
8/10(火)、ユナイテッド・シネマ新潟で「SEOBOK ソボク」を観てきました。
元情報局員の主人公・ギホンが情報局から呼び出され、国家の極秘プロジェクトで謎の研究機関で誕生したクローンの不老不死の少年・ソボクの護衛を任命されるが、謎の武装組織から襲われ、さらに情報局、研究機関の双方からも追われる身に。
人間の死という深いテーマを描いたSFサスペンスアクションでした。
最初は、ギホンの過去もソボクの秘密も謎の武装組織の正体も情報局や研究所の陰謀も不明なまま、次々と激しいアクションが展開し、それぞれの関係や状況も目まぐるしく変わっていきます。
でも、アクション一つ一つの迫力がやっぱりすごいし、色々な謎が少しずつ明かされていくストーリーに引き込まれるあたり、さすが韓国映画だと思いました。
最初はただの任務として護衛していたギホンが、次第にソボクと心を通わせるという王道ながら骨太なドラマが感動的で、しかもちょっと笑いも入れてくるという抜かりない脚本でした。
やがて誰も頼れなくなり行き場を失った2人が、ある場所に向かう展開に、クローンで不老不死のソボクにも人間らしさを感じました。
ネタバレになるので詳しくは書かないけど、誰かを想い、死を想うことで人は人になるのだなと。
死といえば、人間は死の恐怖からは逃げられない、故に不老不死は最強であり、だから命懸けで技術の奪い合いが起こるという設定になるほどと思いました。
一方、不老不死のクローンのソボクを家畜や実験体のような存在として扱う組織に対して、彼にも人権があると主張するギホンという、SF設定の中で「死」を巡る人間の対比が描かれていたのも良くできていたし、見応えがありました。
あとこれもネタバレになるから詳しくは書かないけれど、主人公に出会って人間らしさを手に入れたソボクが再び人権を奪われ、怒りで「覚醒」してからの大破壊展開は「AKIRA」みたいでかなり興奮しました。
死という強大な力の前に人は無力であるが、同時にそれは永遠の安らぎでもある…
哲学的ですらあるSFアクションでした。