
11/1(金)、新津美術館「秋葉区美術展」を見に行ってきました。
秋葉区の人達による美術展で、日本画、洋画、写真、工芸、版画、彫刻、書道の部門ごとに展示。
秋葉区だけでこれだけ多くの人達が美術作品を作っていること、それが美術館にしっかり展示されていることに驚かされました。
日本画は、動植物などを描いたものが多かったことから自然への畏敬の念を感じる作品が多い。
対象物の本質に忠実に迫るという絵画の基本となる誠実さを感じられるのも日本画の良さ。
洋画は、日本画よりも風景画や人物画、抽象画など描くものが日本画よりも自由な印象。
とはいえ、特に優れた作品は誠実さを感じる絵画が多いのは変わらず、絵の中の世界に引き込まれそうな魅力を感じました。
版画は、日本画や洋画よりもある意味色や線などに制限が多い絵画であり、それだけに対象物のどの色や線を活かすかといった技術力も問われる。
それだけに、この世界の美しさを切り取り、それを自分の表現に落とし込むという作者の想いが感じられるようであり、だからこそ一見ベタ塗りに見える絵の具にも深みを感じるようで、どの作品も引き込まれるものがありました。
写真は、個人的にこの美術展で最も心惹かれた作品で、自然の動植物、木々や空や太陽の光など自然の風景、町並みやお祭り、遊ぶ子供などの人間の営み、この世界の美しさを再発見される写真が多かった。
特に、鳥が魚をくわえた瞬間、花の上を歩くカエルなどの野生動物の写真には、よくぞこの一瞬を捉えたなと驚かされました。
工芸は、個人的にあまり見る機会がないのですが、焼き物の花器や壺など、一つ一つから自然の土の質感から、ずっしりとした重厚感が伝わってきて、見応えがありました。
例えるなら日本庭園のように、自然の美しさをできるだけ活かしたまま、人間の生活の中に取り入れる、そんな良さがありました。
彫刻は、人間の頭部や身体を作ったものから、抽象作品など様々ですが、どの作品も石を削るという大胆な技法によってよくぞここまで繊細な形状を表現できるものだと驚かされました。
そしてどの作品も土や石という自然の素材の存在感と、そこに人が心を込めて手を加えることでまるで生命を宿らせるような存在感があると感じられました。
書道は、どの書も一文字一文字がまるで生きているように生き生きと存在感を放っているようでした。
しかも、書道って絵画と違って一枚の作品を一度に書き上げるものなので、その緊張感が筆遣いから伝わってきました。
どの作品も美術の基本に忠実で、美術の本質を味わうことができる展示という印象を受けました。