『ふらんす』 7月号 P74
たった1ページの寄稿であるが、エマニュエル・マクロンってどうゆう人と思っていた私には面白かった。
本文を緑色で着色した文で引用しながらご紹介していきたい。
今年3月に出版されたLes Macron (マクロン夫婦」未邦訳)の中で「OVNI(未確認飛行物体)」と評されていた。
経歴 : 国立行政学院(ENA)を卒業
ロスチャイルド系銀行員を経て、オランド政権で経済相に就任した華麗な経歴はフランス・エリートの象徴的存在だ。
ここからが面白いのだが、だが、ENAに入学する前、パリ第10大学に在籍し、ポール・リクールのもとでヘーゲル哲学に没頭した時期がある。
高等騰師範学校(エコール・ノルマル)を2度受験し失敗した。
合格していればサルトルやボーヴォワールらと同様、高校の哲学教師になっていたかもしれない。
こうした多才で型破りな経歴が「OVNI]という異名の由縁となった。
さらに面白いのが、25歳年上のブリジット夫人のことも忘れてはならない。ということだ。
フランス北部アミアンの高校でマクロン氏は国語教師のブリジットさんと知り合い恋に落ちた。彼女には夫と3人の子どもがいた。教師と生徒の密やかな関係はすぐ噂になった。
パリの進学校に転校させられる別れ際に16歳の少年はこう言った。
「君には僕を追い払うことなんかできない。僕は戻って来るし、君と結婚する」(同署)
その言葉通り、二人は家族や周囲を粘り強く説得し、13年後に結婚する。
この一貫した粘り強さと説得力がマクロン氏の政財界での力量を端的に示している。
金融界時代、多くの企業合併を成功させ「金融界のモーツワルト」と呼ばれた。
経済大臣時代には、「経済の成長と活性化のための法律案」いわゆる「マクロン法」を成立させるため野党議員一人1人を説得しようとした。
大統領選挙に向けて政治運動「前進!」を旗揚げした際には賛同者集めに並々ならぬ力量を発揮した。
マクロン氏の幼少期を彩る人物は祖母だ。小学生時代、毎日のように祖母から文学や哲学、演劇を学んだ。彼の自著Revolution(未邦訳)の中には、モリエールやラシーヌ、デュラメルらの作品を祖母宅で音読したとある。
演劇部顧問だったブリジットさんとの「運命的出会い」は祖母による「教育」の賜物だった。彼にとって二人の女性は「母」であり「師」でもあった。
彼は「マクロン法」通過後、経済大臣を辞し、オランド政権から”脱出”した。社会党の裏切り者なのだが前大統領に「エマニュエル・マクロンは私だ」と言わしめた(ル・モンド・ディプロマティーク紙2017年4月号、セルジュ・アリミ論説)。
粘り強くことを進めるとともに、他人を引き込む人間力を併せ持つ人物のようだ。
思想:wikiより。
サン=シモンの教義の核心は、富の生産を促進することが社会の重要な任務であり、したがって産業階級は貴族と僧侶よりも重要な要素である。一国の行政は市民の才能に任されねばならない。財産権は政治憲法よりも、社会の基礎を形作る上で重要な法である。彼は「50人の物理学者・科学者・技師・勤労者・船主・商人・職工の不慮の死は取り返しがつかないが、50人の王子・廷臣・大臣・高位の僧侶の空位は容易に満たすことができる」との言葉を公にし、1819年に告訴されている。この生産を営む階級の重視が、サン=シモンを「テクノクラートの予言者」と評価させる部分である。
しかしサン=シモンの場合、資本家と労働者は等しく産業階級であり、その対立は問題とされない。1810年代イギリスの労働者の反乱であるラッダイト運動に着目はしているが、「資本の所有者はその精神的優越によって、無産者に対して権力を獲得した」との見解を持ち続けた。労働者は自ら自由を獲得すべき存在ではなく、使用者によって保護されるべき存在なのである。サン=シモンはレッシングの『人類の教育』に感化され、1819年以降はキリスト教の道徳を産業社会に適用する方策を夢想した。すなわち、新しいキリスト教は礼拝や形式から脱却して、人間は互いに兄弟として行動し、富者は貧者を救済すべきである、とする人道主義へと傾いた。
マクロン氏は自らを「左派でも右派でもない」と言い切る。理性の一貫性を求めたヘーゲル哲学を信奉する彼の政治哲学が旧来の左右対立を「弁証法的」に乗り越えることを期待する(つちだ・おさむ)
マクロンはただいまドイツのメルケルとともに「メルクロン」と呼ばれて、追い風のなかにいる。
メルケル首相はマクロンの成功を ドイツのメルケル首相は22日、フランスの大統領に就任したマクロン氏について、フランスの失業問題に取り組むよう期待しており、ドイツはマクロン大統領が成功するよう支援する必要があるとの考えを示した。問題解決がポピュリスト(大衆迎合)主義に対抗する最善の道だと述べた。
マクロン大統領は23日に労働改革について協議するため、労組との会合を開き、失業率が9.6%に高止まりしているフランスの労働法を改革するため、早ければ今年の夏に政令を公布する意向を示している。(ロイター)
フランス国内では盤石の政権基盤を背景に
●ICT(情報通信技術)による経済のデジタル化戦略、
●2025年までに原発17基を廃止して現在75%に達している電力の原発依存度を50%に引き下げ
●40年までにガソリン車・ディゼル者の全廃などの政策を矢継ぎ早に打ち上げた。
追い風として、9月の国際オロンピック委員会(IOC)総会で最終決定されるが、2024年パリ五輪がいよいよ有力になってきた。
メルクロンはアゲアゲだ(NEWSWEEK)