
(写真は、裏庭に咲いた、6月の梅の花です。たくさんの梅の種類があるのですね。ついに名まえをわりだせず。これは、洋風のサクランボになります。)
ただいま、やっと落ち着き、山本夏彦の『誰か「戦前」を知らないか』という新書をぱらめくりし、肩ならしをしています。(古本で一円でした)
まだ最初の部分しか読んでいませんが、大人は、誰もアメリカと戦争をする羽目になるとは、思ってもいなかったようです。
p14
《山本: 国力が比較にならない。日米開戦の昭和十六年は満州事変以来すでに十年たっている。この上アメリカと戦争するなんて出来っこないと、軍国少年はいざ知らず、大人は思っていた。大衆は戦さに倦んでいた。日清日露、くだって満州事変だって一年余りで終わっている。
--大衆は賢かったんですか?
山本: 賢くないこと今と同じです。ただこの上戦争する力がないことだけはよく知っていた。軍人だって知っていた。
--知っててどうして?
山本: 「ハル・ノート」のせいです。日本軍は中国から全面撤退すべし、蒋介石政権以外は認めないというハル・ノートは日本への最後通牃、宣戦布告ですよ。政府はそれを国民に隠して発表しなかった。発表すれば、世論は開戦はやむを得ないと承知したでしょう。
ーーなぜ発表しなかったんですか。
山本: そんなこと知りませんよ (以下 略)》
山本: もう一人の山本さん、山本七平さんは十二月八日の開戦の日、二階で寝ていたら下からドンドン天井をつつかれて「オイはじまったぞ戦争が」と言われて「えっ、どことどこが」と聞いたそうです。七平さんはインテリだよ。そのインテリだって「まさか」と思っていた。あとは推して知るべし。
ーーそれじゃ終戦は喜んだのですか。
山本: ほっとした。玉音放送は録音が悪くて雑音だらけだったが、北方でも南方でも直ちに武装解除したのは、終戦を待ち望んでいたからです。のどまで出かかっていたから、「耐エガタキヲ耐え、忍ビガタキヲ忍び」だけで分かったのです。分かりたいことは分かるのです。
ーー私たちの教わったのとはだいぶ違いますね。
山本: 戦前を語るのはかくの如く難しい。(以下 略)》
ああ、山本夏彦らしいですね。このあと、話はどうなることやら.......「誰か」最後まで読まないか!
ただいま、やっと落ち着き、山本夏彦の『誰か「戦前」を知らないか』という新書をぱらめくりし、肩ならしをしています。(古本で一円でした)
まだ最初の部分しか読んでいませんが、大人は、誰もアメリカと戦争をする羽目になるとは、思ってもいなかったようです。
p14
《山本: 国力が比較にならない。日米開戦の昭和十六年は満州事変以来すでに十年たっている。この上アメリカと戦争するなんて出来っこないと、軍国少年はいざ知らず、大人は思っていた。大衆は戦さに倦んでいた。日清日露、くだって満州事変だって一年余りで終わっている。
--大衆は賢かったんですか?
山本: 賢くないこと今と同じです。ただこの上戦争する力がないことだけはよく知っていた。軍人だって知っていた。
--知っててどうして?
山本: 「ハル・ノート」のせいです。日本軍は中国から全面撤退すべし、蒋介石政権以外は認めないというハル・ノートは日本への最後通牃、宣戦布告ですよ。政府はそれを国民に隠して発表しなかった。発表すれば、世論は開戦はやむを得ないと承知したでしょう。
ーーなぜ発表しなかったんですか。
山本: そんなこと知りませんよ (以下 略)》
山本: もう一人の山本さん、山本七平さんは十二月八日の開戦の日、二階で寝ていたら下からドンドン天井をつつかれて「オイはじまったぞ戦争が」と言われて「えっ、どことどこが」と聞いたそうです。七平さんはインテリだよ。そのインテリだって「まさか」と思っていた。あとは推して知るべし。
ーーそれじゃ終戦は喜んだのですか。
山本: ほっとした。玉音放送は録音が悪くて雑音だらけだったが、北方でも南方でも直ちに武装解除したのは、終戦を待ち望んでいたからです。のどまで出かかっていたから、「耐エガタキヲ耐え、忍ビガタキヲ忍び」だけで分かったのです。分かりたいことは分かるのです。
ーー私たちの教わったのとはだいぶ違いますね。
山本: 戦前を語るのはかくの如く難しい。(以下 略)》
ああ、山本夏彦らしいですね。このあと、話はどうなることやら.......「誰か」最後まで読まないか!