「紫暮めぇっ」獣の槍の回収失敗を聞き、上僧達が口惜しがっていると和羅が現れた。「怒りを迷いを生むぞ?」「帰られたのですか僧正様」畏まる上僧達。「私の留守中にことを起こしたらしいな」「申し訳ありませんっ」「獣の槍を守り操る者を育てる、それが光覇明宗の教え。四人の伝承候補者を育ててきたお前達が、蒼月潮を認めたくないのはわかる。だが、お役目はお怒りだ」お役目様は怒ってもよいのであるッ!「察しておられる」『あの槍は持つ者を選ぶと言います。槍を持つ以上、潮少年は選ばれたのやもしれないのです。和羅、槍を手に入れるのは宿縁、それに手出しは無用です』お役目様は和羅に厳命していた。「光覇明宗は蒼月潮を伝承候補者として監視することにした! 行動を共にする『とら』という妖怪も、処分は止めおく、よいな!!」「ははぁっ」和羅は僧達に申し伝えた。
当の潮ととらは夜中に山奥のとある温泉に来ていた。「はぁ、いい湯だなぁ」「どこに温泉に入って鼻唄唄う妖怪がいるんだよっ」呆れる潮。二人は鎌鼬達に傷によいと教わり湯治に来ていた。とらの腕はすっかりくっついていた。と、とらが疲れてるから喰わん、槍どけろバカと指図し出し、「めんどくさいなぁっ」潮は両手を湯の中で合わせで水鉄砲をとらに当ててやった。「それ、どんな術だよ?」「知らねぇの? こうやってやるんだよ」聞かれて潮がとらに水鉄砲のやり方を教えていると、湯煙の向こうから歌声が聴こえてきた。
「誰だろう? 綺麗な声」潮は温泉を泳いで歌声の方へ向かった。「あっ」白髪の少女が湯に浸かり、歌を歌っていた。(髪が雪みたいに真っ白だ)潮は赤面してみとれた。「おう、旨そうな人間だな」とらも来て、来たついでに軽く湯に沈められる潮。「何だよ、お前っ!」怒って声を出す潮! 少女は気が付き、タオルで裸身を隠して立ち上がった。
2に続く
当の潮ととらは夜中に山奥のとある温泉に来ていた。「はぁ、いい湯だなぁ」「どこに温泉に入って鼻唄唄う妖怪がいるんだよっ」呆れる潮。二人は鎌鼬達に傷によいと教わり湯治に来ていた。とらの腕はすっかりくっついていた。と、とらが疲れてるから喰わん、槍どけろバカと指図し出し、「めんどくさいなぁっ」潮は両手を湯の中で合わせで水鉄砲をとらに当ててやった。「それ、どんな術だよ?」「知らねぇの? こうやってやるんだよ」聞かれて潮がとらに水鉄砲のやり方を教えていると、湯煙の向こうから歌声が聴こえてきた。
「誰だろう? 綺麗な声」潮は温泉を泳いで歌声の方へ向かった。「あっ」白髪の少女が湯に浸かり、歌を歌っていた。(髪が雪みたいに真っ白だ)潮は赤面してみとれた。「おう、旨そうな人間だな」とらも来て、来たついでに軽く湯に沈められる潮。「何だよ、お前っ!」怒って声を出す潮! 少女は気が付き、タオルで裸身を隠して立ち上がった。
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