こう物資が豊かな世相になると、いろいろな種類が同等品として増えてくる。で、選択がややこしくなる・・と、話は、まあこうなる。^^ さらに、選択する時間が必要だから、悩んだりして時を費やし、面倒なことになるという寸法だ。^^
正岡は、とある眼鏡店で悩んでいた。欲しかった新しいサングラスを買おう…と、ルンルン気分でやって来たまではよかったのだが、余りの種類の多さに目移りし、どれにしようか…と悩んでいたのである。どれ一つ取っても適合品であることに間違いはなかった。間違いはなかったのだが、適合品の種類が多過ぎるのである。
「お客様、コレなんか、よくお似合いになられると思いますが…」
店員が笑顔で、適合品のサングラスの一つを勧めた。
「どれどれ…」
正岡は何げなくそのサングラスを店員から受け取ると、装着して鏡に自分の顔を映し見た。
「…似合うかな?」
「ええええ、そりゃ~~もうっ!」
取って付けたような店員の返答だったが、正岡としては、言われて気分の悪かろうはずがない。
「ははは…そうかいっ!? じゃあまあ、コレにするかっ!」
「有難うございますっ!」
笑顔で店員は返したが、内心は、よくもまあ、こんな似合わないのを買うよ…だった。しかし、そんなことを客に言える訳もなく、笑顔で暈(ぼか)した。
適合品ならどれでもいい訳ですが、種類が多い昨今の世相は、選択時間の無駄が出て困りものですよね。^^
完