映画
昨日、大阪松竹座へ夜の部を見に行ってきました。
團菊祭は今まで歌舞伎座で行われていましたが、歌舞伎座が改築される事になったので、初めて大阪で行われる事になりました。

着物姿の方がたくさん来られていて、松竹座はお正月のような華やかな雰囲気でした

まだ始まったばかりなので、あっさりめの感想を書きます

本朝廿四孝(十種香)
前回見た時は(7.8年前のことですが…)、うつらうつらしてしまったので、今回は内容を頭にたたき込んでから見ました
話が進んでも目はパッチリ、最後までしっかり見る事が出来ました。

時蔵さんの八重垣姫が本当にかわいらしかったです。
恋する乙女ですね
勝頼が死んだと聞いて供養していたのに、そっくりな人物が現れるや否や突然態度が変わり、数珠をポイッと投げ捨てて、恋を成就させようと必死でした。

菊之助さんの濡衣は、勝頼の代わりに犠牲となった人の妻。
八重垣姫とは対照的で、大人の女性でした。


京人形
左甚五郎が魂を込めて作った人形が動き出すという、とても面白い舞踊劇です。

人形には甚五郎の魂が入っていて、最初は男っぽくてぶっきらぼうな動きですが、「女の魂」である鑑を胸に入れると、たちまち女らしい仕草になります。
この京人形を菊之助さんが演じていたのですが、その変わり目が見事でした。

あの女らしいしなやかな手の動き、練習してみようかしら


髪結新三
新三、子分の勝奴、弥太五郎源七、家主の長兵衛という、それぞれの小悪党の世界が描き出されている演目です。

駆け落ちの助言をする優しい新三、突然態度を変え悪の姿を見せる新三、弥太五郎をやりこめ啖呵を切るかっこいい新三、家主の長兵衛には頭が上がらず手玉に取られる新三。

全部新三そのものなのですが、菊五郎さんはそれを自然にやってらっしゃいました。
さすがだなぁと思いました。

私が一番気に入ったのが、家主女房おかくの萬次郎さん。
体中から「お金が大好き」という空気がムンムン出ていました。


菊五郎さんと團十郎さんの二人が舞台に揃うと、やっぱり重厚感がありますね。
上方歌舞伎とは一味違う面白さを味わう事が出来ました。
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三響会

2009年08月08日 | 歌舞伎・演劇.・映画
4日、南座へ三響会を見に行ってきました。

この三響会は、能楽囃子方の亀井広忠さん、歌舞伎囃子方の田中傳左衛門さん、田中傳次郎さんの三兄弟が、能と歌舞伎の囃子を通じて、それぞれの芸を融合させたり、対比させたり、色々な試みをされている会です。


南座で開催されるのは今年で3回目。私は今回初めて見る事が出来ました。

過去2回も行きたかったのですが、2回とも5月平日の開催で、どうしても仕事を休む事が出来ず諦めていました。

ところが今年は8月開催。
「夏休みを取って行ける」ということで行ってきました。


どうしても行きたかった理由は、能楽囃子の亀井広忠さんの大鼓を見たかったからです。

傳左衛門さんと傳次郎さんは、歌舞伎で拝見していますが、能を見ない私にとって広忠さんの舞台を見る機会はありませんでした。
いつもは舞台の役者さんに目がいく私も、今回ばかりは囃子がかっこよくてかっこよくて、聞き惚れてしまいました

初めて聞く広忠さんの大鼓は最高でした

なんて表現したらいいのか…
ものすごく緊張感があって、舞台で戦ってる感じです。

空気がぴーんと張りつめた中での大鼓の音色。
あの迫力・緊張感はたまりません。体験してみないと分からないと思います。
終わっても、もっともっと聞いていたいと思いました。

能は学生時代に見て『難しい』というイメージが頭にこびりついていましたが、今回見て、これはかなり奥が深くてかっこいいなと思いました。

能も一度見に行ってみようかな、なんて思ってます
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通し狂言『小笠原騒動』

