上の写真=団交で会社が「事業部閉鎖は誤った判断だった」と謝罪
知的障害者24人を先頭に団体交渉
会社が事業部閉鎖の全面撤回と雇用継続を約束
万雷の拍手と歓声上がる!
知的障害者24人を中心に結成した私たち全国一般東京東部労組フォーラムエンジニアリング支部は11月19日、株式会社フォーラムエンジニアリングとの団体交渉を組合員が働いている製麺事業部(東京都台東区)で行いました(下の写真)。
会社側は新津取締役をはじめ3人が出席。組合側は本部から菅野委員長と担当者2人、支部からは仕事との兼ね合いで当初10人程度の参加でしたが、団交の終わりには作業着姿で障害者24人全員が結集しました。
彼ら彼女らを前にして新津取締役は「製麺事業部を閉鎖するという会社の当初の判断は誤っていました。皆さんに不安な思いをさせて申し訳ありませんでした」と謝罪。そのうえで「これからも製麺事業部を会社は続けていきます。皆さん、仕事に頑張ってください」と言葉を継ぎました。これに対して会場に詰めかけた組合員からは万雷の拍手と歓声が巻き起こりました。本当に感動的な場面でした。
この日の団交では冒頭に会社側からこの間の経緯について次のように説明がありました。「本業の技術者派遣で売上悪化が続いており、景気が回復する兆しも見えない。そんな中で製麺事業部の閉鎖を会社はいったん決断しましたが、皆さんの声を聞き、組合との話し合いも踏まえて、雇用の責任の重さを感じて考え直しました。11日付けで組合には閉鎖の撤回を書面で伝えていますが、あらためて閉鎖の撤回をお伝えし、会社を代表して皆さんにお詫びします。申し訳ありませんでした」
組合側からは支部結成後、障害者の家族を対象にした説明会を開いたこと、荒川区職労をはじめとする地元の友好労組への協力の呼びかけ、弁護団の立ち上げ、マスコミへの発表などの態勢にただちに取り組んだこと、ハローワーク品川や行政の障害者就労支援センターの障害者雇用を守ろうという働きがあったことなどを紹介。そのうえで「会社側は私たちの声を真摯に聞いてくれた。閉鎖の撤回は英断だ」と高く評価しました。
支部委員長の間殿さんは「もう少し早く(会社と)話がしたかった」、副委員長の角田さんは「閉鎖になると生活していけなくなると心配していた」などとこの間に抱いた不安感を率直に会社側に伝えました。組合員のひとりはおもむろに立ち上がって「(麺づくりの仕事を)もっとうまくなりたい」と発言しました。これに対して会社側は「製麺事業部は続きますので、是非うまくなってください」と応じました。
会社と組合は「会社は、製麺事業部閉鎖の方針を全面撤回し、同事業部にて現在勤務している組合員との雇用関係を今後も維持する」などの項目を明示した「確認書」にお互い署名し団交を終えました。
これで障害者全員の解雇は回避され、雇用継続が正式に実現しました。ご支援いただいた皆さん、応援に駆けつける約束を快諾してくれた皆さん、本当にありがとうございました。私たちは受けた支援を運動で返していきます。特に全国各地で横行している企業による障害者解雇・差別に闘っていきます。働く障害者の皆さん、フォーラムエンジニアリング支部とともに声を上げましょう!
労働組合のこれからの活躍を期待しています。