この夏、東京国立博物館で特別展「縄文―1万年の美の鼓動」 があったのですが、見に行かれず…せめてもと地元の美術考古館で縄文展を見てきました。
ここは街中にある小さなミュージアム…古くなった考古館を移転して、商店街にあった呉服屋さんだった建物を改装して使っています。通りの街灯は地元出身の童画家、武井武雄のデザインを使っています。
ここに移転開館5周年を記念した特別展の第2弾…第1弾は「火焔と水煙の縄文土器展」でした。第2弾は「恵みを生み出す器展」です。いつもながら、会期ギリギリの駆け込み鑑賞でした…
「縄文中期の顔面把手大集合」とのことで、顔の装飾を施した土器がたくさん展示してありました。
顔は主に女性で、自然の恵みを祈って施されたのではないかとのことです。まずは国の重要文化財に指定されている「顔面把手付深鉢形土器」です。
その他の顔面把手付きの土器たちです。どれも顔面の表情が豊かです!
顔面把手のみのものもありましたが表情がユニークです。
これは「赤い土器」…この赤色は「ベンガラ」だそうです。天然のさまざまな酸化鉄を熱して生み出される顔料とのこと…本当にきれいな赤に染まった土器でした。
地元の遺跡から出土した縄文土器はまだまだあります。
そして最後は…東京国立博物館の「縄文展」で展示された土偶です!これは「第5章 祈りの美、祈りの形」の中で、「ポーズ土偶」として展示されました。地元の目切遺跡からの出土品で縄文中期のものだそうです。
「壺を持つ妊婦土偶」…豊穣と安産を祈願する妊婦さんの土偶です。壺を抱え、腰に手を当てたポーズの完全な姿は国内でただ一点だそうです。これはレプリカ…東博の縄文展は終わったばかりで、戻って来たでしょうか、まだ実物の展示ではありませんでした。