『露』です。
潤渇の差を側筆を使うことで表しているので、遅速の差を意識しすぎるとバサバサになってしまうので注意しましょう。
『白』でも解説しましたが、このかすれた部分が文字の『影』を作り、立体的に見せる効果を出しています。
『足』の最終画以外の横画の角度を合わせましょう。
ただし雨冠の中の点の角度は、『足』の最終画と同じ角度なので注意してください。
また、雨冠二画目は、意外に一画目と離れていることを見逃さないようにしましょう。
一画目からの流れを止めずに二画目、そして三画目の少し湾曲した行書風横画に移行してください。
三画目の払いを勢いつけすぎると、冷静な四画目の縦画はひけません。
そして二つの点はそれぞれ形は違えど、雨冠の『起承転結』の『結』部分を四画目から続いて担っている事を忘れず、心をおさめるように書きましょう。
三画目の『転』部分の勢いを止めるには、その後4-5.6画が必要という事です。
さて、筆は止まりませんが、ここからは気持ちがさらに落ち着かせて書きましょう。
『足』は基本平静です。
最終画の横画は払い気味なので角度つけて書きますが、跳ね上がる筆速は不必要です。
角度を急にすることで、緩急を感じさせましょう。
そしてこの角度を『雨冠』の5.6画目の角度と同じにすることで、唐突感を出さずに済みます。
つまりこの『露』に二つの右肩上がりの角度を入れることで、安定感ある規則性を出そうとしているわけです。
『各』にはかすれ部分が多いですね。
これは側筆を使い、少しだけ筆速を上げています。
二画目は転折部分で『中鋒』にもできたはずなのに、あえて側筆をつかって払い、カスレを出しているのは、立体感を出す為だったように思います。
雨冠の四画目を延長したところから、あえて書き始めた『口』の一画目は大きく曲げています。
ここを普通に引いてしまうと、『各』の中心がズレますから気を付けましょう。
この『露』には
見えない縦画があるのです。
それが『雨冠』四画目の縦画です。
ずっと下までひいてみましょう。
そこに、『足』も『各』も繋がっているのです。
見えない中心線である『雨冠』四画目の縦画が、この『露』の大黒柱となっているので、『雨冠』の左右部分も、『足』と『各』もバランスよく重量配分されているのです。
『各』の最終画は、それまでの右肩上がりの角度とは少し違えていますが、これは文字を書き終わり、心をおさめるための角度なので、違和感を感じさせたないギリギリの角度でせめて来ています。
おさめるところを攻めてくるのですから、流石であります。
次回もお楽しみに〰