URUK NEWS イラク情勢ニュース (転送・紹介歓迎)
□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
――――――――――――――――――――――――――――――――――
2008/03/28 (金)
[飛耳長目録 today's news list]
☆イラクをめぐる最新ニュース/ヘッドライン
・レジスタンス・レポート 3月25日付~27日付
・イラク各地で米軍空襲、多数が死亡
☆イラク政府軍とマフディ軍の衝突 2008/03/28
--------------------------------------------------------------------
☆★イラクをめぐる最新ニュース・ヘッドライン 2008/03/28
--------------------------------------------------------------------
1)
Iraqi Resistance Report for events of Thursday, 27 March 2008
イラク・レジスタンス・レポート 2008年3月27日付
http://www.albasrah.net/en_articles_2008/0308/iraqiresistancereport_270308.htm
◆マフディ軍と米・イラク軍の間でバグダッドで戦闘が続く
◆またもグリーンゾーンに砲撃
◆米軍がサドル地区を封鎖、攻勢を強める
◆グリーンゾーンへの砲撃で米兵1人、米民間人2人死亡
◆西バグダッドで米兵死亡、米軍が確認
◆米軍ヘリがヒッラを空襲、60人死亡
◆マフディ軍民兵がカルマ橋を破壊、バスラへの補給断つ
◆サドル運動が交渉求める、マリキ首相は交渉を拒否
◆バスラ南西で石油パイプライン破壊される
◆イギリス政府がイギリス兵1人死亡を確認
◆内務省が治安部隊に本気で戦えと督励、さもなくばクビ
2)
Iraqi Resistance Report for events of Wednesday, 26 March 2008
イラク・レジスタンス・レポート 2008年3月26日付
http://www.albasrah.net/en_articles_2008/0308/iraqiresistancereport_260308.htm
◆バグダッドの戦闘で米兵死亡、米軍が確認
◆サドルがマリキ首相にバスラ撤退を求める、死者55人◆米軍に支援されたサ
ドル地区攻撃で14人死亡
◆バグダッドの銃撃戦で米兵死亡、米軍が認める
◆迫撃弾がグリーンゾーンに着弾、米国人3人死亡
◆米軍がティクリートの住宅街を攻撃、5人死亡
◆ドルイヤ:25日夜の米軍空襲で40人死亡
◆バスラ: 38人死亡、134人負傷とイラク政府が発表
イギリス軍の飛行機がマフディ軍への攻撃に参加
3)
Iraqi Resistance Report for events of Tuesday, 25 March 2008
イラク・レジスタンス・レポート 2008年3月25日付
http://www.albasrah.net/en_articles_2008/0308/iraqiresistancereport_250308.htm
◆バグダッド南西で米軍がマフディ軍と戦闘
◆米・イラク軍が南部4州に外出禁止令
◆迫撃弾がグリーンゾーンに
米・イラク軍のマフディ軍攻撃が本格化
◆キルクーク: クルド分離主義者が民族浄化作戦を開始
◆バスラ: 米・イラク軍のマフディ軍攻撃で33人以上死亡
◆米・イラク軍の作戦はバスラからマフディ軍排除を狙う
4)
US air raid in Iraq: many dead
イラク各地で米軍空襲、多数が死亡
http://www.avionews.com/index.php?corpo=see_news_home.php&news_id=1087549&pagina_chiamante=index.php
米軍がイラク各地で空襲をおこなっている。特にサダム・フセイン大統領の出
身地に近いティクリート近郊では、報道によると、米軍空襲で40人のゲリラが
殺された。そのほかにも、ゲリラの仲間とされて、ひじょうに多くの一般市民が
死亡または負傷した。
5)
Scores killed and wounded by U.S. strike on Iraqi town
ヒッラへの米軍空襲で数十人が死傷
http://www.albawaba.com/en/countries/Iraq/224465
バグダッドの南にあるヒッラでは、26日、イラク軍の要請を受けた米軍の空
襲で、多数の死傷者が出た。ロイター通信によると、米軍は空襲したことを認め
たが、どれだけの死者が出たかを確認しなかった。警察関係者によると、11人
以上が死亡、18人以上が負傷した。別の警察関係者は、1時間続いた空襲で6
軒の民家が破壊され、29人死亡、39人負傷と語った。
