大統領選の投票日から4日たっても、開票作業が続く州は多い。まだ勝者が判明していない州の中で、選挙人が20人と最多のペンシルベニア州は6日朝にバイデン氏がトランプ氏を逆転。7日未明にはリードを2万9千票近くまで伸ばし、トランプ氏に約0・4ポイント差をつけている。

 バイデン氏が逆転したのは、民主党支持者が多く利用した郵便投票の開票が後から行われたためだ。郵便投票の未集計分は8万9千票あまりで、多くは民主党支持者が多いフィラデルフィア、ピッツバーグの2大都市圏などで投じられているため、トランプ氏の逆転はかなり厳しい情勢だ。しかし、米主要メディアは、勝者の判定をしていない。

 AP通信は接戦であることに加え、二つの理由をあげている。一つは、得票率の差が0・5ポイントを超えていないことだ。同州では差が0・5ポイント以下であれば、自動的に票の再集計が行われるため、判断も慎重になっているという。今回の選挙であれば、約3万4千票の差が目安になる。

 もう一つは、「暫定投票」の存在だ。本来行くべきだったのとは別の投票所で投票したり、投票時に身分証の提示ができなかったりした有権者が投じた票で、開票の前には「有効票であるかどうか」を確認する作業が行われる。同州では数万票ある可能性があり、確認に時間がかかっているという。