とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『誰か「戦前」を知らないか』 山本夏彦

2007年06月12日 07時56分28秒 | 読書感想
 (写真は、裏庭に咲いた、6月の梅の花です。たくさんの梅の種類があるのですね。ついに名まえをわりだせず。これは、洋風のサクランボになります。)

 ただいま、やっと落ち着き、山本夏彦の『誰か「戦前」を知らないか』という新書をぱらめくりし、肩ならしをしています。(古本で一円でした)
 
 まだ最初の部分しか読んでいませんが、大人は、誰もアメリカと戦争をする羽目になるとは、思ってもいなかったようです。

p14
《山本: 国力が比較にならない。日米開戦の昭和十六年は満州事変以来すでに十年たっている。この上アメリカと戦争するなんて出来っこないと、軍国少年はいざ知らず、大人は思っていた。大衆は戦さに倦んでいた。日清日露、くだって満州事変だって一年余りで終わっている。

--大衆は賢かったんですか?

山本: 賢くないこと今と同じです。ただこの上戦争する力がないことだけはよく知っていた。軍人だって知っていた。

--知っててどうして?

 山本: 「ハル・ノート」のせいです。日本軍は中国から全面撤退すべし、蒋介石政権以外は認めないというハル・ノートは日本への最後通牃、宣戦布告ですよ。政府はそれを国民に隠して発表しなかった。発表すれば、世論は開戦はやむを得ないと承知したでしょう。

ーーなぜ発表しなかったんですか。

 山本: そんなこと知りませんよ (以下 略)》

 山本: もう一人の山本さん、山本七平さんは十二月八日の開戦の日、二階で寝ていたら下からドンドン天井をつつかれて「オイはじまったぞ戦争が」と言われて「えっ、どことどこが」と聞いたそうです。七平さんはインテリだよ。そのインテリだって「まさか」と思っていた。あとは推して知るべし。

ーーそれじゃ終戦は喜んだのですか。

 山本: ほっとした。玉音放送は録音が悪くて雑音だらけだったが、北方でも南方でも直ちに武装解除したのは、終戦を待ち望んでいたからです。のどまで出かかっていたから、「耐エガタキヲ耐え、忍ビガタキヲ忍び」だけで分かったのです。分かりたいことは分かるのです。

ーー私たちの教わったのとはだいぶ違いますね。

 山本: 戦前を語るのはかくの如く難しい。(以下 略)》

ああ、山本夏彦らしいですね。このあと、話はどうなることやら.......「誰か」最後まで読まないか!


 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今度は、こっちが同時多発テロ | トップ | ハル・ノート »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書感想」カテゴリの最新記事