サッカーワールドカップが無事終わった。
アラブ圏での初めての開催でずいぶん心配していた。
その心配も杞憂で終わった感がある。
心配の内容は女性の扱いと暑さ対策。
女性の扱いは表面上問題は無かったようだ。
今回から初めて女性の審判が採用された。
服装がどうなるか心配していたが、全く変わらなかった。
王国だから王の一声でどうにでもなるのだろうか。
女性の観客も特別な制限があるようには見えなかった。
ビールは高かったようだが、それも許可された。
一方、暑さ対策は強力なエアコンで対応できたようだ。
もっとも、開催時期を大幅に変更したのだからそれも成功の一因だ。
と、表面上は全てが成功裏に終わった。
優勝チームもアルゼンチンで、メッシが有終の美に輝いた。
全てが成功したと言いたいのだが、見逃してはいけないこともある。
一つは会場作りに利用された多くの外国人労働者。
開催前にほとんどが自国に強制送還された。
しかも、一部の労働者には賃金が支払われなかったという。
明らかに捨て駒として利用されたのだ。
否、捨て駒以下かも知れない。
エアコンも大いなる無駄である。
オープンな会場でピッチを冷やしたというのだから驚きだ。
冷気は下に沈むのだからある意味合理的なのかも知れないが。
とんでもないエネルギーの無駄遣いはあったに違いない。
今回の大会がカタールという国の改革に繋がれば良い。
イスラム教国家の改革に繋がれば良い。
民主国家が生まれれば良い。
そんな中で、イランの選手問題もある。
イランは3ヶ月間デモが続いている。
女性の人権問題を発端に国民が怒り、その怒りがデモに発展した。
その抗議に賛同した選手達は最初の試合で国歌を歌わなかった。
イラン国家は圧力をかけて、2試合目には国歌を歌ったように見えた。
ワールドカップには政治を持ち込まないというルールはある。
しかしこれも、基本的人権のルールに勝るはずも無い。
イスラム教国家の多くは今もって基本的人権が無い。
イスラム教の教えを逆手にとって、勝手な解釈をする為政者。
アラブ諸国はたまたまオイルマネーで裕福になった。
けれども国全体が裕福になったわけでは無い。
一部の王族や資本家だけが裕福の恩恵を授かっただけだ。
差別はあるし、貧困もある。
今回のワールドカップを通して、良い方向の変化が有ると良いのだが。
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