
6/26(金)、ユナイテッド・シネマ新潟で「ルース・エドガー」を観てきました。
新潟市内では、ユナイテッド・シネマ新潟で上映していました。
予告編はこんな感じです。
紛争の続くアフリカの国で生まれ、アメリカの白人の夫妻の養子となり、優等生の高校生へと成長した黒人の少年ルース・エドガー。
ある日、黒人の女性である担任が、彼の書いたレポートに危険な政治思想があるとして母親を呼び出したことから、彼らの人間関係に様々な問題が生じる…という物語。
ルースに過剰な期待をかけてきた黒人女性の担任は、逆に彼を過剰に疑い、ロッカーを無断で調べるなどプライバシーを無視した行動に。
しかし、そこで新たな危険が発見されてしまい、担任と両親はお互いに衝突し、ルースの幼少期から心のケアに長年努めてきた両親の間にも亀裂が。
担任の妹は精神が崩壊し、担任は黒人差別を受け、ルースの彼女も男達に襲われルースが助けるも逆に新たな疑惑を生み…
まさに疑心暗鬼から生まれた不幸の連鎖という地獄を描いた映画だと思いました。
例えば、家庭や学校の中でも様々な人種の違い、価値観の違いがあり、そこでの人間関係のすれ違い、分かり合えなさの一つ一つを非常に丁寧に描いていきます。
そういう描き方によって、アメリカの人種、世代、男女の間に生ずる様々な社会問題の、救いようのない分断という闇を描いた映画なのかなと思いました。
個人的に印象的だったのは、黒人女性の担任は、黒人という「弱者」であるルースを守ろうとするのですが、その行動が逆に彼を追い詰めてしまっていることした。
まさに、「正しさ」から生まれた行動が時に人を傷つけてしまうという、差別や偏見という問題のセンシティブさを表現しているわけで、彼女の名前がハリエットなのもすごい皮肉だよな…と思いました。
(「ハリエット」は、イオンシネマ新潟西で上映中の、黒人奴隷解放運動で活躍した女性の映画です。いい映画でした!)
「奴隷から脱走した女性が、黒人解放運動のために立ち上がった実話を映画化!「ハリエット」、観てきました。」
「ハリエット」では、1849年に黒人奴隷解放運動を行った女性の物語なのですが、あれから170年経って世界が平和になったかと思いきや、また新たな差別や分断を生んでしまっていると思うと、本当に切ない物語なんですよね。
絶望的なくらい人々が分かり合えず、すれ違い、傷つけ合うまさに不幸の連鎖を描いた物語なわけですが、それでも少しずつ分かり合おうとする人達も描いていて、それが人間の持てるギリギリの希望なのかなとも思いました。