--------------------------------------------------------------------
☆★イラク政府軍とマフディ軍の衝突
イラク情勢ニュース 速報&コメント 3月28日
--------------------------------------------------------------------
米軍の支援を受けたイラク政府軍とマフディ軍の衝突が3日目に入った昨日(
27日、木曜日)、バスラでは数分おきに爆発音が市内に鳴り響いた。この戦闘
で死者50人、負傷者300人以上と推計されているが、正確な数字は把握でき
る状況にない。
バスラ市民の話では、27日は市内の商店も経済活動の鎖されてしまった。市
民は外出できず、清潔な飲料水や食料品も入手できない危機的状況も始まってい
るなかで、原因不明の下痢(げり)が市内の一部に広がり、病院の近くに住む者
は外出禁止の規制をくぐり抜けるように徒歩で病院に行くが、病院に通えない者
の方が多い。また戦闘地域では、要請があっても救急車が出動できない状況にな
っている。戦闘中の両陣営はいずれの側も救急車を安全に通さないからだ。
※アルジャジーラ(英語版)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/303FAF6B-AA73-49DB-838E-4B83D9C9B1A6.htm
マフディ軍の指導者ムクタダ・サドルとサドル運動は、最近では米軍・イラク
軍との停戦延長を昨年から繰り返してきたが、その停戦を一方的に保護にする形
でイラク政府と米軍はサドル運動とマフディ軍の摘発・排除を開始した。それは
バグダッド、カルバラ、ナジャフなど各地で一斉に始まったが、23日にグリー
ンゾーンに多数の迫撃弾が撃ち込まれてから軍事行動がエスカレートし、特にバ
スラではマリキ首相自身が視察に出向いたなかで、イラク軍が2000人の特別
治安部隊をバスラに派遣し、マフディ軍への攻撃をおこなっている。
米軍側からの発表とそれに追随する米欧メディアの報道は、イラク軍がシーア
派民兵の鎮圧に乗り出したとして、これを「増派作戦の成果の一環」として歓迎
するものとなっている。だが、それほど単純でおめでたい話ではないだろう。
※IHT: ブッシュはバスラ作戦を称賛
http://www.iht.com/articles/reuters/2008/03/27/africa/OUKWD-UK-IRAQ-USA-BUSH.php
バスラでは昨年9月にイギリス軍が市内から撤退し、残る駐留部隊も郊外のバ
スラ空港に引き揚げて、治安権限を「イラク」側に委譲した。それ以前から、豊
富な油田地帯を抱えるバスラでは、ハキムが率いるイスラム最高評議会(および
バドル旅団)と、それよりは小さいが現地勢力であるファディラ党、そしてサド
ル運動(およびマフディ軍)のあいだで、主導権をめぐる争いが常態化してきた
。いずれもシーア派である。
それは三者間の抗争にとどまらず、イランの直接的な影響による一般市民への
攻撃も加わって、住民は多大な被害をこうむってきたが、バスラとバグダッド政
府の当局者はそれを無視ないし容認してきたのである。
※バスラの治安をめぐり抗議が高まる
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan/view/20080314/1205462098
問題を整頓すると、まず、マフディ軍を抑えることに成功しても、それは一般
市民が求めている安全を保証するものでないことは確認しておく必要がある。
次に、論理的に考えても、「イラク政府軍が民兵の鎮圧に乗り出して成功しつ
つある」というのなら、それまでイギリス軍がしてきたことは何だったのか、何
もしてこなかったことを認めるのか、ということになる。
ここには基本政策の転換があって、マリキ首相が直接バスラに出向いたことは
、イラク政府と米軍が直接、バスラへの支配に乗り出したという意味に受け止め
るのが順当だろう。そして、それはアフマディネジャド大統領(イラン)が「歴
史的なイラク訪問」をおこなったさいに、アメリカとの合意ができていたとみら
れる。
ロンドンに拠点を置くアラブ・オンライン紙は、イラクを訪問したアフマディ
ネジャドはイラク情勢の安定(つまり彼らによる安定支配)をイラク政府とアメ
リカに呼びかけ、アメリカとの秘密協定において、有志連合軍のイラク駐留を認
めた国連決議の期限が切れたあとも米軍がイラクに長期駐留すること(米軍の恒
久基地建設を含む)を認めたと報道した。
※ アラブ・オンライン
http://www.alarabonline.org/index.asp?fname=%5C2008%5C03%5C03-21%5C988.htm&dismode=cx&ts=21/03/2008%2006:11:07%20%D5
※ Roads to Iraq
