nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

近江 紅葉紀行

2013-11-28 00:00:00 | 旅行記
 起床後、カーテンを開けると小雨が落ちている。予報も雨の確率が高いとのことだ。
 出発が早いので、朝食も6時半からで、昨日と同じイタリアンレストランでバイキング・スタイル。
 イタリアンとは言っても、和食も洋食も用意されている。小生は和食を中心にいただく。
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Img_0612Img_0615  今日のバスの座席は一番前、昨日一番後だったので
 配慮されたようだ。
 出勤時間と重なり道路は混雑していたが、岐阜各務
 原I.C.から北陸道へ入るとスムースに流れる。
 一宮JCTから名神高速に入り、伊吹P.A.で昼食
 のお弁当を積み込む頃には雨も上がっている。
 期待していた百名山の伊吹山は雲に覆われている。




     *Map_3
 八日市I.C.で一般道へ降りると、再び小雨が降り出す。
 永源寺の駐車場は、愛知川に架かる旦度橋の左岸側にある。
 雨のため傘を差して橋を渡るが、風が冷たく気温も大分低いようだ。
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 橋を渡ると左側に案内所とお土産屋が並んでいる。
 その先の小さな流れに掛かる橋を渡ると、羅漢坂の急な石段がある。
 雨に濡れて滑り易くなっているので、慎重に上っていく。
 120の石段を登りつめると、左の岩山に釈迦文殊、普賢像と十六羅漢像が奉安されている。
 仏像はそれぞれ違った表情をしている。
 その先には彦根藩主・井伊直興公の墓所がある。
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 総門を潜ると左手に受付があり、ここで入山の印としてパンフレットをいただく。
 その先に格調高い山門がある。
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Img_0616Img_0617 永源寺
 永源寺は、滋賀県東近江市にある臨済宗永源寺派の
 本山。山号は瑞石山。紅葉の美しさで知られる。
 1361年創建。開山は寂室元光(正灯国師)、開基
 は佐々木氏頼(六角氏頼)。
 中世戦乱期に兵火により衰微したが、江戸時代中
 期に中興の祖とされる一糸文守(仏頂国師)が
 住山し後水尾天皇や東福門院、彦根藩の帰依を受
 けて、伽藍が再興された。
 1873年に明治政府の政策により東福寺派に属した
 が、1880年に永源寺派として独立した。
 本尊は世継観世音菩薩。             【永源寺パンフレットより】
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 山門の先、鐘楼を左に曲がると、国内屈指といわれる葦葺き大屋根の方丈(本堂)がある。
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 拝礼の後、その奥へと進むと本堂の裏手にある大きな紅葉が、今や盛りと見事な色合いを見せている。
 法堂の手前には、次のような芭蕉の碑がある。
    ‘ こんにゃくの さしみるすこし 梅の花 ’
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Img_0623Img_0624            









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 さらに経堂や開山堂を過ぎて裏山の道を進み、裏門まで行く。
 この付近ではエナガやメジロなどの姿を見かけたが、思っていたほど野鳥は少なかった。
 ここから引き返し、元の道を戻る。帰り道から見る紅葉も、見栄えのする所が多かった。
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Img_0627Dscf1264thumb400x266503_2  幸い途中から雨も上がって、帰りは雨具が不要に
 なった。
 東近江市永源寺地区は、永源寺コンニャクや政所茶
 の産地とのことで、バスの駐車場近くの店では、コ
 ンニャクのおでんやお茶などが売られていました。





