「あかりのことを諦めようとした。けどできなかった。あかりを思う気持ちに嘘何て一つも無かった。今まで楽しい時も、苦しい時も、あかりを見てきた。これからも、10年先も、20年先も傍であかりを支えたい。あかりを幸せにしたいんだ」花火の映像の流れる部屋で、翔太を見ているあかり。出入り口の所で話を聞いていた葵はそこで去ってしまった。そのまま帰宅して花屋敷のチケットを公平と七海にやった葵は夜、半場眠りこける公平に「普通、俺らの年で結婚とか考えねぇよな? 自分の将来も見えねぇのに、誰かの将来何て考えらんねぇよ」と溢し、翔太のあかりへのプロポーズのことも相談したが、公平は眠ってしまっていた。「俺にはそんな覚悟ねぇよ」葵はため息をつくのだった。
建築コンクールの締切が迫り、富永は問題無く出展を済ませたが、未だにあかりと交際しているかもハッキリしていない葵は、プロポーズに戸惑い、製作も手につかない有り様だった。そんな中、七海の就職が決まり、公平はお祝いをすると張り切っていた。葵もこれには乗り気だったが、七海と一緒にあかりが家に来ると、「どうしたの?」「昨日は、ありがとね」「うん」ぎこちなくなる葵。七海が気を利かせ、公平と買い出しにゆき、二人きりになった。
「空気も冷たくなってきたね。もう夏も終わりかな?」ベランダに並ぶ二人。「葵。私ね、翔太にプロポーズされた。もし受けるなら、8月31日、あの場所に来てくれって。一緒に花火見ようって」あかりは全て話した。「で? 行くの?」聞くが、止めない葵を見詰めるあかり。「どうしようかと思って」「どう思う?」「どう、って」「葵に相談してもしょうがないっか。じゃあそろそろ帰るね」あかりは帰ってしまい、葵は何も言えなかった。
翌日、翔太が建築事務所を訪ねてきた。心音のことで礼を言い、
2に続く
建築コンクールの締切が迫り、富永は問題無く出展を済ませたが、未だにあかりと交際しているかもハッキリしていない葵は、プロポーズに戸惑い、製作も手につかない有り様だった。そんな中、七海の就職が決まり、公平はお祝いをすると張り切っていた。葵もこれには乗り気だったが、七海と一緒にあかりが家に来ると、「どうしたの?」「昨日は、ありがとね」「うん」ぎこちなくなる葵。七海が気を利かせ、公平と買い出しにゆき、二人きりになった。
「空気も冷たくなってきたね。もう夏も終わりかな?」ベランダに並ぶ二人。「葵。私ね、翔太にプロポーズされた。もし受けるなら、8月31日、あの場所に来てくれって。一緒に花火見ようって」あかりは全て話した。「で? 行くの?」聞くが、止めない葵を見詰めるあかり。「どうしようかと思って」「どう思う?」「どう、って」「葵に相談してもしょうがないっか。じゃあそろそろ帰るね」あかりは帰ってしまい、葵は何も言えなかった。
翌日、翔太が建築事務所を訪ねてきた。心音のことで礼を言い、
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