http://www.roadstoiraq.com/2008/03/26/the-secret-american-iranian-security-deal-in-iraq-and-how-this-connected-to-mccain%e2%80%99s-visit-to-israel/
バグダッドのサドル地区で、昨日、サドルを支持する市民が数万規模のデモを
行ってサドルは弾圧に抗議したのに対し、マリキ首相は「重大な決意をもって」
この戦いを始めたのあり、「最後まで戦う」と宣言した。4年前のマフディ軍と
米・イラク軍の衝突時と違って、これを調停しようとする動きはイラク政府・議
会内に見受けられない。
ブッシュ大統領もつい先月までは、昨年8月末からのマフディ軍との停戦を「
イラクの治安情勢改善」の一つの証としてきたわけだから、方針転換がなければ
今回のマフディ軍攻撃はありえなかったはずだ。
また、これまでイランにさまざまな「警告」をおこなってきた米国側からも、
イランと国境を接する重要油田地帯での武力衝突であるにもかかわらず、イラン
を警戒するコメントが強調されないことも、アメリカとイランの合意が既にある
からだろう。
この合意には、マフディ軍への力ずくの攻撃も含めて、その後イラクを訪問し
た米共和党の大統領候補マケイン氏も関与していると見るべきだろう。一昨年末
、アメリカの超党派グループがイラク政策の転換をブッシュ大統領に提言したさ
い、いったんはそれを受け入れるかに見えたブッシュ大統領が、決断を翌年(2
007年1月)に先送りしてイラクへの米軍増派をおこなった。
当時も現在も、米軍増派作戦を最も支持し擁護しているのがマケイン上院議員
であり、すでに大統領としては死に体となっているブッシュ大統領としては、イ
ラク政策で強硬論を掲げる共和党の次期大統領候補だけが支えとなっている観が
ある。
他方、バスラでの戦闘のかげで、イラク各地に米軍が空襲をおこなっているこ
とも見逃してはならない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
※URUK NEWS イラク情勢ニュース (webサイト)
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html
メーリング・リストへの参加・退会手続きはここでもできます
※イラク・レジスタンス・レポート
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
――――――――――――――――――――――――――――――――――
□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
――――――――――――――――――――――――――――――――――
2008/03/28 (金)
[飛耳長目録 today's news list]
☆イラクをめぐる最新ニュース/ヘッドライン
・レジスタンス・レポート 3月25日付~27日付
・イラク各地で米軍空襲、多数が死亡
☆イラク政府軍とマフディ軍の衝突 2008/03/28
--------------------------------------------------------------------
☆★イラクをめぐる最新ニュース・ヘッドライン 2008/03/28
--------------------------------------------------------------------
1)
Iraqi Resistance Report for events of Thursday, 27 March 2008
イラク・レジスタンス・レポート 2008年3月27日付
http://www.albasrah.net/en_articles_2008/0308/iraqiresistancereport_270308.htm
◆マフディ軍と米・イラク軍の間でバグダッドで戦闘が続く
◆またもグリーンゾーンに砲撃
◆米軍がサドル地区を封鎖、攻勢を強める
◆グリーンゾーンへの砲撃で米兵1人、米民間人2人死亡
◆西バグダッドで米兵死亡、米軍が確認
◆米軍ヘリがヒッラを空襲、60人死亡
◆マフディ軍民兵がカルマ橋を破壊、バスラへの補給断つ
◆サドル運動が交渉求める、マリキ首相は交渉を拒否
◆バスラ南西で石油パイプライン破壊される
◆イギリス政府がイギリス兵1人死亡を確認
◆内務省が治安部隊に本気で戦えと督励、さもなくばクビ
2)
Iraqi Resistance Report for events of Wednesday, 26 March 2008
イラク・レジスタンス・レポート 2008年3月26日付
http://www.albasrah.net/en_articles_2008/0308/iraqiresistancereport_260308.htm
◆バグダッドの戦闘で米兵死亡、米軍が確認
◆サドルがマリキ首相にバスラ撤退を求める、死者55人◆米軍に支援されたサ
ドル地区攻撃で14人死亡
