「この世にいる間にせめて、怨みつらみや執着や欲望を浄化しておかなければと私は思っている。」
(佐藤愛子)
私は欲望が難題です。
お金ではなく、神やあなたの愛が欲しくて。
百人一首の中から、悲しい人生を送った若者にしんみりさせられました。
20才過ぎで亡くなった
美男薄命の藤原義孝(よしたか)です。
一人の想い続けてきた、女性と初めて一夜をともにした日の翌朝、女性に向けて詠んだ歌
「君がため
惜(を)しからざり し命さへ
長くもがなと
思ひけるかな」
あなたに逢うためなら
どうなっても惜しくはない命だと思っていましたがその願いが叶った今となっては、少しでも長くあなたとともに生きたいと思うようになったよ。
しかし、当時のはやり
病いの天然痘(てんねんとう)になって、同じ日に兄と共に亡くなってしまったのです。
一度に二人を亡くし悲しむ母に、この世に帰って、仏教で習った
法華経を読んであげた
いといって亡くなった
といいます。
しかし、側近達も慌てていたのでしょう。
彼の亡骸を、北枕にしてしまったので、この世に帰ってくることができなかったといいます。
恋しい人との悲しい別れはいつの世にもあるものですね。
あの世できっと結ばれていると思います。