これは我が家の立ち往生をよく表わしている。
「これは、なに?」
「錆びたベランダの鉄柵。」
「では、解決したら?」
「ああ、ペンキ屋さんに頼めば塗り替えてくれる。
でもね、それだけでは解決にはならないんだよ。他にもたくさん修理しなければならないところが出ている。たとえば水道管なんかも。ここだけ投資してもどのくらい価値があるだろうか?水道管は、もう2か所も錆で破裂して水がふきあがった。幸い屋外だったからどうにかなったけど、いつ家の壁の中で破裂するか分からない。それに27年も経つと中に住んでいる人間の生活形態に間取りがあわず、使いづらいたらありゃしない。あちこち修理するより間取りを替えた方がいい」
「ふーん。じゃあ、替えたら?」
「でも、中に住んでいる人の生活の今後がなかなか決まらないんだよ。それにもう前のように体力がないし不況だから以前みたいに稼げないのは、火をみるより明らかだ。間取り替えるのもムリかも。」
「じゃー、どうすんのよ?鉄柵、錆びて穴が開くよ」
「開いたら開いたでどうにかなるでしょう。
いやー 我が家の立ち往生の見事な表現として、これ以上のものはちょっとないね。見事な錆だよ」
ああああ。