◆バグダッドの銃撃戦で米兵死亡、米軍が認める
◆迫撃弾がグリーンゾーンに着弾、米国人3人死亡
◆米軍がティクリートの住宅街を攻撃、5人死亡
◆ドルイヤ:25日夜の米軍空襲で40人死亡
◆バスラ: 38人死亡、134人負傷とイラク政府が発表
イギリス軍の飛行機がマフディ軍への攻撃に参加
3)
Iraqi Resistance Report for events of Tuesday, 25 March 2008
イラク・レジスタンス・レポート 2008年3月25日付
http://www.albasrah.net/en_articles_2008/0308/iraqiresistancereport_250308.htm
◆バグダッド南西で米軍がマフディ軍と戦闘
◆米・イラク軍が南部4州に外出禁止令
◆迫撃弾がグリーンゾーンに
米・イラク軍のマフディ軍攻撃が本格化
◆キルクーク: クルド分離主義者が民族浄化作戦を開始
◆バスラ: 米・イラク軍のマフディ軍攻撃で33人以上死亡
◆米・イラク軍の作戦はバスラからマフディ軍排除を狙う
4)
US air raid in Iraq: many dead
イラク各地で米軍空襲、多数が死亡
http://www.avionews.com/index.php?corpo=see_news_home.php&news_id=1087549&pagina_chiamante=index.php
米軍がイラク各地で空襲をおこなっている。特にサダム・フセイン大統領の出
身地に近いティクリート近郊では、報道によると、米軍空襲で40人のゲリラが
殺された。そのほかにも、ゲリラの仲間とされて、ひじょうに多くの一般市民が
死亡または負傷した。
5)
Scores killed and wounded by U.S. strike on Iraqi town
ヒッラへの米軍空襲で数十人が死傷
http://www.albawaba.com/en/countries/Iraq/224465
バグダッドの南にあるヒッラでは、26日、イラク軍の要請を受けた米軍の空
襲で、多数の死傷者が出た。ロイター通信によると、米軍は空襲したことを認め
たが、どれだけの死者が出たかを確認しなかった。警察関係者によると、11人
以上が死亡、18人以上が負傷した。別の警察関係者は、1時間続いた空襲で6
軒の民家が破壊され、29人死亡、39人負傷と語った。
--------------------------------------------------------------------
☆★イラク政府軍とマフディ軍の衝突
イラク情勢ニュース 速報&コメント 3月28日
--------------------------------------------------------------------
米軍の支援を受けたイラク政府軍とマフディ軍の衝突が3日目に入った昨日(
27日、木曜日)、バスラでは数分おきに爆発音が市内に鳴り響いた。この戦闘
で死者50人、負傷者300人以上と推計されているが、正確な数字は把握でき
る状況にない。
バスラ市民の話では、27日は市内の商店も経済活動の鎖されてしまった。市
民は外出できず、清潔な飲料水や食料品も入手できない危機的状況も始まってい
るなかで、原因不明の下痢(げり)が市内の一部に広がり、病院の近くに住む者
は外出禁止の規制をくぐり抜けるように徒歩で病院に行くが、病院に通えない者
の方が多い。また戦闘地域では、要請があっても救急車が出動できない状況にな
っている。戦闘中の両陣営はいずれの側も救急車を安全に通さないからだ。
※アルジャジーラ(英語版)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/303FAF6B-AA73-49DB-838E-4B83D9C9B1A6.htm
マフディ軍の指導者ムクタダ・サドルとサドル運動は、最近では米軍・イラク
軍との停戦延長を昨年から繰り返してきたが、その停戦を一方的に保護にする形
でイラク政府と米軍はサドル運動とマフディ軍の摘発・排除を開始した。それは
バグダッド、カルバラ、ナジャフなど各地で一斉に始まったが、23日にグリー
ンゾーンに多数の迫撃弾が撃ち込まれてから軍事行動がエスカレートし、特にバ
スラではマリキ首相自身が視察に出向いたなかで、イラク軍が2000人の特別
治安部隊をバスラに派遣し、マフディ軍への攻撃をおこなっている。
米軍側からの発表とそれに追随する米欧メディアの報道は、イラク軍がシーア
派民兵の鎮圧に乗り出したとして、これを「増派作戦の成果の一環」として歓迎
するものとなっている。だが、それほど単純でおめでたい話ではないだろう。
※IHT: ブッシュはバスラ作戦を称賛
http://www.iht.com/articles/reuters/2008/03/27/africa/OUKWD-UK-IRAQ-USA-BUSH.php
