悠翠徒然

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競書漢字課題私的考察その2

2020-09-08 07:31:00 | Weblog



まず感じることは、この『髪』の絶妙なバランス感覚ですね!

とんでもないです!

一画目の縦画をこんなに太く書いてしまったら、、、、

まず、まとめることは普通不可能です。

それを超絶な書技をひけらかすことなく、まとめている。

どれだけ見ていても、飽きることのない、永遠の時間に連れ込まれてしまいそうです。

おっそろしぃ〰( ̄▽ ̄)


この『髪』を言葉で表現すれば、ひんやりとした風に髪がとかせられる様になびく様子を、この『髪』で表しているわけです。

昔養毛剤のCMで
『神はなが〰い友達』なんて言っていた事を思い出しました(⌒▽⌒)

『長』は風の吹いてくる方向性を表しているかの様です。
『長』の横画はことごとく、その角度に変化を持たせています。




お分かりでしょうか?

そしてその方向性の違う風を受ける
『さんづくり』は、様々に揺れている。




『友』は緩急ある風にさらされ、心地よさを感じている気持ちを表しているかの様です。




もう、国宝級の出来栄えに、打ちひしがれてしまいそうです、、、。

しかもその表現をこの作品の中では、この『髪』にだけでしかしていない。




残り四文字は普通に美しい結体です。

それが『髪』をさらに上質に際立たせています。

普通画数の少ない『一』などは、画数の多い文字に存在感で負けない様、少しデフォルメして書くものですが、この作品での『一』は上下の空白を含めて『髪』の黒子に徹していると言えるでしょう。


一文字目が、ハイライト、、、、

上級者の方々には、高橋鵞翠の高度な書法を学ぶ良い機会にしていただきたいと思います。

今回、コロナウィルス感染防止策の一環として、原本回覧をしておりません。

ご覧になりたい方は教卓にありますので、担当講師にお申し出ください。

お手数おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

次回は『冷』です。

お楽しみに〰