     *Map2
 バスは次の目的地、湖東三山の一つ、百済寺へと向かう。
湖東三山
 琵琶湖の周辺には、天台宗の寺院が数多く建立され龍應山「西明寺」、松峰山「金剛輪寺」、釈
 迦山「百済寺」の三つの古寺は湖東三山と呼ばれています。
 ともに名勝の誉れ高い庭園、伽藍を有する名刹ですが、紅葉の時季が一段と美しいといわれてい
 ます。
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 バスは長い参道の中程にある狭い駐車場に到着するここは観光客が多い。
 表門の前にある急な階段を上がり、そこで拝観券を兼ねたパンフレットをもらう。
 表門の直ぐ左にある本坊喜見院の池泉回遊式庭園、別称『天下遠望の名園』に入る。
 庭園の周囲にある紅葉は盛りを過ぎていた。
 この池泉を回って,高台の[遠望台]に着くと、湖東の平野が眼下に展開する。そして西方55km
 には比叡の御山に連なる山並が湖西の山並を眺められるとのことでしたが、あい難の曇天で見るこ
 とはできませんでした。
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釈迦山/百済寺 天台宗
 聖徳太子が創建の古刹で百済の僧が住職を勤めたのでこの名が付く。
 天正1年、織田信長によって壊滅されるが、後に徳川家康が復興する。
 7月は庭園池の河骨(コウホネ)が咲き、秋の紅葉、春の桜が見事です。【近江路観光ガイド】より
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     *Map1
 表参道に戻ると、本堂へのやや急な階段が続いている。その左手に、
 「ヒザにやさしい脇参道もご利用下さい」という脇参道の看板が出ている。
 無理することもあるまいと、その道を歩く。
 この道の両側には〈ムラサキシキブ〉や〈ミツマタ〉などが植えられており,それらを眺めながらのんびりと歩いていく。
 この坂道を上がるのにほど良い運動になった。
 雨は上がったが、厚い雲に覆われ気温が低い。
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 本堂に近くなると、鐘楼の鐘の音が連続して響くようになる。この鐘は参拝者が自由に撞けるようになっているようだ
 鐘楼へ行ってみると、
 『百済寺の梵鐘は、余韻の長さと音色の美しさで ‘ 昭和の名鐘 ’ と云われています』という看板がある。
 なるほど良い音色で長い余韻をしている訳だ。
 さらに、『この鐘は願い事をこめて、ご自由に撞いて下さい』とあり、小生も家内安全の祈りをこめて一撞きする。
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 本堂に拝礼の後も表参道の階段を避けて、脇参道を下り駐車場へと戻る。
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 今日の昼食も観光場所が多く食事時間が取れないため、車内でお弁当を食べることになりました。
 小生は『近江牛大入飯』を注文。ほんのりとカレー風味に炊き上げた近江米のご飯に、自家製たれで炒めた近江牛バラ肉をのせたもので、まづま
 づの味でした。   
     *Map
 バスは10分ほどで次の金剛輪寺に到着。
 総門内の受付で拝観料を支払い、バスはそのまま参道の中腹にある大型バスの駐車場まで行く。
 団体客のために造られた場所なので、これは大助かりだ。
 中程の参道を上ると『二天門』がある。門の両側には大きな草鞋が下げられているが、これは七難即滅を願うもの
 とか。この門は元は楼門だったという。
     *Rinji21a2 
 国宝の本堂の周囲には、鮮烈な赤い紅葉が植えられている。
 これが『血染めの紅葉』といわれるもので、金剛輪寺の開祖、行基
 菩薩が聖観音を拝みながら彫刻されたところ、木肌から一筋の血が
 流れ落ち、粗彫りのまま本尊として祀られた。
 この縁起により、後世本堂周辺の鮮やかな紅葉が血染めの紅葉と呼ばれるようになったという。
                               【金剛輪寺パンフより】


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松峰山/金剛輪寺 天台宗
 天平13年(741)行基により創建の古刹で後時代には円仁が天台密道場として再興。
 弘安11年(1288)建築の本堂大悲閣は国宝。寛元4年(1246)には三重塔が建てられ、鎌倉期の仏像を多数所蔵。
 春は石楠花、7月初は紫陽花(株多数)、秋の紅葉と四季折々風情が素敵。
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 本堂に昇殿し,拝礼の後、秘仏本尊聖観音をはじめ、阿弥陀如来像、十一面観音像など十体の重要文化財指定の仏像などを拝観する。
 本堂の左手一段高い所には周囲の紅葉の中に建つ、國重要文化財の三重塔がある。
 この三重塔は、寛元四年(1246)に創建され、昭和53年秋に復原大修理が終わったとのこと。
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 参道の両側や、その途中に数多く見られる『千体地蔵』には、風車がお供えされており、八月九日の千日会にはそれぞれにお明りが入り、見事と
 のこと。
 よだれかけは、信徒の寄進によるもので、年に三回かけ替えると云う。
 長い参道を下り、総門を出る。
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     *Keidai