バスラでは昨年9月にイギリス軍が市内から撤退し、残る駐留部隊も郊外のバ
スラ空港に引き揚げて、治安権限を「イラク」側に委譲した。それ以前から、豊
富な油田地帯を抱えるバスラでは、ハキムが率いるイスラム最高評議会(および
バドル旅団)と、それよりは小さいが現地勢力であるファディラ党、そしてサド
ル運動(およびマフディ軍)のあいだで、主導権をめぐる争いが常態化してきた
。いずれもシーア派である。
それは三者間の抗争にとどまらず、イランの直接的な影響による一般市民への
攻撃も加わって、住民は多大な被害をこうむってきたが、バスラとバグダッド政
府の当局者はそれを無視ないし容認してきたのである。
※バスラの治安をめぐり抗議が高まる
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan/view/20080314/1205462098
問題を整頓すると、まず、マフディ軍を抑えることに成功しても、それは一般
市民が求めている安全を保証するものでないことは確認しておく必要がある。
次に、論理的に考えても、「イラク政府軍が民兵の鎮圧に乗り出して成功しつ
つある」というのなら、それまでイギリス軍がしてきたことは何だったのか、何
もしてこなかったことを認めるのか、ということになる。
ここには基本政策の転換があって、マリキ首相が直接バスラに出向いたことは
、イラク政府と米軍が直接、バスラへの支配に乗り出したという意味に受け止め
るのが順当だろう。そして、それはアフマディネジャド大統領(イラン)が「歴
史的なイラク訪問」をおこなったさいに、アメリカとの合意ができていたとみら
れる。
ロンドンに拠点を置くアラブ・オンライン紙は、イラクを訪問したアフマディ
ネジャドはイラク情勢の安定(つまり彼らによる安定支配)をイラク政府とアメ
リカに呼びかけ、アメリカとの秘密協定において、有志連合軍のイラク駐留を認
めた国連決議の期限が切れたあとも米軍がイラクに長期駐留すること(米軍の恒
久基地建設を含む)を認めたと報道した。
※ アラブ・オンライン
http://www.alarabonline.org/index.asp?fname=%5C2008%5C03%5C03-21%5C988.htm&dismode=cx&ts=21/03/2008%2006:11:07%20%D5
※ Roads to Iraq
http://www.roadstoiraq.com/2008/03/26/the-secret-american-iranian-security-deal-in-iraq-and-how-this-connected-to-mccain%e2%80%99s-visit-to-israel/
バグダッドのサドル地区で、昨日、サドルを支持する市民が数万規模のデモを
行ってサドルは弾圧に抗議したのに対し、マリキ首相は「重大な決意をもって」
この戦いを始めたのあり、「最後まで戦う」と宣言した。4年前のマフディ軍と
米・イラク軍の衝突時と違って、これを調停しようとする動きはイラク政府・議
会内に見受けられない。
ブッシュ大統領もつい先月までは、昨年8月末からのマフディ軍との停戦を「
イラクの治安情勢改善」の一つの証としてきたわけだから、方針転換がなければ
今回のマフディ軍攻撃はありえなかったはずだ。
また、これまでイランにさまざまな「警告」をおこなってきた米国側からも、
イランと国境を接する重要油田地帯での武力衝突であるにもかかわらず、イラン
を警戒するコメントが強調されないことも、アメリカとイランの合意が既にある
からだろう。
この合意には、マフディ軍への力ずくの攻撃も含めて、その後イラクを訪問し
た米共和党の大統領候補マケイン氏も関与していると見るべきだろう。一昨年末
、アメリカの超党派グループがイラク政策の転換をブッシュ大統領に提言したさ
い、いったんはそれを受け入れるかに見えたブッシュ大統領が、決断を翌年(2
007年1月)に先送りしてイラクへの米軍増派をおこなった。
当時も現在も、米軍増派作戦を最も支持し擁護しているのがマケイン上院議員
であり、すでに大統領としては死に体となっているブッシュ大統領としては、イ
ラク政策で強硬論を掲げる共和党の次期大統領候補だけが支えとなっている観が
ある。
他方、バスラでの戦闘のかげで、イラク各地に米軍が空襲をおこなっているこ
とも見逃してはならない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
※URUK NEWS イラク情勢ニュース (webサイト)
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html
メーリング・リストへの参加・退会手続きはここでもできます
※イラク・レジスタンス・レポート
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
――――――――――――――――――――――――――――――――――