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コラム
コリン・ジョイス Edge of Europe
2017年04月21日(金)10時40分
<6月の総選挙で、保守党は期待したほど議席数を伸ばせないだろう。労働党はボロ負けして、それでもコービンが党首にとどまれば、主流派の議員が分裂して新党を結成するかもしれない>
要約
2011年、総選挙を5年ごとに行うとの法律が定められた。この法律は、与党が5年「以内」の自党に最も有利な時期に総選挙を行う、という既存のシステムに取って代わることになった。
今回の総選挙前倒しの理由は十分過ぎるくらい明らかだ。まず、保守党は世論調査でこんなにも見事なリードを保っているから、今すぐ選挙をして成果を得たいとの欲求にあらがえないこと。2つめはテリーザ・メイは総選挙を経て選ばれた首相ではない。総選挙で勝利を収めれば、彼女に正当性が与えられるだろう。
そして3つ目に、メイには総選挙を行うもっともらしい口実がある。メイが進めるブレグジット(イギリスのEU離脱)の交渉プランへの後押しを得て、交渉手続きを前に進めるためだ。
労働党はボロ負けするだろう。だが選挙で悲惨な支持率がちょっとでもあがり、あと5年で信頼をとりもどせれば。
スコットランド民主党は、イギリスは総選挙を行えるのに、自分たちは2度目の独立是非を問う住民投票を行えないと怒るだろう。
イギリス独立党はブレグジッドの先導を保守党に奪われ推進力を失うだろう。
どんな結果になるか見てみよう。