家は築43年になる。
当時の夏、八畳六畳の続き間にエアコンは無かった。
縁側の南側は網戸、部屋は葦簾障子に囲われていた。
北側の玄関は開け放たれていた。
風が通るので涼しかった。
畳の部屋にエアコンを入れたのは15年ほど前。
独り住まいだった義理の母が病気になった。
『家に来てもらおう』
義理の弟の決断を待つことなくエアコンを入れた。
結局、義理の母は病気療養の出来る施設に入所した。
エアコンは一見無駄になった。
仏間としても利用する部屋は、お盆の時だけエアコンが活躍した。
しかし、その後孫の誕生で前後2ヶ月弱娘が利用した。
七年前、妻が大病を患い六畳間を病室にした。
二階の寝室まで上がる気力もなかったから。
エアコンは大活躍することになった。
孫の誕生時は加湿·除湿が出来る空気清浄機も導入した。
勿論可動式ベッドも付いている。
一旦快癒した妻が、三年前再発してこの部屋を自分の部屋にして以来、妻の部屋となった。
暑さも四十年前とは違う。
世の中も世情不安で、玄関は施錠したまま。
病室では葦簾障子も使えない。
この四十年余りで世の中は様変わりしてしまった。
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