
1/16(木)、古町演芸場へ凰翔座(おうがざ)を観に行ってきました。

毎月色々な旅劇団が訪れて毎日のように大衆演劇を上演している古町演芸場。
本当に熱心なファンの方は毎日異なる演目を観劇しているようですが、僕は昨年から月に一度「今月はどんな劇団かな」とふらっと軽いノリでお芝居を観に行くのを楽しんでいます。




凰翔座の公演は、まずはショーから始まる。
大衆劇団は男性が多いことが多いですが、この凰翔座はベテランの男性以外に若い女性の俳優も多いようでした。

そのあとのお芝居の演目は、この日は「お玉の縁談」。
落語の与太郎のような大工の弟子が、次々やってくる訪問客に間抜けなことばかり言って追い返してしまい、そのたびに棟梁から怒られ続けるという喜劇。
棟梁から鋸を人に貸せない理由(右利きと左利きで癖がついてしまう)と説明されると、傘を借りに来た客に鋸の説明をしてしまう。
→棟梁から傘を貸せない理由(嵐で壊れて骨と皮だけになってしまった)を説明されると、猫を借りに来た客に傘の説明をしてしまう。
→棟梁から猫を貸せない理由(盛りがついて鳴いてばかりいる)を説明されると、棟梁に用事がある客に猫の説明をしてしまう…
今でいう天丼のような繰り返しのコント!
そして弟子が間違う度に、棟梁が持っている扇でまるでハリセンのようにバシバシ叩くという、完全にボケとツッコミの漫才のようなやり取り!
後半は、近所で若旦那と遊女の縁談があり、若旦那が家を訪れることになるのだが、棟梁がいなくなる代わりに弟子が棟梁の真似をして若旦那の相手をすることに。
そこで、弟子は事前に棟梁から棟梁らしい台詞や仕草を教わるのですが、案の定台詞を忘れたり仕草を間違って滑稽なものになってしまう。
やがて、弟子が棟梁の台詞をちゃんと全部言えるかどうかに挑戦するという、まるでバラエティ番組のゲームのようなコントになっていく。
やっと全部台詞を言えた時には、客席から拍手が起こっていたほどでした。
何を魅せられているんだ…?と戸惑う若旦那の前に棟梁が訪れ、「もう芝居は終わりだ」という一言で、このお芝居も終わるというあたり、落語のオチのような鮮やかさがありました。
それにしても、こういう現代でも通用するコントのような喜劇を、江戸時代の人達も楽しんでいたんだなあと思いました。




最後はお約束の舞踊ショー。
凰翔座はベテランの男優さんから若い女優さん、そして子役まで、幅広い世代が頑張っていて、渋い色気とフレッシュな元気さが両方楽しめる劇団でしたね。
そんな感じで喜劇もショーも楽しかったのですが、やっぱり大衆演劇なら殺陣や人情ものも観たかった自分もいました。
ちなみにこの翌日は国定忠治の「忠治と山形屋」で、こっちの方が良かったかな…
…と思ったのですが、なんと凰翔座は2月も古町演芸場で公演をするそうなのです。
というわけで、2月はどんなお芝居を観られるのか、今から楽しみにしています!