
6/5(金)、イオンシネマ新潟西で「ジュディ 虹の彼方に」を観てきました。
新潟市内では、イオンシネマ新潟西とイオンシネマ新潟南で上映していました。
予告編はこんな感じです。
子役としてハリウッドでデビューし、「オズの魔法使」のヒロインとして活躍した実在のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、1968年、47歳の時にもう一度舞台で歌手としてロンドン公演を頑張ろうとする姿を描く伝記映画です。
子役時代と47歳のロンドン公演の時代を行ったり来たりしながら物語が進行していくのですが、ハリウッドの華々しい舞台で活躍する裏で大人たちに自由を奪われて苦しんでいた子役時代のジュディが、大人になって離婚したり酒に溺れたり人生が転落しかけている姿を見て、こういう子役とかアイドルって絶対いるよな…と切なくなってしまいました。
47歳のジュディはとにかく精神的に不安定だし、肉体的にもかなり無理をしているから、舞台に立つ度に(何か失敗をやらかさないだろうか…)とハラハラさせられるし、一つ舞台を終えるごとに、(ああ、無事に終わって良かった…)と自分もジュディに感情移入してほっと胸を撫で下ろしたりしてしまいました。
ジュディが舞台に立つ時の、圧倒的な歌唱力を見せつつも微妙に無理してる感もあるという、あの感じを見事に表現したレニー・ゼルウィガーさん、本当に名演技だと思いました。
そんな感じで色々あって、彼女は途中で調子に乗って大失敗をしてしまう場面も登場します。
物語の流れ的に絶対そういう場面が登場するよな…と予想はしていたものの、実際見てみると、何しろジュディに感情移入してしまっている僕はまるで自分が大舞台で絶対にしてはいけない失敗をやらかしてしまったようなダメージを受けてしまいました。
不安定な状態で長年無理し続けて、ついに大失敗をしてしまう…という中盤までのストーリー、明らかに彼女の人生が転落していくのが本当に切ないんですよね。
それでも、そこまでしても無理して歌い続けようとするジュディに対して、「もう無理するなよ…」「でも、そこまでして歌おうとするのすごいな…」「いや、つらいならそんなプライドを早く捨てなよ…」「でもそうか、彼女の人生には歌しかなかったのか…」とか、色々な感情が映画を観ながら頭の中をぐるぐる駆け回ってしまって、結果よく分からないけど涙が止まらないという状態になってしまいました。
そこまでつらい思いをして生き続けた彼女が、最後の最後に本当に本当に心から幸せそうに歌う姿には、本当に感動しました。
その時の彼女は、それまで抱えてきた様々な葛藤や束縛を最後に全部捨てて、本当に自由に歌うという幸せを、最後についに手に入れたんだろうなと思ったんですよね。
という感じで感動していたら、最後にナレーションで、この舞台の半年後にジュディが亡くなってしまっていたと知って切なかったですね。
これは物語ではなく、ジュディ・ガーランドの人生が実際そうだったってことなので、もうどうしようもない事実なわけです。
最後の舞台で歌っていた、あんなに幸せそうにジュディは、もしかしたら彼女の人生で最初で最後の幸せだったのではないだろうか。
結局、彼女の人生は幸せだったんだろうかと考えてしまったけど、一度でも幸せだったならいいなと思います。
それにしても、この映画、僕は「オズの魔法使」をリアルタイムで観たわけではないし、ジュディ・ガーランドに思い入れもないので、最初は観ても楽しめないかなと思ってスルーしようかと思っていたんです。
でも、実際に観てみたら面白かったので、やっぱり食わず嫌いをしないで映画を観るのって大事ですね。