 湖東三山の最後の『西明寺』までは5分ほどで到着。
 駐車場から交通量の多い国道307号線を越えて階段を上ると、直ぐに山門とその先に受付がある。
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龍癒山/西明寺 天台宗
 承和3年(834)三修上人が開く。織田信長の比叡山焼き討ちの際に当寺も多大な損害を受けるが、幸い本堂・三重
 塔は被害を免れ現在にいたる。
 本堂、瑠璃殿と三重塔は鎌倉期の建造で共に国宝。
 三重塔は檜皮葺きの優美な姿で、秋の紅葉が素敵な寺です。         【近江路観光ガイド】より                         
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 山門を潜り、参道を歩き出すころから青空が広がり出し、太陽が顔を出す。
 参道の紅葉が急に明るくなり、鮮やかさが一段と増して見事になる。皆さんも歩みを止め、一斉にカメラやケ
 イタイのシャッターを切る。
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 参道は一方通行になり、名勝庭園『蓬莱庭』を通って本堂へと向かう。
 蓬莱庭は池泉観賞式の庭園で、鶴亀の「蓬莱庭」と名付けられている。
 鶴や亀を形どった石組みや、本堂に祀る仏像を立石群に象徴させ、山の傾斜などを巧みに生かした、調和がと
 れた庭園である                             【西明寺パンフより】
     *
 国宝の本堂は、鎌倉時代の初期、飛騨の匠が建立した純和洋建築で、釘を使用していないとのこと。
 屋根は桧皮葺きで、かえるまた、格子模様など鎌倉の様式が保存されている。
 堂内に上がり、拝礼の後、本尊の薬師如来ほかの仏像などを拝観する。
     *
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 本堂の右手にはこれも国宝の三重塔がある。
 鎌倉時代後期、飛騨の匠が建立した純和洋建築で、釘を使用していないもので、屋根は桧皮葺きで、総檜の建物とのことだ。
 内部の拝観はできなかったが、西明寺の資料によると、初層内部の壁画は巨勢派の画家が描いたもので堂内一面に、法華経の図解、大日如来の脇
 侍仏三十二菩薩、宝相華が極彩色に描かれていて、鎌倉時代の壁画としては国内唯一のものであるといわれている。
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 日差しが眩しいほどで、三重塔の前にある鐘楼が、光を浴びた周囲の紅葉に覆われている姿が良い
 その先では大きな黄葉が逆光の中で見事な色彩を見せている。
     *
18_00Img_0651  今日の観光の最後になって天は素晴らしい演出をし
 てくれた。
 参道の周囲の紅葉を楽しみながら下って、最後に受
 付の近くにある天然記念物の『不断桜』を見る。
 残念ながら今年は咲く時期が早かったようで、枝先
 に僅かに残っている程度でした。
 その左奥には不断桜の原木(250年の古木)が金網
 で囲われていましたが、こちらも花はちらほら程度
 でした。


不断桜
 例年9月上旬に咲き始め、11月には満開となり、紅葉の時期に季節はずれの花見を楽しむことができる山桜か彼岸桜の一種である。
 参考までに西明寺のパンフの満開の画像を載せておきます。
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 これで今回のツアーの日程を終了。バスは名神高速道を八日市I.C.から入り、一路名古屋駅へと向かいました。
 往路では雲に覆われていた伊吹山も快晴の空に姿を現し、最後のお土産になってくれました。
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 7.40. 岐阜都ホテル発 → 8.50. 伊吹P.A. 9.05. → 9.40. 永源寺 10.45. → 11.00. 百済寺 12.00. →12.10. 金剛輪寺 13.20. → 13.25. 西明寺
 14.25. → 15.40. 名古屋駅 17.28.(こだま672号)→ 20.17.東京駅着


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