「いらっしゃいませーっ!」大和はケーキ屋でアルバイトをしていた。調理場では店長と若い男のパティシエが作業しながら話していた。「ウチのケーキが大好き何だって。一之瀬君も、色々教えてあげてね」「はい」細面のパティシエ、一之瀬は素っ気なく答えた。一方、猛男は屋外から大和の働きぶりを砂川と見守っていた。枝を持つ等して植え込みに擬態している猛男。「猛男、怪し過ぎるんだけど?」早速突っ込まれる猛男。「心配しても仕方ねぇなぁ、何かあった時の為に、ドンと構えていよう」猛男は急に悟って立ち上がった。
バイトを終えた大和が待ち合わせていたらしい公園に小走りで現れた。「おう! 大和ぉっ!!」両手を拡げ『ドンと』構えた。「ええ?」驚きつつ、どーん、どーん、と猛男相手に相撲の稽古のようなことをして喜ぶ大和。「バイトどうだった?」話が進まない、と判断し、砂川が聞くと「うん、すっごく楽しかった!」と大和は嬉しげに答えた。「猛男君が背中を押してくれたおかげだよ」『やりたいことはやってみたほうがいいんじゃねーか?』春休み余り会えなくなることを心配する大和に猛男はそう言い、大和は砂川がアルバイト募集の貼り紙を目ざとく見付けた大ファンの店で働くことになったのだった。
「何か、スゲーなぁ、プラスチックでできてるみてぇだなぁ」「え?」「芸術作品みたいなって言いたいんでしょ?」「わかるっ、そうだよねぇ!」大和が買ってきた店のケーキは造形からして手が込んでいた。(なるほど、これが大和の言う、プロの仕事か!)感心する猛男は食べてみた。「あ、甘いなぁ」「うん!」「ケーキだなぁ」「うん!」(もう少し気の効いたこと言えねぇもんか俺はぁ?!)何やら高尚な味に戸惑う猛男。熱心に洋菓子談義する大和の話にも上手く答えられなかった。猛男は大和が仕事に慣れた頃に店に行くことにした。
2に続く
バイトを終えた大和が待ち合わせていたらしい公園に小走りで現れた。「おう! 大和ぉっ!!」両手を拡げ『ドンと』構えた。「ええ?」驚きつつ、どーん、どーん、と猛男相手に相撲の稽古のようなことをして喜ぶ大和。「バイトどうだった?」話が進まない、と判断し、砂川が聞くと「うん、すっごく楽しかった!」と大和は嬉しげに答えた。「猛男君が背中を押してくれたおかげだよ」『やりたいことはやってみたほうがいいんじゃねーか?』春休み余り会えなくなることを心配する大和に猛男はそう言い、大和は砂川がアルバイト募集の貼り紙を目ざとく見付けた大ファンの店で働くことになったのだった。
「何か、スゲーなぁ、プラスチックでできてるみてぇだなぁ」「え?」「芸術作品みたいなって言いたいんでしょ?」「わかるっ、そうだよねぇ!」大和が買ってきた店のケーキは造形からして手が込んでいた。(なるほど、これが大和の言う、プロの仕事か!)感心する猛男は食べてみた。「あ、甘いなぁ」「うん!」「ケーキだなぁ」「うん!」(もう少し気の効いたこと言えねぇもんか俺はぁ?!)何やら高尚な味に戸惑う猛男。熱心に洋菓子談義する大和の話にも上手く答えられなかった。猛男は大和が仕事に慣れた頃に店に行くことにした。
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