2009年05月23日 | 歌舞伎・演劇.・映画
5月9日(土)、南座へ五月花形歌舞伎を見に行ってきました。

主な配役

中村橋之助 … 犬神兵部・岡田良助
片岡愛之助 … 小笠原隼人・奴菊平
中村勘太郎 … 小笠原豊前守・飛脚小平次
中村七之助 … お大の方・小平次女房お早
中村壱太郎 … 隼人妹小萩・林数馬
上村  吉弥 … 良助母お浦
市村萬次郎 … 良助女房おかの・小笠原遠江守

花形の魅力はやっぱり若々しさ

この舞台でも、みんなの若々しさが前面に出ていて、迫力があり、声も聞き取りやすく、水車小屋での戦いではやりたい放題
とても楽しく観ることが出来ました。

みんなが役の掛け持ちで『ややこしいかな』と心配しましたが、そんな心配は無用でした。きっちり役を分けられていて、ぜんぜんややこしくなることはありませんでした。

水車小屋の場面では、本物の水を使い舞台にはプールみたいに水を張ったものが用意され、かなり大がかり。
橋之助さんの良助と勘太郎さんの小平次が戦うのですが、橋之助さんは水車につかまってグルグル回るし、勘太郎さんは屋根の上から滑り台のように水に飛び込むし、二人で水の中でバシャバシャ大暴れ。
客席に向かって水をかけてるし、大変な状態…

前列のお客さん、ビニールシートをもらってましたが、大丈夫だったのでしょうか?あれだけやられたら、絶対に濡れますよね?
舞台も水浸しだったから、大丈夫なのかなぁとちょっと心配したりもして

今回は、橋之助さんの犬神兵部はとても悪い奴だけどかっこよく見えてしまったし、良助の悪に染まりきってなくて家族を大切に思う優しい心に涙しました。

歌舞伎ってやっぱり面白いです。

コメント (2)
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ラ・マンチャの男 ~シアターBRAVA!~

2009年05月07日 | 歌舞伎・演劇.・映画
松本幸四郎さんが、初演から40年演じ続けている「ラ・マンチャの男」を、2日(土)に見てきました。

今回が初めての観劇でした。
『ドン・キホーテの話らしい』という、ほとんど内容を知らない状態での観劇となったのですが、私が思っていたドン・キホーテの話とは少し意味が違いました。

正確には、ドン・キホーテの小説を書いた作者セルバンテスのお話です。
セルバンテスが牢に投獄され、その牢の囚人達を巻き込んで劇をくりひろげるというもの。

セルバンテス=アロンソ・キハーナ役
そのキハーナが、自分はドン・キホーテだとして悪を滅ぼすために飛び出す。

現実の世界とお芝居の世界、そしてお芝居の中の妄想と、なんだか入り組んでいて、この構造が分かっていないと、サッパリ分からないミュージカルになってしまうと思います。

頭をフル回転させての観劇でした。
正直、初めてだったこともあると思いますが、見終わって「良かった~」という感想はありませんでした。
でも日が経つに連れて、いろんな感動が蘇ってくる感じで、とっても不思議な感覚です。

幸四郎さんの歌声を聞くのは初めてでした。
低音のすごく柔らかい声です。
見果てぬ夢は、思い出すたびに深い心の声が聞こえてきそうに思います。

今回ビックリしたのが松たか子さん。
彼女の舞台は初めて見ましたが、やっぱり舞台女優さんですね。
舞台にかける情熱がほとばしった、体当たり演技でした。
ギラギラした中に、優しさ女らしさが表れていて、彼女の舞台をもっと見てみたいなと思いました。

この舞台を本当に理解するには、私はまだ若いのかもしれません。

「一体狂気とは何だ?
現実のみを追って夢をもたぬのも狂気かもしれぬ。
夢におぼれて現実をみないのも狂気かもしれぬ。
なかでも最も憎むべき狂気は、ありのままの人生に折合をつけて、あるべき姿のために戦わぬことだ」


