掟ポルシェ「豪傑っぽいの好き」を、万代BPのヴィレッジヴァンガードで購入しました。
掟ポルシェさんが、ありとあらゆる変わった人達、通称「豪傑さん」の面白いエピソードをつづったエッセイです。
宇多丸さんや杉作J太朗さんなどの掟さんのお友達から、Perfumeやバニラビーンズなどのアイドルから、田代まさしさんなどの最近メディアでは取り上げられなくなってしまった方から、鳥肌実さんなどのそもそもメディアに出ることのないアンダーグラウンドな方から、さらにはコアマガジンの編集者やその他諸々の怪しい業界人、果ては掟さんのアパートが火災に見舞われた際に訪れた公務員まで。
掟さんという不思議な人生を送ってきた方が出会った、ありとあらゆる人達のおかしな言動、豪傑エピソードをとにかく面白おかしくイジり倒しているのです。
書かれているエピソードの数々は、ほとんどがテレビでは話せないようなヤバいものばかりなのですが、掟さんの手にかかるとそれが面白くて魅力さえ感じる豪傑さんエピソードになるのが凄いです。
とにかく掟さんの周りにはどうしてこんなに豪傑さんが多いのか、類は友を呼ぶという言葉もありますし、掟さん自身も、きっと豪傑さんなのでしょう…
基本的にはバカバカしい話ばかりなのですが、時には宍戸留美さんの逆境に負けずにインディーズアイドルを突き進んだ姿にぐっときたり、掟さんとは一度も会ったことがないけれど掟さんの人生において家族ぐるみで深い縁を持つことになる藤井フミヤさんのエピソードには謎の感動があったりもしました。
また、掟さんの学生時代に暮らしたという名前は登場しない非常に治安の悪い町で見かけた犯罪者や、掟さんが若い頃に闇金にハマりそうになった時にたまたま同郷と知って引き止めてくれた高利貸しの人など、時には非常に読み応えのあるドキュメンタリーが登場したりもします。
中でも、基本的に1人につき1章ずつ書いているのに、3章にもわたって書かれた花形ハヤシさんのエピソードが、個人的に一番笑えました。
花形ハヤシさん、長野で何度かお見かけしたことがあるのですが、まさかあんな過去があったとは…
最後に、これは完全に個人的な話ですが、僕は今、トークイベントを書き起こしていつか本にしたいという夢があるんですけど、その中ですごく下ネタ満載になってしまった回があって、しかもよりにもよって最近その原稿が親に見付かって怒られるという体験があり、どうするべきかちょっと悩んでいたんです。
こちらの記事です。
「下ネタトークを書き起こしたら両親に読まれて本気で怒られた!その時、僕は…」
でも、掟さんの本を読んだら、下ネタも放送禁止ネタも満載なのに、全然嫌味な感じがなくて、すごく面白い文章になっていたので、やっぱり書き方一つで読み手に伝わる文章になるんだなと、今後の自分の活動を考える上ですごく勇気がもらえました。