元家庭連合の大江氏の懺悔を樋田毅氏が書いている。
「もし◯◯なら懺悔します」的な「過剰懺悔」のオンパレードに違和感。
全部で13ある「懺悔」を分析してみると、、
1 懺悔その1
高額献金を受け取るには自粛が必要という私の提言が無視されてきたことが悔やまれます
…「懺悔」はしていない。
2 懺悔その2
統一教会の信者生活の傍ら、何か別の人生を楽しむなどいう余裕はありませんでした。こういう道を選んだことについて、懺悔に似た気持ちがあります。
…「懺悔に似た気持ち」?
娘さんたちは立派に育っていますよね。ご結婚されたり。
別の人生を楽しんではないけど、お酒はたくさん楽しんでいたw
3 懺悔その3
早大原理研では、土下座トークなどの極端な手法を実践しました。これは、後の霊感商法にも通じるものでした。過ちの芽を小さなうちに摘み取ることができなかった。このことを懺悔しなければなりません。
…結果論で、なんでも懺悔。
過ちの芽は小さかったけど、大きくなったから、懺悔。大きくならなかったら、懺悔しないだろうか。
4 懺悔その4
修練会では「イエス」と呼んで「イエス様」と呼ばなかった。(中山註:そこにキリスト教への敬意が足りなかった。)もっと外部に開かれた宗教にしていかなければならなかった。その意味で懺悔したいと思います。
…イエス/イエス様の呼称だけで懺悔、と読める、、、
5 懺悔その5
早大文学部川口大三郎くんの死…改めて懺悔しなければなりません。
…家庭連合にどんな責任があるのかさっぱりわからないのに懺悔…
6 懺悔その6
霊感商法について、人を幸せにするはずの宗教が、人々を不幸にしてしまった。懺悔せざるを得ません
…「人々を不幸に」って書いているけど、その「人々」は主に霊感弁連が創り出した「被害者」。
霊感商法キャンペーン開始時には、被害者は一人しかいませんでした(小野剛弁護士)。
7 懺悔その7
副島襲撃事件。前後の状況を考えれば、副島さんが襲われてもおかしくなかった。その意味で、懺悔の対象です
…責任の有無とは別に、「前後の状況」から、被害発生の可能性があったので、「懺悔の対象」だと、、
8 懺悔その8
クーデター。(中山註:クーデター計画があったと言うが、何も具体的な話はない。それなのに、)非合法的な危険な取り組みを続けてきたことは、懺悔に値します
…クーデターという、政府を転覆させるという大きな話について、何一つ具体的な話を書いていない。でも懺悔。この「クーデター計画」には一番眉唾を感じました。
9 懺悔その9
日韓トンネルは夢物語だ。両国政府の承認もない段階で、勝手に動いてきた。そんな世間の反論に有効な反論ができていませんでした。その意味で、懺悔の対象だと考えています
…世間に有効に反論できなかったから「懺悔の対象」だそうです、、
10 懺悔その10
広報部長として、高額献金に反対することを組織上層部に訴えましたが、無視されました。もっと徹底的に闘うべきでした。懺悔しなければなりません。
…これも薄い懺悔論。。。具体的にどう「闘うべき」かの記述がないと、「懺悔」の体裁をとって、組織を批判しているだけに聞こえる、、、
ちなみに、懺悔1と内容がかぶっています。
11 懺悔その11
自民党との「腐れ縁」(中山註:内容不明)が2022年まで延々と続いてきたことに対し、もはや懺悔するしかありません。はっきり申し上げれば、自民党に対して恨み骨髄。あれだけ統一教会に世話になっていたのに、手のひら返し。自民党議員たちは見下げ果てた人間であり、自民党は見下げた組織です。統一教会がこれまで半世紀にわたって自民党を支援し続けてきたことについて、いくら懺悔しても、懺悔しきれません。
…???
自民党批判? ダメな自民党を支援したことへの後悔? 「後悔」と「懺悔」を取り違えている???
12 懺悔その12
赤報隊(朝日新聞阪神支局襲撃)事件。もしもですが、赤報隊の正体が統一教会の関係者であるなら、きちんと謝罪し、懺悔しておかなければ…
…もし◯◯なら、という条件付きの「たられば」懺悔。
13 懺悔その13
この懺悔録を出すことについて? 論旨不明…
…何も懺悔していない、、
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以上13の懺悔(1と10は同じ内容なので、実質は12個ですが)を、私が分析すると:
A 懺悔がそもそもない (2個)
1と13
B 懺悔対象が不明 or 抽象的すぎ (8個)
2、5~11
C 懺悔対象が小さすぎ (2個)
3、4
D 「たられば」懺悔 (1個)
12
以上、4分類しましたが、B~Dは1分類にまとめることができます。懺悔対象が不明、抽象的で小さすぎ、もし~ならの条件付き、という分類として。
このように分類すると、「13(12)の懺悔」をしているような体裁の本ですが、「何ひとつ懺悔していない」とも評価できる本です。
気になったのは、大江益夫氏が広報部長だったのは、信者への拉致監禁事件が最高潮に達した1990年代、損害賠償裁判が激増した時期に重なります。
彼は拉致監禁を防げなかったこと、この非道な犯罪を当時、マスコミや世間に周知させられなかったことについては、懺悔しないのでしょうか? だとすれば、極めて無責任だと思う。
同書が拉致監禁に触れているかどうか分かりませんが、たぶん大江氏は拉致監禁問題に関心がなかったのでしょう。ということは、監禁されて脱会を強制される信者の苦悩にも、知らん振りだった可能性が高いですね。
こんな無能な広報部長だったがゆえに拉致監禁被害が長く続いてしまったのかもしれません。
大江氏に良心があるならば、拉致監禁され脱会を強要された信者、元信者らに14個目の懺悔を、真の懺悔を表明してほしいと思うものです。