生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

ノーマライゼーションと雁の群れ

2016-08-05 01:58:36 | 日々の暮らし
昔よく見た雁(かり)の群れを最近見ませんね。

雁は何故V字型の編隊を組んで飛んでいくのでしょうか。
それは、一羽で飛ぶよりも7割も遠くまで飛べるからです。

前の雁が羽ばたくと、上昇気流を作り出すからで、

後続の雁は楽に飛ぶことができるからです。

後ろの雁はガーガー鳴いて前の雁を励まします。

先頭の雁は疲れると、最後尾に回って別の雁と交代する。

群れの一羽が病気やケガで脱落すると、二羽の雁が助けるために付き添って地上に降ります。

この二羽は、脱落した雁が回復するか、死ぬまで一緒にいて、その後は新しい群れに加わるか、独自の編隊を作って先のグループに追いつくのだそうです。

そこで、思い出したこと。
バンク・ミケルセンのノーマライゼーションです。

彼はナチスの捕虜収容所にいました。

動物より悪い扱いだったといいます。

戦争が終わり、収容所から出たミケルセンは世界一身体障害者施設が進んでいるという母国デンマークの施設を見学に行きました。

3万坪の敷地に点々と建っている家。
隣まで行くのに15分かかる。
窓から海が見える景色を自慢する案内人に、
彼はアウシュビッツよりひどいと言ったのです。

隔離された家、
鉄格子の窓、
一人で過ごす孤独感。

隔離するのでなく、
障害者、高齢者、健常者が分け隔てなく同じように社会参加して、活動できるようにする脱施設化をノーマライゼーションと呼んで、
社会福祉理念を構築しました。

障害者、高齢者を差別するのではなく、自宅やグループホームで今までと同じノーマルに近い地域生活を提供することにより、

本人のQOL(生活の質)の向上になる。

このようなバリアフリーの考えができたのです。

それに近づいているのでしょうか。

二羽の雁のように脱落した雁に付き添ってあげている状況よりも、

たくさんの脱落者に、
数人が付き添っているだけですから限界があります。

雁の群れから

福祉現場を考えてしまいました。

生活地域にグループホームがたくさんできると良いのでしょうね。

それと、働く介護者もたくさんいる。

さあ、今日も

一生懸命

生きましょう!

合掌
コメント
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