あるべき姿…
私のあるべき姿とは、どういう姿なのだろう。
舞台のことを思い出すほど、色々な思いが頭の中を巡ります。

今後見るたびに、その時の年齢、その時の自分のあり方によって感じ方が変わる舞台なんじゃないかなと思います。
コメント (5)
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二月花形歌舞伎

2009年02月21日 | 歌舞伎・演劇.・映画
19日(木)、松竹座へ昼の部を見に行ってきました。
玄関にはそれぞれの役者さんの写真が大きく飾られ、お出迎えしてくれました。

毛抜(けぬき)
粂寺弾正…中村獅童  小野春道…片岡愛之助  秦秀太郎…中村勘太郎
錦の前…中村壱太郎  八剣玄蕃…坂東薪車   小野春風…中村亀鶴
秦民部…市川男女蔵  腰元絹巻…市川亀治郎

だいぶ以前に毛抜を見たことがありましたが、私の頭の中で勝手に毛抜の大きさを作り上げてしまってたのか、「あれ?こんなに小さかったかな?」と思ってしまいました。
すんごい大きいのがユサユサと揺れながら立っているのを想像していたので…

しかし、私だけかもしれませんが、獅童さんの弾正、團十郎さんに似てませんでしたか
セリフの言い回しなんて、そっくりのような気がしました。
弾正は、かっこいいだけじゃなく、男にも女にも手を出すというあきれた部分もあり、なかなか可愛らしかったです

亀鶴さん、綺麗な色の衣装がとてもお似合いでした。
荒々しい役も声が良くて素敵ですが、こういうちょっと悲しげな役もホントに良くお似合いです。
この亀鶴さんの春風は、愛之助さん扮する春風の息子だったのですね。
若手だけで、年の差を出すのは難しいですね。

今年は歌舞伎中心の一年になりそうとおっしゃる獅童さん。
獅童さんの歌舞伎をもっと見てみたいです。


鷺娘(さぎむすめ)
鷺の精…中村七之助

もしかしたら寝てしまうかもと危惧していましたが、しっかり楽しませてもらうことができました。
美しい白無垢姿から、次々と可愛らしい姿に変身していき、最後は本来の白鷺の姿になり弱々しく力尽きてしまう七之助くんに釘付けになりました。
踊りの中にちゃんとドラマがあって、今までに見た舞踊の中で一番心に残りました。
今回の演目で一番心に残っています。


女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋与兵衛…片岡愛之助   父徳兵衛…嵐橘三郎
母おさわ…坂東竹三郎      兄太兵衛…中村亀鶴
妹おかち…中村壱太郎      叔父森右衛門…市川男女蔵   
豊嶋屋七左衛門…中村獅童   豊嶋屋女房お吉…市川亀治郎
小栗八弥…中村勘太郎      芸者小菊…中村七之助

まさかここで寝てしまうとは…
途中、うつらうつらとしてしまいました
でも与兵衛とお吉が派手にすってんころりんと転ぶところはしっかり見ました。
本当の油のようにツルツルのようですね。あまりに派手に転ぶから、怪我でもしないかとちょっとヒヤヒヤでした

しかし与兵衛はどうしようもない息子です。
これだけ親が息子のことを思っているのに、それに気づかず、最後は気付いたようですが、それがまた変な方向へ行ってしまい、とりかえしのつかないことに。

亀治郎さんの「まだ死にとうない」の言葉が耳に残っています。
そりゃそうですよ。まだまだ小さい子がいるのですから。

竹三郎さんが出てくると、なんだか一気に舞台が上方になる気がします。
すごい老け役だったから、余計に哀れさを感じました。

花形歌舞伎、若手の挑戦する姿を見て、これからの成長がとても楽しみに思った同年代の観客でした。
コメント (9)
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