2021年9月2日 13時28分 東京新聞
東京・池袋で2019年4月、乗用車が暴走し、松永真菜さん=当時(31)=と長女莉子ちゃん=当時(3)=が死亡した事故の刑事裁判は2日午後2時から、東京地裁で判決が言い渡される。自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、禁錮7年を求刑された飯塚幸三被告(90)にどのような判決が出されるのか。判決の内容や法廷の様子を速報する。
11時20分 傍聴券求め563人、倍率25倍
雨の中、地裁には傍聴の整理券を求める長い行列ができた。裁判所によると、整理券563枚を配布し、倍率は約25倍となった。
飯塚幸三被告は、運転ミスはなく、車の不具合が原因として無罪を主張している。検察側は車に異常はなかったと主張し、飯塚被告がブレーキと間違え、アクセルを踏み続けて事故を起こしたとして、禁錮7年を求刑している。
13時15分 松永拓也さんら遺族が東京地裁へ
松永真菜さんの夫の松永拓也さん(35)や、父の上原義教さん(64)が東京地裁に入った。拓也さんの手には、晴れ着姿の真菜さんと莉子ちゃんの遺影。拓也さんと上原さんは終始、伏し目がちで厳しい目つきのまま地裁の門をくぐった。
14時00分 飯塚被告に禁錮5年の実刑
下津健司裁判長が飯塚幸三被告に禁錮5年の実刑判決を言い渡した。車いすのまま証言台に入った飯塚被告は、判決言い渡し前の氏名の確認に「はい」と大きく、はっきりとした口調で返事をした。実刑が言い渡された瞬間には、身じろぎする様子はなかった。飯塚被告の額の右端には茶色いあざがあり、ばんそうこうが貼られていた。
14時10分 踏み間違えと認定
裁判長は、被告がブレーキと間違えてアクセルを踏み続けたことを認定した。「過失がある」と述べた。
弁護側は、車の何らかの異常で暴走したため、ブレーキとアクセル踏み間違えたわけではないと主張していた。飯塚被告はうつむき加減で、じっとした様子だった。
松永拓也さんは時折、眉間に深いしわを寄せ、目をつぶり手を当てていた。
警察の調べでは、被告の車が2人の自転車と衝突したときに、推定で平均速度で時速96キロに加速していたとしていた。弁護側は警察の調べに信用性がないと主張していたが、裁判所はドライブレコーダーの映像や防犯カメラ、現場での測量などから「特段の問題はない」と判断した。
東京・池袋の暴走事故 90歳の飯塚幸三被告に禁錮5年の実刑判決
【速報】池袋暴走事故・旧通産省元幹部に禁錮5年の実刑判決 東京地裁
おととし、東京・池袋で親子を含む11人が死傷した事故の裁判で、東京地裁は、旧通産省工業技術院の元院長で90歳の飯塚幸三被告に、禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。